欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

涙のわけ

2011-11-28 | poem


悲しいこともいずれは消えてなくなるでしょう。
涙はいつか目からこぼれなくなるはずです。
しかし、涙はむりに止めることはありません。
心の奥にある感情の渦が長年蓄積したものを放ちはじめているから。
自らの心を知る機会ととらえて、見つめ直してみることです。
心の奥から湧き出てくるもの。
不確かで、まったく予想もつかないけれど、涙を流すその心はその場所に希望をおぼえているのです。
そう、わたしの意思をぐっとわしづかみにするもの。そこには明るいなにかがたしかに存在し不思議に心は魅力をおぼえているのです。

見失った悲しい気持ちは・・

2011-11-27 | prayer


夜になると心は澄み切っていきます。
一日の喧噪を凪のように鎮めていくのです。
眠りについているあいだも心は動き続けています。
気持ちはいつも澄み切ったものへと寄り添っていくのです。

悲しみは気持ちを澄ます大きな波です。
これにより自分の本当の感情としっかり向き合えるようになるのです。
いくら現実の世界で偽りの感情で生きていようと、いつかは本当の自分と向き合わなくてはならないのです。
違えた道を正されるように。

しかし、これは祝福であります。
なぜならあなたの本来の目的へと導いてくれているのですから。
どんな変化を望もうと、またどんな幻想を抱こうと、いつかは自らの敷いた道筋へと戻っていくのです。

ですから、夜空を前に素直な気持ちでそうです、そうですとささやいてみましょう。
素直な気持ちでこれからのあなたを描いていくために。
夜の教会でひとり祈りを捧げているところを想像してみましょう。
もしかしたら本当の自分をそこではっきりと見つけることができるかもしれません。

夜空の世界には多くの星々が輝いています。
そのひとつがあなたの生命であることを理解できるようになるでしょう。
人は希望を持って生きていくのです。これからの実りをおぼえて歩んでいくのが人生です。
見失ったものを見つけ出せるように・・。悲しい気持ちをおぼえるすべての人たちに捧げる、これは天からの愛の言葉なのです。

夕映えはあの人のおもかげが薫る色

2011-11-27 | poem


冷たく白い階段をのぼっていくのです。足下の注意も払わずに・・。
愛する人がいなくなる、その悲しみの方が階段を落ちるよりも切ないから。
螺旋の階段をのぼりきり、制止しようとする執事を押しのけ、あたたかみのある部屋の中へ。
ベッドの上で目をつぶる愛する人の顔。
じっと見つめて、静かに近づいて・・。
"遅かったのね。あんなに希望をうたって、ここを出ていったのに。
わたしをおいたまま・・。それが思いやりだったかどうかなんて今のわたしには関係ない・・。
もう一度話したかった。あなたの口で愛をささやいてほしかった。"
愛の面影が香る口もとへ顔を近づけ・・。
"さようならを言わなきゃいけないの・・"
長い沈黙の中で、執事がそっと近づいてきて、
"ご主人さまが亡くなる前に身近な者に託したものがありました。"
それは小さなバラのイヤリング。
"これを返せなかった・・。それだけが今のくやみであると・・。"
ひたすら止まない涙の中で、ピンクダイヤのイヤリングを握りしめて。
これはわたしからのお守りとあの人に渡したもの。
あの人からのプレゼント。ふたりの愛の絆。
"どうして、わたしとバラだけを残して行ってしまったの?
これからなにを希望に生きていけばいいの?"
冷たい顔に手を近づけて、その閉じられたまなざしを思い出しながら、
"本当にさよならが言える時がくるの?"
幼子のようにつぶやくのです。

愛の傷は深すぎて、それから何度くじけそうになったことか・・。
しかし、あの日以来夕暮れはあの人の色に。あの頃の楽しい話や未来がいっぱいつまった希望の色に。
空を見上げ、やわらかな夕映えにあの人を感じるのです。
わたしはバラのイヤリングをして、あの人にいつでも話しかけられる。
深い傷が癒えるその日まで。
"愛する人、明日もすばらしいことが待っていますように・・"と。それが今の希望であるから・・。

