A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記97 「花に生きる人たちへ」

2007-09-10 21:04:35 | 書物
タイトル:花に生きる人たちへ
著者:山根翠堂
発行:中央公論美術出版
発行日:1967年7月10日
内容:
いけばな研究家の山根翠堂によるいけばなについてのエッセイ集。

「教える方も、おそわる方も、いけ花の技術だけを熱心に稽古して、人間教育の責任者としての花道家を目的とした勉強には余り熱心ではないようです。(中略)そこで私は全日本のいけ花の先生のほとんどすべてに読んでいただけるような通俗的な本、いけ花の先生の常識といえるものを残らず一冊にまとめた本、いけ花の稽古場の雰囲気をすっかり変えることのできるような本、この一冊があれば花道家の話題はたちまち豊富になるといったものをつくりたいと思いまして、(中略)このようなものができあがりました。」(「はしがき」より)

購入日:2007年8月28日
購入店:公文堂書店
購入理由:
鎌倉の古本屋をぼんやり眺めていたら、古いいけばな本を見つけ、さんざ迷ったあげく購入。
山根翠堂といえば、以前にも『花道日本』という著作を<未読日記21>で紹介したが、この本は同じ著者による遺作本となる。内容は、翠堂が録音テープで吹き込んだテープを息子の山根有三が文字起しをしたとあとがきにある。他に、生前に書かれたいけばな論3篇が収録されている。いけばなの技術的なことがらより、いけばな、花、植物に向かう姿勢や考えなどが述べられているようだ。いけばなについての著作が少ないなかで、山根翠堂という人物が遺した仕事がどれぐらいのものかわからないが調べてみる余地はありそうだ。

未読日記96 「学問論」

2007-09-10 20:39:02 | 書物
タイトル:学問論
著者:シェリング 勝田守一訳
発行:岩波書店/岩波文庫 青631-1
発行日:1989年3月16日(初版1957年1月25日)
内容:
ドイツ観念論の代表的な哲学者シェリング(1775-1854)が1802年イエナ大学でおこなった講義。学問は哲学を中心にして有機的な統一を保っておこなわれるべきものであり、そのためには、大学の研究の自由を確立する必要があると説く。のちにベルリン大学をはじめドイツの諸大学の性格に多大な影響を与えた学問論の古典。
(表紙カバーより)

購入日:2007年8月28日
購入店:古書売買 公文堂書店
購入理由:
いつだったか、大学時代の先輩にシェリングの話を聞き、さらに数年後に後輩の友人からもシェリングの話を聞いたことがある。それ以来、シェリングを読みたいと思っていて、その機会を逸していた。たまたま、古本屋でシェリングの著作を見つけ、勝手に絶版と判断し思い切って購入。
また最近、大学教育について考えることがあり、「学問」のあり方を考えていたので、そのようなタイミングからいって、この「学問論」との出会いは好機だった。シェリングを読む秋、というのも悪くない。