A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

Recording Words 018

2009-08-10 22:28:59 | ことば
苦しい時こそチャンス。
(橋本美香『こんにちは。ありがとう。さようなら。』(第六番)<混沌から躍り出る星たち2009>展出品作品より)

2009年7月31日―8月8日まで東京・渋谷のスパイラルにて開催された<混沌から躍り出る星たち2009>展に出品された橋本美香のおみくじによる『こんにちは。ありがとう。さようなら。』のおみくじに書かれた言葉より。
展覧会場におみくじが置いてあれば、ひかずにはいられない身としては、さっそくトライしてしまう。ガチャガチャと振って、出てきた番号の札をひいて、取りだしたおみくじの言葉が上記の言葉である。
この程度の言葉かという悔しさと同時に、状況的に妙に符合するところもあり、苦笑いな一文であった。

おみくじによる作品といえば、齋藤芽生による作品が記憶に新しいが、齋藤による四畳半みくじと違って、このおみくじの言葉はやはり力が弱い(もっとも、他のおみくじの言葉は読めないが・・)。それは学生の卒業・修了作品だからというわけではなくて、おみくじという形式・コンセプトと言葉の関係が弱いせいだろう。もっとも、このような作品はおみくじへの期待値が鑑賞者(参加者)にあるわけで、その期待以上の言葉をひいた者に裏切りとともに与えなければいけないので、それはそれは難しい。