欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

彼女の中にあるヒカリを・・

2011-03-28 | poem



かつて愛をこの世界で実現しようと立ち上がった人がいました。
彼女は神の声を聞き、この国の憂いをとり去るために野原の町からやってきたのです。
なにも知らない純真な乙女がなし得たこと。多くの屈強な男たちが彼女の中になにかを見、そして、後に続いたのです。
ある者はこの国を守るため・・、またある者は愛する人を守るために・・。
剣や力とは別のなにかを持って、彼女は後に続く者たちに勝利をもたらしていったのです。

その後、彼女は祭り上げられましたが、幾度かの敗戦により、彼女の望みとは違う方向に・・。
その時にも彼女の思いは昔と変わりなかったでしょう。そう、神の声を聞いたあの頃と同じに・・。
何度も祈り、声を乞い求めたかもしれません。もしかすると彼女の耳にはなにかが聞こえていたのかも・・。
国はふたたび安堵をとりもどし、人々の中には彼女の言動を疑う声も・・。
彼女はしだいに冷たい仕打ちへと追いやられていきました。孤独な境遇、裁きを受けるために北の国へ。

その時でも彼女の思いは同じだったはずです。
違ってきたのは世界の流れだったのかも・・。
彼女の行き着く先は彼女自身が決めたのではなく、悲しいことに彼女の中になにかを見いだし、後に続いてきた人々の意思であったのです。
孤立しひとり淋しい中で、彼女はなにを口にしていたのか・・。
彼女の思いはその時の人々の共感を得られませんでした。ましてや冷たい北の国でのこと・・。
彼女の思いを共感しようと人々がささやきはじめたのは、残念ながら彼女がこの世を去ったかなり後のことです。
長い時間をかけて、いろいろなしがらみが取り除かれ、清い意思だけが残った、そんな後世のことでした。

あの時、人々が彼女の中に見ていたもの。
それは人の中にあってとてもかけがえのないものです。
彼女も人の子として迷いもし間違いも犯しました。しかし、彼女の切実なまでの願いによってこの世界に奇跡がひとつ起こったのです。
清いヒカリが降り注いだ国。多くの意思が希望が実現した、その証をつくったのです。
残念ながら彼女のその後はつらく悲しいものでありましたが、今でも多く人々が彼女の中に見たものをふたたび見つけようとしています。求めているのです。
今の世にあっても、彼女の背中を追っていた人々と同じような願いを希望を、人は持ち続けているのです。

ひとりぼっちという思い込み

2011-03-24 | poem


生きるのにつらい時もあるでしょう。悲しみに押しつぶされそうになる時も・・。
切実な出来事に心を砕かれ、町をさまよい歩いたことも・・。
太陽は今日も燦々と光を降り注ぎ、町にはいつも通りのにぎやかさが・・。
そんな町をやさしい気持ちで眺められればいいのだけれど、いつになく心に衝撃を与えられた日。
目に見える情景はまるで氷の世界のようで・・。

しかし、わたしたちを見守る愛の存在を忘れないように。
大きな愛の祈りが、やわらかなヒカリとなってわたしたちにいつも降り注がれていることを忘れないように。
人の生命が色を深め、この世界で花のような美しい存在となれるように。
人のヒカリが研ぎすまされ、この世界での人の指針となれるように。
いろいろな願いがこの生命にはこめられていることを忘れないように。

ひとりぼっちの小さな生命。そう思ってしまう時もあるでしょう。
しかし、この生命はなにかの意味を持ち、ここに生を受けているのです。
心の灯火が不意の風によって吹き消されそうになる時はあります。
しかし、大きな愛がわたしたちの灯をやさしく守ってくれています。
そんな愛を片時も忘れることなく、自身の環境で花を咲かせていけるように。
時に世界が冷たくあなたをむち打つかもしれません。そんな時もあるでしょうが、生命はそこを乗り切ることによって、より色を深め、ヒカリを強く発せられるようになるのです。そして、この世界の明かりとなっていけるのです。
あなたのヒカリを多くの小さなヒカリたちが見ています。澄んだヒカリを待ちわびています。
もちろんわたしたちを見守る大きな愛の願いもそれと同じものなのです。

悲しい時に流れてくる音色

2011-03-22 | poem



悲しい時に耳にするこの音色はどこからくるのでしょう?
もの悲しいトーンではあるけれど、心が落ち着いてくるのです。
現実と幻想がすうっと混ざりあって、明るいヒカリがさし込んでくるような・・。
聞いているうちに胸があたたかくなってくるのです。
どうしてなのかわかりません。音色がどこから聞こえてくるのかも・・。
それでも心がなにかを求めている、そんな時にはかならず聞こえてくるのです。
目をつぶるとさらに胸が熱くなってきます。
そして、ありがとうという気持ちの中で、心が素直に楽になっていくのです。

