A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 084 親友

2011-07-03 23:35:13 | ことば
 そもそも親友と呼べる人は、一生に一人か二人現れればいいほうです。現れないのがふつうです。だいいちなにをもって親友というのでしょう。多くの場合、愚痴を聞いて慰めてくれる、悩みを掃除機のように吸い取ってくれる、そんな都合のいい相手を求めているだけなのです。しかし、そんな神様みたいな人はいません。そういう人がいないと嘆くほうがおかしいのです。世間では友達が多ければ多いほどいいようにいわれていますが、友達が多いと、その分トラブルも多いもの。悩みの数も友達の数だけあるのです。ところが、友達がいないと、孤独で寂しいかもしれませんが、トラブルはいっさい起こらない。平和で静かなものです。問題は、どちらをとるかであって、友達がいないから自分はだめだということではありません。
(美輪明宏『人生学校虎の巻』家の光協会、2005年、p.54-55)

 小学生のころ、童謡『一年生になったら』の「ともだち100人 できるかな」の歌詞が嫌いだった。ひねくれ者の私は友だち100人なんかいらないと思った。この文章を読んで、あらためてそう思った。
(誤解のないよう補足すると、友人を作らないという意味ではない。来る者は拒まず、去る者は追わず。類は友を呼ぶ。出会うべき人とは出会うというのが私の信条である。)