佐渡の翼

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深浦の集落     投稿者:とある旅人

2010年07月30日 05時40分27秒 | 佐渡及び首都圏近辺の面白観光スポット

小木の県道を沢崎鼻灯台方向に向けて走るとやがて長者が橋という、横浜ベイブリッジのスモールバージョンのような橋に行き着く。この橋の手前に左に入る道があり、この道を下るとその行き着く先が深浦の集落である。背後の山と前面の入り江に挟まれた戸数18戸ほどの小さな集落である。この集落が観光上有名になったのは、通り土間と呼ばれる土蔵と納屋が残っていたからだ。通り土間とは、土蔵の中をくぐって母屋に行く構造を意味し、当時の船宿の特徴で、江戸時代末期以前の建物とされている。深浦は宿根木同様、かつては千石船を使用した関西や四国との交易が盛んだったが、その頃の名残がこの船宿だと言われている。

通り土間を過ぎたあたりの左手にお地蔵様がある。船主だった菊池安右衛門の持仏であり、花筒の水で目を洗うと眼病が治るという言い伝えがある。いつ訪ねても新しい花が飾られている。集落の煙突からは煙がたなびき夕靄(ゆうもや)に溶け込んでいく。夕餉の支度のいい香りが漂ってきた。そこには一幅の絵画を見ているような、そこはかとない郷愁が呼びさまされる光景が広がっていた。




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