A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 537 民主化

2017-07-25 23:25:11 | ことば
 助成された芸術教育は、他の職業と同じく芸術もいまやより「民主化」され、誰もがアーティストになることができ、アーティストとして生活できるようになった、ということを間接的に示している。しかし、他の職業においては卒業生のほとんどが、いつの時代もプロとして生活しているのに対して、芸術においては卒業生のごくわずかしかプロのアーティストとして生計を立てることができない。そのため、他の職業よりも芸術はいまだ「民主化」されていない、と記してもあまり驚きではないだろう。

ハンス・アビング『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』山本和弘訳、grambooks、2007年、237頁。

アートは「民主化」されていないのは事実だ。
そもそも「アーティスト」を職業と考えることに私は疑問を感じている。

いったい、美術大学の教員は何をやっているのだろう。
卒業生の就職実績ばかり重視する風潮もいかがかと思うが、アーティスト、またはアート愛好者さえ輩出できていない美術大学とは何だろうか。