星の輝きがわたしに・・

2011-11-24 | poem
星の輝きがわたしに教えてくれました。
困った時に、その輝きは真実の言葉を授けてくれたのです。

ある夜のこと。わたしは心ない人の言葉で傷つき、悲しんでいました。
そんな時です。空を見上げてもいないのに、星から声が聞こえてきたのです。
"なにを悲しんでいるのです?"
はじめはわたしもとまどいました。しかし、だんだんとその純粋性に慣れてきて・・。
"なにも明るいことがないのに、嫌気がさしているのです"
"この世界は悲しいことばかりではありませんよ。
多くの悲しみはささいなことを起因に自らがつくり出した幻想であることを知らなければなりません。"
その声に返します。
"たしかにわたしは傷つきました。ただ、この世界での多くのことが悲しく思えてならないのです。
これはこういうことなんだ。おい、そんなことではいけないぞ。もっとたくましく強くならねば・・と。"
するとやさしい声音が返ってきます。
"人の中にある悲しみ。時としてそれは厳しい現実の響きをおっています。
ですが、その事実に尾ひれをつけているのは、その人の悲しい習慣なのです。
出来事は出来事で、明日への希望はあるはずなのに・・。
心は希望としてではなく失望として、暗い影をおとしていく。
出来事をきっかけにをあなたの力で未来がさらにひらけていくというのに・・。もっと素敵な自分へと変わっていけるというのに・・。"
"でも、わたしは・・"
"純粋さや本来抱いているものを見失いつつあります。
暗いものばかりを集めはじめ、やがて、身動きできなくなってしまう。
希望はつねに心の中でささやかれているのに・・。物事の中に明るみは見え隠れしているのに・・。
そこに目をむけようとはしないのですね・・。"

星とわたしの会話は続いて、やがて、高く澄んだ声音に不思議と明るいものをおぼえていったのです。
あらためて星を見上げると、
"そこにある輝きは生命の証。だれもが持っている美しいヒカリ。
気高く、素直さを失わずに生きていきましょう。自らの中にあるすばらしいヒカリを放っていけるように・・。
祈りは身近な愛へのつながり。
悲しいとき、寂しい時は話かけてみることです。
頭上の輝きに。
天にある美しいの輝きはかならずあなたの胸になにかをささやいてくれるはずだから。"

イルカの饗宴

2011-11-20 | poem
この世界は不思議なものです。美しい星、夜には月という明かりが灯っています。
夜の海は人の知らないことがいっぱい。イルカの詩なんてものも聞いたことがないはずです。
どんなに文明が発達しても、未だ知らない美しい調べが月のある夜に奏でられているのです。
この世界には多くの詩がありますが、その中からひとつお話ししましょう。

常夏の島、潮の流れがおだやかな場所。そこはイルカにとっても居心地の良い場所です。
犬笛のような高い音。月が明るい夜のことです。
漁師も聞いたことのないイルカの詩。イルカたちの饗宴がはじまっているのです。
はじめはひとつの音だけが響き、やがて、それに共鳴するように多くの音が加わります。
音色は悲しげでありながらも、どこかあたたかさが漂います。不思議とその詩に月の輝きはいっそう強くなっていくのです。
かつてイルカにとって生存の危機のような時期がありました。
多くの天敵や自然被害もかさなり、その存続が危ぶまれていたのです。
そんな時、イルカは月にむかって音を発しました。
このような行動はイルカの遺伝子にはなかったのです。
もしかすると、この突発的な行動がなかったら、この世からイルカは消えていたかもしれません。
一頭のイルカが偶然にも奏でたその詩。何代にも渡り月とともに生きてきた指針がここにあるのです。
詩を発しながら、イルカがとった行動。
月に願いを発して、月の恩恵を享受するようになったのです。
イルカの饗宴はもうひとつの側面があります。
二頭のイルカを中心において、そのまわりを多くのイルカが泳いでいるのです。
これはイルカの結婚式のようなもの。月のある静かな夜にイルカの愛は育まれます。
多くのイルカが共鳴しながら音を発し、やがて、未来へと愛をつなげているのです。
イルカの詩は悲しげな響きが含まれていますが、やがてその澄んだ音色はあたたかな合唱へと変わっていくのです。
今までの出来事を浄化するように。そして、澄ましていって希望として指針とするように。
イルカの饗宴は美しくも厳かに続いていくのです。月明かりの静かな夜に。

月を拠り所としているイルカの詩はまだ誰も聞いたことはありません。
しかし、いつか人の耳にも響いてくるはずです。
悲しげな音色でありながら、やがてあたたかな純粋なものを残してくれる詩。
この世界にはまだまだ不思議なことが多くあります。
この話は不思議さを伴いながらも、確かな地球の物語のひとつなのです。


※いまのところこのお話はフィクションであります。

夜の舞踊会にて

2011-11-20 | poem


男と女。どんな人だかりの中でも目と目を通いあわせ、引きつけられて、互いの中に・・。
黒のビロードのカーテン越しに口づけを交わし、男は強い愛の言葉をささやく。
その言葉を楽しむように女は口もとをゆるめ、男の胸に頬を寄せて。
仮面をかぶった舞踊会はもう終わろうとしている。
仮面の中にある真摯な輝きをみつけ、手をとりあって、このにぎやかな場所から消えていった者は数知れず。
外の川辺では花火が鳴り響き、歓声や怒号が響く。
あやしげ夜はさらに更けていき・・。