目を覆いたくなるような現実。乾いた情景を前に人はあまりに弱い存在だと思える時があります。
しかし、そんな心にきざすのはこの音色なのです。耳を澄ましていると聞こえてくるのです。
心なごむあたたかな旋律・・。
誰が弾いているのかわかりません。
長く耐え忍んでいる心がふっと軽くなり、一筋の涙とともによみがえってくるもの・・。
それは自分の中にある力でなのしょうか? 人と人との間に発せられるヒカリなのでしょうか?
それらを取り戻していけるのです。ふたたび見いだしていける音色なのでしょう。
わたしたちという存在はいったい何なのでしょう?

落ち着きをとり戻したわたしが、まだ硬くおびえた瞳にむけられるもの。
聞こえた愛の旋律を口伝えに知らせられるように・・。あなたにもこの音色が聞こえるはずですと、笑みを浮かべささやいてあげられる。
音色にこめられたあたたかな思いを心に・・。
見失いつつあるものをふたたび呼び戻してくれる。持っているものをふたたび気づかせてくれる。
誰が弾いているのかわからないけれど、心がなくなりそうになった時にかならず聞こえてくるもの。
その不思議な響きによって、人は人であることに思い出せるのだと思います。
なくしそうになった愛をふたたび胸の中に見いだすことができるのだと思います。

思いは時や場所を越えて・・

2011-03-21 | poem



人の気持ちはどこまで届くのでしょう?
何万キロも離れた場所まで? 身近な隣の人まで? 思いはどこまで伝わっていくのでしょうか。
それがいまだにはっきりとはわからないのです。
それでも人は意思を伝えようとします。無意識のうちに心の中にあるものを・・。
大切な人を思う気持ち。遠く彼方まででなくても、なに気ない日常の人たちに気持ちを伝えようと・・。
わたしたちはいつもつながっていたいのかもしれません。
時にその距離感に嫌気がさすこともありますが、それでもわたしたちはまたそこへ戻ってくるのです。人と人とのつながりの中へ・・。

日常の出来事にも不思議なことは起こります。それに気づくも気づかないも、そのこと自体は実はささいなことなのかもしれません。
大切なのはその時その時に無意識に行っていること。
悲しい時、苦しい最中、相手の気持ちをうかがい知る時などに、人は祈ります。無意識のうちに気持ちを通じ合わそうとします。
誰に教えられたことでもないのに。まるで心がそう促しているかのように。まだ物心がつくかつかないかの子供でさえも・・。

人の心を理解するのはたやすいことではありません。ですが、知ろうとすることはできます。
心とともに生きていくのは、わたしたちにとって心強いなにかとともに生きるようなものかもしれません。
暗闇の中でひとり孤独と戦っていては、いつもなにかにおびえていなくてはなりません。
そんな状態で明るみを探していくのは困難を極めるでしょう。
人と人との絆の中で、その流れの中で、なにかを見いだし自分の糧にしていける。
生きている意味をわたしたちはそこで知っていけるのかもしれません。
人の本質を相手の中に見て理解することにより・・。

今、こうしてわたしは祈ります。そこになにを見いだそうとしているのでしょうか?
いいえ、そんなに難しく考えることはないのです。
祈りの中にあるもの。それが愛だということに気づきさえすれば、わたしたちは大切ななにかを見失わずに済むのです。
人は思いを通じ合うことでなにかを知ることができるのです。
日常の中で思いを抱き、伝え、捧げながら生きています。
自分ではない相手に思いを放つこと。
それがたとえどんなことであったとしてもその思いは通じるのです。心から心へと気持ちは確かに届いていきます。
ですから、心の促されるように素直な気持ちで祈りましょう。
その時その時に、真摯に・・。
心はそんな自分になにかを返してくれるはずですから。

思いは放たれ、愛のヒカリのように時や場所を越えて、どこまででも通じていきます。
人の思いとはどんなものか・・。
わたしたちはおぼげでもそんな愛を感じながら今を生きているのです。

天駆ける赤い馬のこと ~悲しみの中での福音~

2011-03-17 | poem
暗く静かな水面にそっと波の輪をたてていくもの・・。
音もなく水面を歩いていき、ちいさな魂を古くなった魂を背中へとのせていきます。
赤い馬のような生き物は夜の星めがけて旅立っていきます。
その目は慈愛に満ち、大きな背中には安らぎを感じます。
身軽に虚空を蹴って、大空へと駆けあがっていきます。星々の輝きのような模様、翼もないのに・・。
足もとに金色のきらめきを残しながら、澄みきった夜空へ駆け上がっていくのです。

