泣き続けていた子供がふと泣き止みます。
それはカーテンのむこうに不思議なものを見つけたから。
大人たちは家の中をあわただしく動きまわっています。
窓辺に行って、話をする子供のまなざし。そこにはやさしい輝きがふたたび戻っていました。
母親が子供の名を呼びます。
返事をし、窓のむこうにそっと手をふって走っていく子供。まるで何事もなかったように・・。
大人たちは子供の気分がなおったのだと思っています。
でも、そこには不思議なヒカリが働いたのです。
"大丈夫だよ。ほら、僕の前で笑ってみな。"
不思議な姿とその声を聞いて、子供の気持ちはすうっと軽くなったのです。
"いつでも僕はそばにいるから。"
その声に自然と笑みがつくれるように・・。
母親の裾をにぎり指をくわえてついていく子供。
その心にはふたたび明るいものが宿っていました。だから、もう泣きはしないのです。
窓辺にいる友達の言うことがわかるから。
つたう涙のあともやがて笑顔が消してくれるのです。