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昨年の12月31日の午後、暴風雪がどの程度のものかを確認するために、筆者は願集落の上にかかる通称「願大橋」の上に立ってみた。海から吹き付ける風は気温6度にも関わらず暖風なのだ。これは外海府海岸を洗う対馬暖流のお陰である。国仲平野の金井や新穂あたりで感じる風は身を切るような冷たさだし、平野に積もった雪はなかなか溶けようとはしない。しかし、外海府海岸沿いの道路や集落には雪は積もっていないし、季節風はむしろ暖かく感じる。外海府の集落に住み着いた人々は、この地の意外な温暖さを知っていたのかもしれない。「願大橋」の上に立ちながら体全体で北からの風をまともに受けてみた。筆者の体重は47~48キロの間を行ったり来たりだが、この程度の軽量でも何とか踏ん張れるほどの風力である。風速は10~20m/s程度であろう。ちなみに体重50キロの人が吹き飛ばされる風速は30m/sだそうだ。多分この程度の風ならば、起こす波の高さはせいぜい5~6メートルだろうと推量した。勿論カーフェリーが出航可能な波高だ。当日の天気予報は「暴風雪、波高5メートル」と言う事だったのでいい線を行っている。筆者の体が吹き飛ばされるような昨年11月上旬の暴風は確実に7メートル以上の波高を引き起こす強風であり、カーフェリーも止まるくらいの風だった。2010年度の大晦日のジェットフォイルは風が強まった午後の3時台の新潟からの便が欠航したがカーフェリーは欠航することなく全便定時の運航だった。筆者は、波の状態の観察と風の強さの体感とでカーフェリーが運航可能な波高かどうかを鑑別できるようになった。これは頻繁に越佐海峡を往復した経験が成せる技である。なお、画像は2011年1月9日に願大橋から願集落を撮影したものです。左手に大野亀が見えたのだが写真には写っていなかった。