ことが終わった男は舞踊会の会場へ戻り、夫人を探す。
しかし、夫人の姿はどこにもなく、人々の流れにのまれて、バルコニーの方へ。
バルコニーの方から男を見る強い視線が・・。
射るような鋭さを感じながら、そこへ惹かれていき・・。
バルコニーで交わされる会話、時折花火の輝きや音にかき消され・・。
閃光のように明るむバルコニーで男の驚くような口に、女が手をあて、抱きしめるようなかっこうで耳もとに・・。
ゆっくりと背中をむける男。会場に戻ろうとする大きな背中に、女はすがるように寄り添ったが、黒いドレスから取り出した銀色の鋭いものを背中に突き立て・・。

女はつぶやくのです。
悲しいほど愛しい人。いつまでもあなたの愛を感じていたかったわ。
悲しい気持ちをやわらげてくれるあなたのまなざし、あなたの言葉。
いつまでもその低い声を耳にしていたかった。
誰のものでもないと自分に言い聞かせてもそれは無理な話よ。
これでいいのよ。別れたわたしたちの道がひとつになるには・・。
これでいいのよ。これであなたはわたしはしあわせ・・。

おびただしい数の花火が一斉にあがり、金持ちを夢見る群衆が叫びながら、大きな屋敷へと今なだれこもうとしている。
たくさんの奇声や悲鳴、あやしい夜の祭典はこうしてクライマックスをむかえる。
愛が仮面の奥をうかがい、交錯して。人の本音が見え隠れし・・。
バルコニーに倒れた男を発見したのは皮肉にも男を探していた夫人。
大きな悲鳴と涙にぬれるその顔。
黒いドレスの女はもうどこかに消えていて、騒ぎはじめた民衆のせいで、この出来事さえ小さなことのように思われて・・。
日があがりいつもの正気を人が取り戻すまで。この狂ったような夜は続いていく。
いびつな愛のカタチがいくつも生まれた夜。たまに純粋な輝きがなぐさめのように・・。

この夜、ひとつの生命は失われたけど、絡み合う愛の線は複雑になるばかり。
夫人の中に芽生える黒い情念。
そして、またこの街に異質な彩りを添えていくのです。
誰もがまるで用意されていたキャスティングのように・・。
愛を表現する大きな劇場の一員となって、ふたたび物語をつくりはじめていくのです。

星のかけら

2011-11-18 | poem


ひとりの男が夜の海辺を歩いていて美しい貝殻のようなものを拾いました。
手にとると、まるで貝殻ではない宝石のような星のかけら。
しかし、こんな美しい石を授かっても男には愛する人がまだあらわれていませんでした。
星よ、星よ。どうかわたしにこの美しい石をあげる、愛する人を与えておくれ。
そんな冗談まじりの願い事を、美しい石を持って夜空に祈ってみたのです。
すると、不思議なことが起こりました。
次の日、男の家に一通の手紙が・・。
それにはこう書かれていたのです。
親愛なる愛する人。この手紙を読んだならどうか夕方、あの海岸へと足を運んで下さい。
最初は心当たりがありませんでしたが、やがて、以前困った女性を助けてあげた、その人からの手紙だったのです。
書かれている通りに男が海岸へと足を運ぶと、やはりあの時の女性が待っていました。
お礼の品物とともに。
ふたりは沈む夕日の海岸で、いろんな話をしました。
そして、星のかけらの話も。
男がその美しいものを女性にあげると、大切にしますと喜んでいました。
それから何度も会っているうちに、ふたりの中に愛が・・。
やがて、ともに生きる人となっていったのです。
美しい星のかけらが導いたものでしょうか。
男はそんなことを忘れたかのように、彼女のためにつくし働きました。
やがて、ふたりのあいだに子供が授かって。
彼女が言ったのです。
星の由来する名前がいいと。
そこで男はあの時の星のかけらを思い出したのです。
ぼんやりと夜の浜辺を歩いていた、そんな自分がこんなしあわせな生活を送れるようになったのもあの星のかけらのおかげだと。
男は妻に聞いたのです。あの時の星のかけらをもう一度見せてほしいと。
すると、大切にしていた美しいものは子供が授かった時になくなってしまったのだと。
だから、あの美しいものが子供に変わって帰ってきたのだと、星の由来する名前が良いと・・。
男はその夜、ふたたび海岸沿いをひとりで歩きました。
あの時と同じような美しい星々の夜。
その空に感謝の祈りを返したのです。あの時のわたしから考えられないくらいのしあわせをもらえたことを・・。
すると、ひとつの流れ星が西の空から東の方へと。そして、ふたりの愛の結晶が生まれたのです。
子供は美しい女の子。もちろん千星と名づけられました。
不思議な星のかけら。
たくさんの星のかけらが空からこの大地に落ちてきているのです。
たまたま見つけたその人の願いをかなえるために・・。
今夜もどこかで不思議な出会いがはじまっているのかもしれません。

