A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記307 「新世代への視点2009」

2009-08-17 23:03:53 | 書物
タイトル:画廊からの発言―新世代への視点2009 
翻訳:名古屋覚
編集・デザイン:宇治晶、上田雄三(ギャラリーQ)
発行:東京現代美術画廊会議
発行日:2009年7月27日
内容:
東京・銀座で現代美術を扱う12画廊(1つは自由が丘)が中心となり開催された<―画廊からの発言―新世代への視点2009>展(2009年7月27日―8月8日)のカタログ。

ギャラリーなつか―深井聡一郎
コバヤシ画廊―市川裕司
ギャラリイK―加藤 崇
ギャラリー現―杉浦 藍
ギャラリー山口―古池潤也
ギャルリー東京ユマニテ―鎌田あや
藍画廊―菊池絵子
なびす画廊―釘町一恵
ギャラリーQ―柳井信乃
ギャラリー58―佐藤裕一郎
GALERIE SOL―森 哲弥
gallery 21yo-j―藤原彩人

作家コメント、作品写真、略歴
「記録・新世代への視点2008」

頂いた日:2009年8月8日
頂いた場所:gallery 21yo-j
gallery 21yo-j様ありがとうございます。
 今年で10回目となる<新世代への視点>展だが、以前は隔年開催だったような気がするが、いつから毎年開催になったのだろうか?また、今回から新たにギャラリー58、ガルリ・ソルが加わり、gallery 21yo-jが自由が丘に移転したものの継続参加で、銀座+自由が丘という広範囲な開催となった。
 展覧会について述べよう。気合いが入った大作が多い中で、余白が大きく取られた紙面に、鉛筆で脈略のないモチーフが小さい比率で描かれるドローイング作品の菊池絵子(藍画廊)と天井高7mの空間を活かした藤原彩人(gallery 21yo-j)の陶作品が楽しめた。だいたい12展回って1、2展の収穫があればいい方だろう。
 本冊子について述べれば、というより企画自体に関わることだが、テキストが不在であることが印象深い(前からそうだが)。そもそも<新世代への視点>はテーマが設けられているわけではなく、各画廊が若手作家を推薦、展示するシステムである。しかし、ほとんどが貸し画廊のためなのか、企画自体にテキストがいらないと判断しているのか、なぜ今年、この作家を選んだのかという理由がわからない。ここがコマーシャルギャラリーと違って、作品を言語化ないしプレスリリースを作成しない貸し画廊の悪い点である。ぜひ、選ぶということの責任を説明(テキスト)というかたちで表してほしい。

余談だが、本冊子は300円で販売していたが、一部のギャラリーでは無料配布しているのはなぜだろうか?