A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

TOUCHING WORD 012

2007-09-07 23:50:21 | ことば
生かしあう、とは、言葉の通り、相手を生かすことです。

生かしあうことのヒントって何でしょうね。それは、自分以外の人やものやことを生かすことができれば、はじめて自分もこの世界で生かされるということです。生かされるって嬉しいはず。生かしあうことをせずに、この世に一人きりになってしまったら、、自分ひとりで生きていけるわけがないのですから。

今、何からも満たされず、思い通りにもいかずに、暮らしや仕事に悩んでいる人は多いと思います。もしくはいらいらしたり、怒ってばかりいる人。ここはひとつ、生かしあう、という考えを広く持ってみませんか。そして「自分が、自分が」という考えは捨ててみませんか。今日一日からはじめてみましょう。生かしあうことです。そうしたら、いつか必ず自分が生かされるときが来るはずです。生かしあうことのヒント。それは許すことと、許し続けることです。
生かしあいたい人を、毎日想っていて、心の水面に静かに浮んできた言葉が、生かしあう、です。そして今、僕が感じていること、考えていることの答えなのです。

(p.80-81「こんにちは さようなら」松浦弥太郎『暮らしの手帖』第29号通巻380号)

音楽論006 「daqui pro futuro」

2007-09-07 23:28:52 | music
タイトル:daqui pro futuro
アーティスト:pato fu
レーベル:大洋レコード
発売日:2007年
内容:
ブラジル・ミナス出身、ポップ・マイスターの粋、5人組。07年東京ファッション・ウィークのモデルも努めるフェルナンダ・タカイのコケティッシュな魅力に溢れた唄声と、ビンテージ楽器のパワー・ポップにNWのカヴァーとフォークトロニカ、そしてメランコリー。“メカニカル”はいかに“オーガニック”を産み出すか?

 オルタネイティヴな発想を折り込み、インディペンデント精神に意気づいた、独創的且つ良質なポップを奏でるパト・フ。フロントを努める女性vo-フェルナンダ・タカイは日系三世で“メイド・イン・ジャパン”という日本語詞の曲を披露したこともあります。
 今9作目もギター/コンポーザーのジョン・ウリョアによるプロデュース。ジョンとフェルナンダのホーム・スタジオにて録音された今作はある意味実験でもあります。コンピューターやスタジオ・テクノロジーというものが、オーガニックで非機械的な音をどこまで表現できるのか。すべては5人のメンバーの手によって録音され、モダンな楽器からいにしえの楽器まで・・・サンプラーや小物類の助けを借りつつも全てはパト・フのよるもの。手回しオルガンとゼンマイ仕掛けの器械による原始的メカニカル音楽。古いヴィンテージ・シーケンサー、ドラム・マシーン、アナログ・シンセからの音色。アルバム・ジャケットが私たちにサウンドの指向を暗示しています。電気的、機械的で有機的な怪獣がアナログ・レコード盤をプレイしていますね。綺麗な蝶々を産み出しながら。パト・フのスタジオ風景は何故かこのようになるのです。ハイエンドな技術は結果的にシンプルでノスタルジックなサウンドを産み出し、ベーシックな響きから繊細に入り組んだテクスチャーが築き上げられています。(以下略。帯より)

購入日:2007年8月28日
購入店:claro (鎌倉)
購入理由:
夏の終わりに鎌倉に行ってきた。下調べで行きたいと思っていたブラジル音楽の専門店「claro」に立ち寄った。店内で店員の方と話をしていたら、このパト・フのCDを薦められ、店内で視聴してみたら実に良質なポップ・ミュージックで衝動買いしてしまった。ブラジル音楽と言えば、ボサノヴァと思われがちだが、実は本国ではそんなことはないらしい。どこの国でもポップ・ミュージック全盛で、このパト・フもブラジル国内ではたいへん人気のアーティストのようなのだ。(ちなみに、このパト・フは日本のピチカート・ファイブなども好きらしい。なんかわかる気がする。)
 とはいえ、このパト・フのヴォーカルであるフェルナンダ・タカイの、どこかささやくようなゆっくりとした歌い方はボサノヴァを思わせる。これはブラジルテンポなのだろうか。サンバなどのアップビートもあるくらいだから、スローリズム主流というわけではないのだろうが。
 ブラジル好きの私としては、つねづねブラジル文化に触れたいと思っているので、このような未知の出会いはうれしかった。小さい店ながら、店員さんの丁寧な接客が気持ちいい。


未読日記95 「草月の花」

2007-09-07 22:36:36 | 書物
タイトル:草月の花
著者:勅使河原蒼風
装幀:勅使河原蒼風
発行:婦人画法社
発行日:1962年4月15日
内容:
○一月から十二月まで
○草月の花
○飾りかた・展覧会
○三つの技巧
○基本花型法・花型分解
○花型分解・バラの盛り花

草月流創始者・勅使河原蒼風によるいけばなの教則本。一年を通してさまざまないけばな作品をいけ、その写真とともに解説が添えられている。

購入日:2007年8月28日
購入店:芸林荘(鎌倉)
購入理由:
偶然に古本屋の安売りコーナーで見つけたので購入。現在、世田谷美術館で行われた「勅使河原蒼風展」の図録を読んでいるところだったので、勅使河原蒼風つながりで購入を決めた。
蒼風という人は、いけばなのクオリティ、完成度が他のいけばな作家と違って圧倒的だ。それは、花がきれいなどという表層的な次元の問題ではなく、作品そのものが自立し存在しているということだ。このような人はもう現われないだろうし、現在のいけばな作品に蒼風のような力強い作品はなく、いけばなという芸術の限界を感じてしまう。