向付けは、「香箱蟹飯蒸し、外子、内子、蟹酢飴」。香箱蟹とは雌のずわい蟹の事で、可愛い卵を蓄えた雌は「冬の赤い宝石箱」と称され、冬の味覚の代表格である。内子とは未受精卵を外子は受精卵を意味する。「ずわい蟹には紅ずわい蟹と本ずわい蟹があり、前者は茹でる前から赤色をしており、浅い海に生息し、中身はスカスカで安価だが、後者は茹でる前はベージュ色で茹でると赤色に変色し、深海に生息しているので身がぎっしりと詰まっており値段が高い」、筆者はそんな蘊蓄を傾けた。そしてこのお店の欠点は総料理長の大江さん(山形出身)がいない時は確実に味が落ちる話をした。だが、「梢」では客の嗜好や苦手食材などをデータベース化しており、誰がいつ何を食べ何を飲んだかまで細かく把握しているのだと言う。
お椀は、白味噌仕立ての汐鰤と聖護院大根(トップ画像)。茹でた鰤の上には結び人参と京菜が乗っていた。彼女は鰤が大好きで、やや甘めのそれでいてダシの効いた白味噌汁を完璧に飲み干した。御造りは、本鮪の大トロ、アオリイカ、甘海老で、例に寄って塩味の効いた緑海苔が付いており、大根と山葵も付属していた。
次の八寸は、烏賊のこのわた、鯖寿司、卵の袱紗焼き、くわいのカステラ、鰊の昆布巻き、松風焼き(筆者は赤こんにゃく)、唐墨、茎アスパラ、栗羊羹の金箔仕立ての九品であった。彼女は「美味しいんですが、何だかお節料理みたいね」と言った。
焼き物は、真奈鰹の西京焼き、舞茸フライ(赤みそかけ)、芽甘草。焼き物はいつものように絶妙な火入れ加減だが、この辺で二人共そろそろお腹一杯になりかけて来た。進肴は、伊勢海老のトマトソース煮、海老芋である。海老の身は柔らかく煮てあり、味噌とトマトを合わせたようなソースで煮込んであった。
お食事は和牛ロースの焼肉を三枚ほど山形産のつや姫のご飯の上に乗せた物だった。これにお豆腐となめこの赤だし味噌汁、香の物が付いていた。お腹がパンパンになった彼女はご飯を三分の一ほど残した。
デザートは、熟成黒にんにくと栗の茶巾絞り、黄身ソース。彼女はにんにくが苦手だそうだが、茶巾絞りの中に入っていた熟成にんにくは甘酸っぱい味で、にんにくとは思えず、彼女は平気で食べていた。先週の六碌での寿司デート同様、僕らは色々な話をした。海外旅行、お互いのライフスタイル、結婚後の生活の事、友達の話、宝石やブランドバッグの話などなどであり、気が付くと時刻は午後10時を回っていた。テーブルで税サ込みのお代54,648円を支払い、駐車券を貰ってからお店を出た。地下三階の駐車場に行くと、i8の周囲には誰も駐車しておらず、例に寄って軽々と車に乗り込んだ彼女を、新宿税務署前経由でハンドレッドステイまで送ってあげた。車のバックミラーを見たら、彼女は筆者の車が左折し見えなくなるまで見送り続けていた。
香箱蟹飯蒸し、外子、内子、蟹酢飴
お椀
御造り二人前
皿に取り分けた御造り
煽り烏賊
大トロ
甘海老
緑海苔
八寸二人前
皿に取り分けた八寸
このわた
慈姑のカステラ
昆布巻き
卵焼き
赤蒟蒻
茎アスパラ
唐墨
鯖寿司
焼き物と揚げ物
真奈鰹の西京焼きと舞茸フライ
進肴としての伊勢海老のトマトソース煮
お食事は
和牛ロース焼肉ご飯
味噌汁
香の物
焼肉ご飯を横アングルで撮影
デザートは
熟成黒にんにくと栗の茶巾絞り、黄身ソース
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