A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記452 「Naoya Yoshikawa」

2010-11-18 23:57:03 | 書物
タイトル:吉川直哉 作品カタログ
Cover Photo:Hisao Yoshikawa, 1962
協力:相原玄、アトリエ洗濯船/KOSHO(プリント)、岩田綾、木村智博(デザイン)、高岡春菜(ジオラマ)、田中健作、林勇気(デジタル技術)、森岡厚次、Dean Robson(翻訳)、株式会社モリヤ(DIFT)、ギャラリーアーティスロング田中額装産業(フレーム)
発行:吉川直哉/宝塚大学
発行日:2010年
内容:
A4判、カラー、24ページ

テキスト:吉川直哉
作品図版
作家略歴
note book

頂いた日:2010年10月17日
場所:ギャラリーアーティスロング
京都・ギャラリーアーティスロングにて開催された「吉川直哉展」(2010年10月12日~10月31日)に行った際、会場で頂いた1冊。どうもありがとうございます。
 吉川氏の作品は、歴史上よく知られた写真を模写/複写することよって、新たな「写真」イメージを生成する試みであろうか。写真に対する自己言及的な試みは現代美術では珍しくないが、写真表現においてはありそうでなかった試みと言えるかもしれない。
 しかし、引用・参照作品としてロバート・キャパ、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ユージン・スミスなどの写真が使われたことで、かえって参照元の作家/作品のイメージの強さ、作品の強さを感じざるえなかった。なぜ、キャパやブレッソン、スミスの作品が選ばれたのか、その理由は本カタログのテキストにおいて述べられてはいるものの恣意的な印象は否めない。むしろ、展覧会には展示されていなかったと思われる本カタログ表紙の作家自身か家族の古い写真の方が、展開の可能性があるように感じる。
 ちなみに、本カタログの奥付表記は、「協力」という名義で、展覧会とカタログの協力者が混在して表記されている。しかし、これはあまりいい表記方法ではない。特に翻訳やデザインなどは、個別に表記すべきだと思う。