A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1233 『柳 根澤—召喚される絵画の全量』

2016-10-09 20:28:47 | 書物
タイトル:柳 根澤—召喚される絵画の全量
タイトル別名:YOO, GEUN-TAEK; The Whole Gravity of Painting, Summoned
編集:多摩美術大学美術館 小林宏道
編集協力:朴映信、gallery21yo-j
デザイン:百瀬梓
翻訳:富井玲子(英訳)、Diana Eunjee KIM(韓国語英訳)、白 凛(韓国語和訳)、朴 映信(韓国語訳)
翻訳協力:朴亨國
製版:坂巻広志
発行:東京 : 多摩美術大学美術館
発行日:2016.9
形態:95p ; 26cm
注記:展覧会カタログ
   会期・会場: 2016年9月24日〜12月4日:多摩美術大学美術館
   主催:多摩美術大学美術館
   展覧会監修:峯村敏明
内容:
ごあいさつ
「時の窓を介して我と万象は呼吸を交わす」峯村敏明
「切々たる風景」奇 惠卿
図版
「生命の星へといざなう絵画の錬金術師」小林宏道
年譜
作品リスト

付録
「言語、お喋り、沈黙、ときに騒音」峯村敏明
「川は流れて止まず、池は不意に水煙を上げて旅人を驚かす—柳根澤の新作展に寄せて—」峯村敏明

購入日:2016年10月8日
購入店:多摩美術大学美術館
購入理由:
 久しぶりに峯村敏明氏のテキストが読めると知り、楽しみにしていた展覧会。柳根澤は、東京時代にギャラリー21+葉で何度か展示を見たことがあったが、作品を見るのは久しぶりであった。日本の美術館では初の個展となり、かなりまとまって作品を見れたが、すばらしかった。とくにドローイングがよかった。東京の郊外にある多摩美の美術館の性質上、ほとんど注目されないまま終わるのかもしれないが、もったいない。きちんと国内で紹介されればいいのにと願わずにはいられない。
 カタログテキストは、峯村氏と韓国の奇惠卿氏だけでよかった気がする。峯村氏のテキストは絵画論としてとても啓発、刺激された。一方、小林氏のテキストは散漫で、最後にタイトルのネタを知ってがっかりした。タイトルにある「生命の星」は、小林氏行きつけのベルリンのバーの店名だという。電車で読んでいて目を疑った。それは何が言いたいのだろう。海外出張・旅行の多さをアピールしたいのだろうか。小説家のエッセイではあるまいし、酒でも飲みながら書いたのだろうか。