A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

夜から

2006-05-10 00:45:32 | 美術
夜、疲れた体を休めるバスのイスは、座っているとほんとうに目的地へと着くのか不安になります。果たして、私は帰ることが出来るのでしょうか?

「夜の思考を事とする人間は、例外なく粉っぽい光沢(つや)のない皮膚をもち、衰えた胃袋を持っていた。かれらは或る時代を一つのたっぷりした思想的な夜で包もうとしていたし、私の見たあらゆる太陽を否定していた。私の見た生をも、私の見た死をも、否定していた。なぜなら太陽はその双方に関わっていたからである。」
(p.140「三島由紀夫の美学講座」三島由紀夫著、谷川渥編、ちくま文庫、2000年)