A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1022 『バーネット・ニューマン : 十字架の道行き』

2015-04-20 23:15:00 | 書物
タイトル:バーネット・ニューマン : 十字架の道行き : レマ・サバクタニ
タイトル別名:Barnett Newman : the stations of the cross : lema sabachthani
編集:Miho Museum
制作:株式会社エヌ・シー・ピー
編集協力:株式会社福本事務所
印刷:日本写真印刷株式会社
発行:[甲賀] : Miho Museum
発行日:2015.3
形態:99p ; 34cm
注記:展覧会カタログ
    会期・会場: 2015年3月14日-6月7日:Miho Museum
    主催: Miho Museum, ワシントン・ナショナル・ギャラリー, 京都新聞
    主要参考文献: p83-87
    折り込み図あり
内容:
「ごあいさつ」辻惟雄
「ごあいさつ」アール・A・パウエル3世
「ステイトメント」バーネット・ニューマン(三松幸雄訳)
「14留の十字架の道行き、1958-1966年」バーネット・ニューマン(三松幸雄訳)
「観者の道行きの留」ハリー・クーパー
「バーネット・ニューマンの〈十字架の道行き〉」大島徹也
図版
「対話:バーネット・ニューマンとトーマス・B・ヘス」(1966)より」バーネット・ニューマン(三松幸雄訳)
バーネット・ニューマン テクスト抄(三松幸雄訳)
年譜
個展歴
〈十字架の道行き――レマ・サバクタニ〉展示歴
主要参考文献

購入日:2015年4月19日
購入店:MIHO MUSEUM
購入理由:
 日本が《アンナの光》を失って、日本人が「レマ・サバクタニ(わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか)」と言ったかどうかわからないが、日本で5年ぶりのバーネット・ニューマンの個展が関西で開催される「奇跡」が起きた。それも、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵の《十字架の道行き》14点である。開催館は、西洋美術も近現代美術も縁がないMIHO MUSEUMという特殊な場所だが、「宗派」が違うからこそ実現したのかもしれない。
 正直、展覧会のボリュームや質という点からは同時期開催されている「曽我蕭白『富士三保図屏風』と日本美術の愉悦」展の方が充実している。バーネット・ニューマン展は、1作品14点、1室のみの展示なので、展覧会としては物たりなくもある。だが、それでもニューマン作品目当ての巡礼者ならぬ鑑賞者が絵の前で過ごす経験は「愉悦」の時間だろう。
 一方、日本美術教の来館者たちは展示室に入るとことごとく、「わからん絵やな」「なんやこれ」などと唾を吐き捨てるように言い残して出ていく。ある意味で絵画が「審判」、「受難(Passion)」を受ける場に立ち会い、観者の感情・情念(Passion)も問い直される場であった。