A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1149 『詩誌 エウメニデスIII 第50号』

2016-03-15 23:09:03 | 書物
タイトル:詩誌Eumenides III 第50号
編集:小島きみ子
表紙:つかもとよしつぐ
発行:佐久 : 小島きみ子
発行日:2016.3
形態:70p ; 21cm
内容:
巻頭エッセイ・美術と言葉が集う
 「美しいということが、」つかもとよしつぐ
連載・詩
 「小箱の秘密――ルネ・マグリット作「王様の美術館」に寄せて」渡辺めぐみ
エウメニデス記念五十号に寄せて
 平林敏彦、山田兼士、松尾真由美、京谷裕彰

 「薄明のサウダージ(散文篇)」野村喜和夫
 「不明と自明と彷徨と」松尾真由美
 [遺失物は不特定多数の時計だとしたら……]たなかあきみつ
 「アオサギ、湖の怪異」小笠原鳥類
 「ミステリーズ」広瀬大志
 「翡翠によせて、よ」海埜今日子
 「わたしは本ののどになりたい」高塚謙太郎
 「蔓草にせよ」森山恵
 「居室」伊藤浩子
 「チンアナゴとカエルウオ」京谷裕彰
 「り」京谷裕彰
 「餓鬼道」作田教子
 「苦汁」平野光子
 「羽衣」藤井わらび
 「春のルーバー」海東セラ
 「アンジェイ“セシル”ノワレト自伝」山本崇太
 「(放棄の美学)と(暗黒の土地)」小島きみ子
シュルレアリスム特集を終えて
 「謎の鳥の声とシュルレアリスムについて?」小笠原鳥類
 「そして、モナドは拡散する」京谷裕彰
 「「シュルレアリスム運動と音楽」の交差」平川綾真智
後書き・言葉を差し出す集い

頂いた日:2016年3月15日
 執筆者の方よりご恵贈頂きました。どうもありがとうございます。
 詩誌エウメニデスでは、過去3回にわたってシュルレアリスム特集をしていたのだが、今号では「シュルレアリスム特集を終えて」として、特集を振り返る論考が掲載されている。
 いづれも短文ではあるが、京谷裕彰氏がシュルレアリスムを意識したきっかけとなったエピソードはとても印象深い。『現代詩手帖』2005年8月号の座談会のなかで飯島耕一氏がシュルレアリスムについて「シュルレアリスムなんて言葉はまだ生きているけど、もうちょっと役に立たないのではないか」と発言したのだという。
 このエピソードからは、思想さえも「役に立つ/立たない」という図式に囚われていることがわかる。京谷氏も書くように「「役に立たない」=「無力」ではない」はずなのに。そもそも、言葉がまだ生きているということは、現代においても必要だからだと思うのだが、その現代性は問われないらしい。言葉であれ人の存在であれ、情報や数値に還元されないと役に立たないとされてしまうのだろうか。


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