A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

TOUCHING WORD 100

2009-05-01 21:27:13 | ことば
理にかなった信念の根底にあるのは生産性である。信念にしたがって生きるということは、生産的に生きることなのだ。
(エーリッヒ・フロム『愛するということ 新訳版』鈴木晶訳、紀伊國屋書店1991.3、p.186)

 フロムは言う「他人を支配するという意味での力、すなわち権力を信じたり、権力を用いたりすることは、信念とは正反対のことである。」(同書p.186)と。
 そう、わたしたちは身の回りで「権力」の力によって多くの「信念」が打ち砕かれてきたのを目撃してきただろう。権力がある場には何の生産性も生まないことを私たちは知っているはずだ。なのに大手をふって権力は生産性を潰していく。権力を信じる人は他人を信じることができない。それは、他人の可能性を信じることができないことを同時に意味する。なぜなら、権力には「理にかなった信念」がないからだ。権力は服従であり、屈伏である。そこになんの「信念」や「可能性」があろう。
 私たちは理にかなわない「権力」より、理にかなった「信念」を持ち、ささやかな生産性と自己と他者を信じる可能性を維持しようではないか。


終わり


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