この町には古くから言い伝えがあります。
天からやってくる赤い馬が人の魂をのせて天へ導いてくれると。
地上の苦しみやつらさを踏んだ人の心に、安らぎや喜びを与えてくれると。
まだ誰も見たことのない赤い馬を、わたしはぼんやりとした意識の中で見ていたのです。
その時、体からすっと力が抜けていき、安らぎの中でいられた・・。
夜明けに人から起こされるまで、わたしの記憶の中にはその赤い馬がいたのです。

背中にのった魂はあたたかくやさしい気持ちで、背からはるか夜空の星を見上げています。小さな魂はこの美しさに大喜び・・。
冷たい水を感じることもなく、引き裂くような寒さもそこには届きません。
安らぎとおだやかさに包まれて、魂たちは愛しいまなざしをとり戻しているのです。
母親を見上げる赤子のような瞳を。子を見守る親のような目を。
何のしがらみもない素直なまなざしで・・。そう、赤い馬のような目で、夜空の星を見上げているのです。

わたしはこの馬のことを軽く口にはしません。
大きな傷を受けた人の心に半端なつくり話と思われたくないからです。
ですが、機会(とき)がくれば話します。
人の心に真実のヒカリが、切実な愛の証が必要だと感じた時に・・。
あの赤い馬は幻想的な輝きを放ち、水面をさまよう人の魂をのせて天高く飛び立っていったのですと・・。
あの時に感じた安らぎ。ヒカリの情景をすこしでも傷ついた心に伝わるように・・。
心の許すかぎり、わたしはこの馬ことを真摯に話すことにはしているのです。

roots

2011-03-14 | poem


ふと見上げると、そこには自分のルーツがあります。
わたしはあそこからやってきて、そして、この場所でなにかを行うために・・。
先の見えない状況になると、決まってわたしの頭に浮かんでくるもの。
雪をかぶった山々にやがて春の装いが広がっていく。
その情景はまるで慈しみ深い母のような愛を感じます。
迷いの中、思い浮かぶのは遠き日の記憶。
道に迷った時はここに帰ってきなさいと。
そう諭してくれたのは父だったでしょうか、祖父だったでしょうか・・。
いずれわたしはあの場所へ戻っていくのかもしれないけれど、今はここでなにかを行っていくのだと・・。
愛しい山々はいつもわたしを見守っていてくれる。
いつまでたっても大人になりきれないわたしを、今までもこれからも親のような愛情で見ていてくれる。
人にはそんな場所があるように思えてなりません。

春という魔法の空気が

2011-03-12 | poem


寒い中にも感じられるやわらかな空気。
なにもなかった大地に緑の絨毯が敷きつめられ、やがて、白い花々が散りばめられていきます。
大地はわたしに道をつくってくれます。
この道を行くとあなたに明るみが訪れますよと、春の空気がささやいてくれるのです。
寒さでこわばる顔にほのかなあたたかさが。
張りつめた胸の鼓動をやさしい風がやわらかなものにしてくれます。
笑顔が絶えることなく、これからあなたのもとにヒカリがありますよと。
これまでの寒い季節はここで終わりですと。
来年の寒い季節までにたくさんの愛をその胸にためていきましょうと。
あなたの胸の中には愛の入る新たな器が備わったのですからと。
ふと過ぎる風がこうささやいてくれます。
不思議な春の空気が教えてくれるもの。
それは愛をようやく見つけられる、わたしへの明るい知らせであるのでしょう。
うれしさの生まれる、なに気ない言葉たちがわたしの胸へと響いてくるのです。
ゆっくりとでも確かな言葉たちがこの風の中からわたしへと伝わってくるのです。

親の愛のようなもの

2011-03-11 | poem


人は日常のささいなことに目を奪われ、本当に大切なものを見失いがちです。
病気になったり、ひとりになったりした時に、いろんなことに気づかされます。
自分が日常で考えていたものとは違うものに・・。

たぶんこれが本当のことなのだと気づけた時、これからなにをしていけばいいか。
なにが大切で、なにを求めていけばいいのかがはっきりと見えてくるはずです。
その時の状況は手痛い仕打ちだと思えても、自分の未熟な頭をがつんとやられた親の愛情のようなものだったと、後で感謝することになるかもしれません。
そんな時に気づいたもの・・。これからの荒波でも崩れない、確かなものがそこには輝いているのです。


