A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 266 最後の審判

2016-03-21 23:23:33 | ことば
 次々に流行する主義主張に右往左往するな、右顧左眄するな。
 どんな時代であろうと、どんな国の人であろうと、人間の考えることだ。人間のすることだ。自分という人間の個の、ほんとうのあり方を、より深くより新しく、探検をつづけるならば、それがそのまま人間の真実なのだ。もっとも恐れなければならないことは、新しい主義主張を知らないことではなく、自分自身を失うことだ。たとえ自分のつかんだものが他に通じないとしても、それはそれで仕方がないではないか。自分が納得できるということが、自分のからだのすみずみまでの全部の細胞がこれでいいんだとうなずくということが、自分にとって「最後の審判」ではないのか。

野口三千三『原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論(岩波現代文庫)』岩波書店、2003年、236-237頁。

 右往左往しなくていいから、どうか自分を見失わないように。


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