欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

ある街角で青年は

2006-04-20 | story
昼のうち人々が忙しそうに行き交う、ある大きな階段のたもとで、青年は子犬を足もとに、自ら作った詩集を手にして、人々に話かける。
青年が話しかけてみたところで、耳を傾ける者などいない。
しかし、それでも青年はおだやかな張りのある声で、人々に話かけ続ける。
"詩を愛する心があるなら、ここに集まって、私の詩を聞いてみてくれませんか。いつもではない、とても貴重で大切な時間をともに過ごしてみませんか。"
青年の呼びかけもむなしく、人々は忙しそうに行き交うだけ。
それでも青年は行き交う人々に語しかけ続ける。子犬はそんなご主人さまを時折心配そうに見上げる。
"生きる上で大切なもの。今気づかないけどとてもかけがえのないもの。そんなものたちを、ここで私と一緒に考えてみませんか。"
人々が忙しく行き交うなか、青年はそれでも気をおとさずに話しかけ続ける。
"私たちのしあわせは・・。私たちの喜びは・・。"
忙しく行き交う人々。その人たちにはその人たちなりの目的がある。
青年には青年の立派な目的がある。
でも、青年と人々はなにも言葉を交わすことなく、この日新たに出会ったにも関わらず、すれ違っていく。
青年はそれでも気を落とすことなく、人々に話しかけ続ける。子犬の心配そうな顔を見ることもなく。
いつまで続くかわからない青年の目的への道。
それでも青年は、どんなことがあっても気を落とすことなくやっていくんだと意思強固に、人々に話しかけ続ける。
いつか人々が立ち止まって、心の詩を聞いてくれるように。
いつか人々がこの詩を理解してくれて、この詩によって明るい日々が送れるように。
いつか青年が思っているような、平和であたたかな世の中が目の前に広がるように。

今日はいつになくいい天気

2006-04-20 | poem
昨日までの雨も止んだ。今日はいつになくいい天気。
すがすがしい風が窓から入ってくる。
明るい日ざしが窓や戸やいろんな場所に集まっている。
昨日までにたまっていた部屋の中の空気は、いつのまにかすがすがしい空気へと変わっている。
昨日までのいろんなことも、なえていた自分の気持ちも、こんないい天気が目の前にあると、今までのことが嘘のように希望がわいてくる。
自分はこれからなんだって。
何回目の再startかわからないけど、また自分なりのstartがきれる。なんか胸の内に熱いものがこみあげてくる。
自分の気持ちも天気のように晴れたり曇ったりするんだ。
でも、同じような繰り返しのなかでも、自分の信じた道へすこしずつでも進んでいるんだ。

だからやっぱり、天気のいい日はうれしい。
自信をもって歩いていける、そんないい自分でいられるから。
だからやっぱり、天気のいい日はうれしい。
今までにたまっていた重い空気を、すがすがしい心地いい空気に変えられるから。
前をむいて歩いていける、本来の自分でいられるから。