愛の祝福に変わること

2011-03-10 | poem
三日月の夜。わたしがひとり道を歩いていると、端からカエルの鳴き声がするのです。
その声がとても澄んでいたので、わたしは足を止めたのです。
カエルは言います。
"愛を失うぐらいなら、おバカさんになった方がましさ♪
愛がないのはとてもつらく悲しいもの。
それならいっそ、なにもわからなくなった方がましなのさ。
明るい月を太陽と見まちがうくらい、おバカさんになった方がね。"
わたしは道の端を探してみたのです。カエルの声がどこからするのか・・。
"ここにも迷い人がひとり♪ わたしの声になにかを求めているよ・・。"
どこにいるのです? わたしは言いました。
道の端には沼が広がっていましたが、今までで聞こえていた声が止んで、静かになったのです。
どこにいるのです? その声をもう一度出して下さいよ。
何度も言ってみましたが、何の返答もありません。
わたしがあきらめて行こうとした時、
"迷い人さんよ。なにをお探しかな?"
とても近くで声がしたのです。
月明かりの中で目をこらして見ると、沼の浅いところにカエルがこちらをむいていたのです。
わたしは聞いてみました。
その澄んだ声はどこから出るのでしょうと。こんなわたしはやさしさも勇気も見失ってしまったというのに・・。
カエルはしばらく黙っていましたが、
"迷い人さんよ。愛を離れた者の苦しみを味わっているんだね。
自分の心を見失ってしまったんだよ。ヒカリにではなく、闇に心をあずけてしまったんだよ。
それではいつまでたっても安らぎは感じられない。力も得られない・・。"
わたしはどこで迷ってしまったんでしょう?
"自らの殻に閉じこもった時から・・。
頭の中だけで堂々巡りをはじめた時から、迷いの森へとその奥の方へと入っていったのさ。
思考はひとり歩きをはじめてしまった。暗闇のような場所をさまよい続ける日々・・。
愛を見失ってしまった。それはヒカリから目をそむけてしまったから・・。"
だとすれば、わたしはどうすればいいのでしょうか?
"それは簡単なことだよ。そむけた顔をもとに戻せばいい。
失ったものはまた求めていけばいい。
大きな愛はいつも愛を降り注いでくれている。
昼には太陽を、こうした闇の中でも三日月のような明かりさえ・・。
闇の中ではあの月明かりを見上げて自分の心にあるものを思い出すことだよ。
淡いやさしい明かりを。彼方からの愛がいつも自分とともにあることを思い出すことだよ。"
"いいかい? 愛は失った時にそのありがたみがわかるものさ。
失い迷うこともふたたび見いだすための祝福であることを忘れないことだね。
この失いし時間ですら愛の祝福に変わることに早く気づくことだね。"

やさしい息吹き

2011-03-08 | poem


目が覚めるとカーテンは開いていて、明るい花々がわたしの心をなごませてくれます。
小鳥のさえずり。心地よい風がわたしの胸までやさしい気を運んできてくれます。
小高い丘から羊を連れた少年がやってきて、窓から顔を出して、こう言ってくれます。
"とてもいい天気だから、一緒に山へ行かないかい?"
新鮮なミルクを飲んで、手作りのパンをかじりながら、家を出たのはもう太陽が頭上近くまでのぼっていた頃。
草原に広がる小さな花の輝き。町の方からはぼんやりと鐘の音が聞こえてきます。
枝を振りながら、少年とともにまだ雪のかぶった山への旅路。
笑いながら、少年はこう言います。
"唄でもうたいながら行こうよ。楽しいリズムを刻めば、羊たちも喜ぶから。"
口ずさむそのリズムに、羊の群れはゆっくりと右に左に。
草の緑がしみついた服で、少年は花の絨毯へ大の字に寝転がります。そして、わたしを誘うのです。
"目をつぶってみなよ。大地の息づかいがわかるから。"
石に腰かけ少年を見ているわたしをよそに、なにか耳を澄ましている様子。
そして、不思議な言葉をつぶやいているのです。
太陽は高く明るく、この草原をあたたかな光で満たしてくれています。
やさしい風が時折草花を揺らし、どこからともなくやってきたミツバチが、やわらかい羽音を響かせています。
少年は起き上がり、また唄いはじめるのです。
すると、散っていた羊たちも唄に導かれるようにまた近づいてくるのです。
山からの帰り、わたしは不思議な言葉の意味を聞いてみました。
少年は最初は照れてなにも言わなかったのですが、わたしの熱意に折れて話してくれました。
家を離れた姉さんから、自然がやさしくしてくれるおまじないなのだと教わった言葉。
自然に感謝する幼いまじないであるけれども、今もお守りのようにその言葉を口ずさむのだと・・。
"君にも教えてあげる。自然は本当にやさしい気持ちを返してくれるから。
信じる人にしか通じないおまじないだけど、君の心なら自然が答えてくれそうな気がするから・・。"