水津へと向かう県道を南下と言うか、東へと向かう感じで進むと野崎地区に至る。下久知へと抜ける道の手前に右斜め後方へと入る道があり、ここへ車を進め、しばらく行くと左手方向に田んぼを突っ切る真っ直ぐな道を見つけた。ここを進んで坂を上りきったあたりに城腰公民館があると地元の人に教えてもらった。この公民館の真向かいに目指すトチノキがあると佐渡市のホームページには書かれてあった。ところが道の両側には公民館らしきものは見当たらず、やむなく最初の十字路を左折したところで民家に飛び込んでおばさんに道案内を請うた。おばさんは「そのまま真っ直ぐ進むとT字路に至るのでそこを右折して数軒先の右手に城腰公民館がある」と教えてくれた。このT字路には「馬坂城跡」を示す案内標柱が二か所にあった。一つは「二の堀跡」、今一つは「町屋敷跡」である。
城腰公民館前の広場に車を停め、その真向かいを見たら「城腰のトチノキ」の案内標柱があった。佐渡市のホームページによると「三国正男」さん所有の山林内にこの巨木があるそうだ。果たして「三国」の表札の文字が見えるおうちを見つけたが既に空き家になっていた。この案内標柱からはトチノキの本個体を眺める事はできないそうで、更に沢の方へと降りていかねばならないそうだ。だが、行く手が草木に阻まれ前進を断念せざるを得ないし、案内役の三国さんも存命かどうか分からなかったので、残念ながら本個体には出会えずじまいで後ろ髪を引かれる思いでこの幻の古木を後にした。
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