安養寺羽黒神社 投稿者：佐渡の翼

安養寺集落に入り、安養寺城跡を左に見ながら道路を北上すると、やがて羽黒橋にかかる。ここを過ぎたあたりで右手に羽黒神社が見えてくる。佐渡百選にも選ばれるほどの神社だが、その謂われが記載された看板は後方に向けて倒れていた。境内は鬱蒼とした杉木立で昼なお暗き森閑とした異空間とでも言おうか。能舞台では毎年薪能が催されるため、舞台の保存状態は良好である。所々苔がむしたどっしりとした茅葺屋根がとても印象的である。この能舞台、最初は参道に建っていたが、後に境内に移築したそうだ。舞台寸法、間口高共、佐渡では一番小さいそうで、何となく可愛らしい感じがしたのはそのせいだろう。　

 

舞台の右端から苔むした石段が続いていて、その先に本殿があった。境内には焚火をした跡が残されていたが、全体として何とも言えない風情を醸し出していた。本殿から下方を見たら、細い注連縄を纏った御神木があった。１１月上旬に訪ねたが、夏ならば木々の間からの木漏れ日で一層つやつやしく映える能舞台であろう。

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