A PIECE OF FUTURE

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未読日記1032 『原初生命体としての人間』

2015-05-15 23:49:01 | 書物
タイトル:原初生命体としての人間 ― 野口体操の理論
著者:野口三千三
発行:東京 : 岩波書店(岩波現代文庫, 社会 ; 80)
発行日:2003.6
形態:xii, 297p ; 15cm
注記:初版: 三笠書房(1972.9)刊
    底本: 岩波書店(1996.3)刊の同時代ライブラリー版
    解説(養老孟司著): p291-297
内容:
「からだの主体は脳ではなく、体液である」――こうしたからだの動きの実感を手がかりに生み出された野口体操の理論は、従来の体操観を大きく覆し、演劇・音楽・教育・哲学など多方面に影響を与え続けている。身体の可能性を拓く体操法を端的に語った本書は、身体的思考に基づく独創的な人間論、運動・感覚・言葉論でもある。

目次
はしがき
第1章 体操による人間変革
第2章 原初生命体の発想
第3章 息と「生き」
第4章 原初生命体の動き
第5章 ことばと動き
第6章 いろいろな問題
あとがき
解説 養老孟司

購入日:2015年5月15日
購入店:ブックオフ 京都三条駅ビル店
購入理由:
 探している本があって訪れたが、目当ての本はなく、かわりに探していた本書を見つけたので購入。後で書き込みがけっこうあったが、痕跡本として楽しむとしよう。
 本書は、中学か高校のときに読んで、影響を受けた一冊である。昨年、ある写真家の方に本書の話を久しぶりにしたこともあって、また再読したいと思っていた。初読時は、図書館で同時代ライブラリー版を借りて読んだ記憶がある。
 本書のことを知ったのは演出家・鴻上尚史の著作であった。中高生の私は鴻上氏の著作を娯楽読物として好きで読んでいたのだが、演劇論・身体論のエッセイのなかで本書を取り上げていたのだった。当時の私は今よりも「身体」について悩みがあり、興味がおこり手に取ったのである。読後、体操論・身体論としての野口体操も興味深かったが、私にとっては「いいかげんがいい加減」などの身体と言葉の関係性がとても刺激的だった。こんなにしなやかに「からだ」と「こころ」のバランスを考えられる思想・発想があるのかと目から鱗が落ちる思いであった。


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