A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 273 みんな歩き出している。

2016-04-21 23:30:26 | ことば
だれも選んではいない。みんな歩き出している。どんな道もいい道なのだ。思うに、処世術とはなににもましてまず、自分とけんかをしないことである。自分が下した決心や今自分のやっている仕事において。自分とけんかをするのではなく、自分の決心や職業をりっぱにやってのけることだ。われわれは出来上ったこれらの選択、われわれ自身が選んだのではない選択の中に、宿命をみたがるものだが、これらの選択はわれわれを拘束するものではない。なぜなら、悪い運命などないから。どんな運命もそれをよいものにしようと欲するならば、よい運命となるのだ。自分自身の性質についてとやかく言うことほど自分の弱さをあかししているものは何もない。だれも選びとることはできない。天から与えられたものはじつに豊かなものだから、どんな大きな野心をもつ者にも満足を与える。必然を美徳とすることこそ、美しい仕事、偉大な仕事なのだ。
アラン『幸福論 (岩波文庫)』神谷幹夫訳、岩波書店、1998、80頁.

歩きだした道は、必然の道かもしれない。