A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

東京6区 vol.4

2009-05-04 23:04:39 | Weblog
4.29に行われた<東京6区 vol.4>に、ご来場頂きました皆さまありがとうございました。遅れましたが、当日のセットリストを公開いたします。

17:00~17:30
1.Those Dancing Days / Those Dancing Days
2.Pato Fu / Mama Papa
3.C.S.S. / Alcohol
4.Death Cab for Cutie / The Sound of Settling
5.The Wombats / Backfire at the Disco
6.Vampire Weekend / Walcott
7.Coeur de Pirate / Ensemble
8.Feist / 1234
9.Leona Naess / Leave Your Boyfriend Behind

1はスウェーデンのティーンエイジガールズバンド。2はブラジルのエレクトロポップバンド。3は日本でもブレイクしたブラジルのダンスロックバンド。7はカナダ出身でフランス語による歌。キュートな声とリズムが気持ちよく大推薦。8はiPod NANOのCMソングに使われたことで知っている人もいるかもしれません。9はアメリカ出身の女性歌手。私は冬の朝5時40分にこの曲をラジオで聴いて目が覚めました。
この時間帯は女性ヴォーカル曲を中心にいたしました。

21:30~22:00
1.The Ramones / Do You Remember Rock’N’ Roll Radio ?
2.銀杏BOYZ / BABY BABY
3.Vitalic / My Friend Dario
4.Sonny J / Can’t Stop Moving
5.MGMT / Kids
6.Justice / D.A.N.C.E.
7.Chicks on Speed / Glamour Girl
8.電気グルーヴ / N.O.

初のトリですが、前のDJのラスト曲は尾崎紀世彦の名曲『また逢う日まで』で、その次が、Ramonesというのですから、無茶なつなぎで楽しいやら迷惑やら。
2は日本のロックバンド。3はウクライナ生まれ、東ドイツ育ちのフランス人(らしい)のテクノチューン。6もフランス人なので、今回は多国籍な顔ぶれです。7はベルリン在住の女性3人によるエレクトロポップテクノパンクユニット。ART RULESなるパフォーマンス公演も行っており、昨年は京都国立近代美術館にて公演を行いました。あのダグラス・ゴードンも参加したことで話題を呼びました。8はご存じ日本を代表するテクノユニット。「学校ないし、家庭もないし‥」の歌詞はいま聴くとリアリティが違います。ニートを予言していた名曲?

音楽を選曲している時間というのは至福な時間ですが、大音量で音楽が鳴らされる空間というのは、ある意味、音楽の本来の形なのかもしれません。では、また次回にお会いしませう。


未読日記258 「高瀬川」

2009-05-04 22:39:16 | 書物
タイトル:高瀬川
著者:平野啓一郎
カバー写真:Christopher Thomas / Gety Images
カバーデザイン:片岡忠彦
デザイン:菊池信義
発行:講談社/講談社文庫
発行日:2006年10月13日
内容:
小説家と女性誌編集者が過ごす、京都の一夜を繊細な心理主義的方法で描き、現代の「性」を見つめる「高瀬川」。亡くした実母の面影を慕う少年と不倫を続ける女性の人生が並列して進行し、やがて一つに交錯する「氷塊」。記憶と現実の世界の間をたゆたう「清水」など、斬新で、美しい技法を駆使した短編4作。

購入日:2009年4月13日
購入店:BOOK-OFF 渋谷センター街店
購入理由:
 そうだ、京都行こう。そう思い立ったら購入する京都本シリーズ。今回は、平野啓一郎の『高瀬川』である。森鴎外も同名の本を書いてなかったっけと思った方、それは『高瀬舟』である。
 そんな冗談はさておき、平野氏の著作はいつか読んでみたいと思っていた。近年のネット社会をモチーフとした作品は、それまでの重厚な作風イメージを覆され、新鮮であった。今回、京都というキーワードから本書を手にしたが読後感がよければ他の著作も読んでみたい。特に『あなたが、いなかった、あなた』(2007)は、表紙、タイトルともに魅かれており、いつか手にしようと考えている。
 本書についてはパラパラとめくれば分かることだが、文字組みが驚くべき体裁となっている。一体このような構成をとる「小説」というのは、どのように組み立てているのか興味をひく。もうこれだけで充分に未読の期待値を高まらせてくれる。
 しかし、このカバー裏の解説はないだろうと思う。京都で小説家と女性誌編集者が一夜を過ごすなどという昼ドラもどきの通俗的な状況設定だけ書き出しても、読者にたいしてどこまでその魅力を伝えたいのかわからない。ただのエロ小説ではないのだから、表紙のデザイン含めていねいに世に出してほしいと思う。なお、表紙は韓国語版が美しい。

Recording Words 001

2009-05-04 22:03:42 | ことば
さらに、信念をもつには勇気がいる。勇気とは、あえて危険をおかす能力であり、苦痛や失望をも受け入れる覚悟である。
(エーリッヒ・フロム『愛するということ 新訳版』鈴木晶訳、紀伊國屋書店1991.3、p.187)

この言葉が書かれている第4章「愛の習練」は、全体のまとめであり、章全体を通して名言、名文の連続である。その中で、この言葉は今日の私にとって重みがある言葉である。苦痛や失望をも受け入れる覚悟を持ち合わせているか、自分に問うと実に心もとない。
思えば私には、数こそ少ないものの信念ある人々との幸運な出会いがあった。総じて年上の人たちのそうした「信念」からの思想、思考に自分の小ささを感じ、信念ある大人として在らねばと願うのだった。何事も自信に欠ける私には「信念」が、「勇気」が、「覚悟」が必要だ。