A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1025 『テンプス・フーギット 大山崎山荘とヤマガミユキヒロの視点』

2015-04-25 23:00:59 | 書物
タイトル:テンプス・フーギット : 大山崎山荘とヤマガミユキヒロの視点
並列書名:Tempus fugit : Oyamazaki Villa and eyes of Yukihiro Yamagami
企画編集:川井遊木
展示会場撮影:草木貴照
デザイン・印刷・製本:ニューカラー写真印刷
発行:[大山崎町 (京都)] : アサヒビール大山崎山荘美術館
発行日:2015.4
形態;16p : 挿図 ; 26cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2015年3月21日-6月28日:アサヒビール大山崎山荘美術館
    主催: アサヒビール大山崎山荘美術館
    作品リスト: p15-16
    ヤマガミユキヒロ略歴: p16
内容:
図版
「テンプス・フーギット―大山崎山荘とヤマガミユキヒロの視点」川井遊木
作品リスト
ヤマガミユキヒロ略歴

頂いた日:2015年4月25日
 アサヒビール大山崎山荘美術館よりご恵贈頂きました。どうもありがとうございます。
 アサヒビール大山崎山荘美術館で現代美術展は久しぶりに見たが、実にすばらしかった。まず、タイトル「テンプス・フーギット」がすばらしい。以前に見た「山荘美学 日高理恵子とさわひらき」(2010年12月15日~2011年3月13日)もすばらしかったが、山荘にゆるやかに流れる時間と映像の時間が共鳴し合い、この美術館と映像は相性がいいのではないだろうか。展示品との相性もよい。ヤマガミユキヒロは新作として美術館に差し込む光、所蔵品のルーシー・リーをモチーフとするなど、「静」に潜む時間を描きだすことに成功した。

 一方、図録については小規模館ということもあって、ギャラリーが発行するような簡易な内容で少し期待外れだった。デザインは印刷会社なので致し方ないとしても、展覧会歴は大幅に略され、参考文献もない(私がかつて書いたテキストも当然記載されない)。インスタレーションビューには白いスツールが入って映像作品より目立つ・・。

 とはいえ、図録を制作しない美術館もあるので、図録がないよりはいい。なかにはテキストも掲載されない図録があることを考えると、本書にテキストがあることは本当にすばらしいことだと思う。しかし、欲を言えば、このテキストもまた今後のヤマガミユキヒロ展の図録で参考文献に記載されないとなると、ないも同然となってしまう。よく批評がないと言われるが、参考文献を載せないということは、批評・研究を見えなくさせることだと思う。