カードの行方

2011-11-16 | poem


カードの行方は風の流れと同じ。
かわいい顔で懐にやってくる恋人のように・・、でも、次の瞬間にははらりと手から離れていって、その名残をうかがわせるだけ。
ゴールドの貨幣をポケットいっぱいに、テーブルを射るように見つめている男。
しばらくすると、貨幣はすべて出ていってすっからかんに。背中を丸めて華やかな建物を後にします。
男は思うのです。自分にはなにもなくなったけれど、この寒い空の上に三日月は輝いている。あれが未来の財産なんだと・・。
場末のホテルで、いちゃつく恋人たちの物音を聞きながら今夜は眠りにつくのです。
しかし、明日には女神がほほ笑みをくれて、街を見渡せる大きな窓からシャンパンを片手に濃い紅の口びるに愛をささやく夜がくるのです。
男にとって今日という日ははすばらしい冒険の一日。
満たされる者と満たされない者が同居するこの街。男はここで今日も追い求めているのです。
カードのむこうにかくされているものを・・。
そんな輩は他にもたくさんいるのです。誰もが良い風が吹くのを待っている。
カードを切って、やがて返ってくるその柄に、風の善し悪しを感じて・・。
めくる前に男にはわかっているのです。女神がほほ笑んでくれるのか、そっぽを向いてしまうのか・・。
なにが良い風を吹かすのか。男はそれを追い求めているのかもしれません。いつの日か風を自分のものにする日まで。
誰もが夢見て破れていった道です。人に言えばかならず言われるのです。「そっちに行ってもろくなことにはならないよ」と。
でも、男はそこに意味を持っているのです。
寒々しい夜に浮かぶ月の輝きのように。カードの流れの中になにかを見いだそうとしている。
めくるカードと風の意味を知る日まで・・。
欲望という言葉だけでは物語れない真摯ななにかを、テーブルの上にかさなる美しい柄に男は今日も見いだそうとしているのです。

幻想への入口

2011-11-14 | prayer
幻想の中へ人は時として逃げたくなることがあります。
かならずその幻想から帰ってくると誓ってはいても、その人の旅路を他人は不安がるものです。
もしかすると帰ってこないんじゃないか。
迷いの森からもし抜け出せなくなったら・・。
そんなことを考えてしまうから、人は幻想という言葉に一目置くようになるのです。

幻想の中へ。そんなことが可能なのでしょうか。
しかし、幻想への入口は意外と身近にひらかれているのです。
人が必要としていないだけで、その入口は意識のすぐそばにあるのです。

大きな扉のそばに屈強な男が立っているのです。
見た目とはうらはらにその男は真摯な口調で、人をそれぞれの入口へと誘ってくれる。
しかし、気をつけなければなりません。幻想に入っていけるのはかぎられた人であることを。
それ以外の人は幻想とはかけ離れた病的な世界へと送り込まれてしまうから・・。
わたしたちはその見極めをしっかりとつけていかねばなりません。
それを怠って、病的な世界へと足を踏み入れていった人々・・。その数のなんと多いことか・・。

気をつけなければなりません。
しかし、幻想の世界が魅力的な桃源郷となりうることもまた事実であります。
あなたの見極めがとても大切。
大事なのは、この世界を愛という尺度で見ていたかどうか・・。
そんな視野の広さにかかっているのです。

一番星の歌声

2011-11-07 | poem


ふたりの幼い女の子が橋の下で身を寄せあって夜の寒さをしのいでいます。
母親が仕事から帰ってこず、クリスマスが近いこともあって、姉妹で母親の職場へむかえに行ったのです。
しかし、幼いふたりにこの街はちっょと大きすぎました。
迷ったあげく、持っていた小さなバックまでスリに盗られてしまったのです。
"ねぇ、ママはもうすぐむかえにくるの?"
なにもしらない妹はお姉ちゃんの顔を見上げます。
"そうよ。もうすぐやってくるから・・。もうちょっとの辛抱だからね"
お姉ちゃんもどうしていいかわからず妹をなだめますが、しだいに自分の方が不安になって泣きはじめてしまいます。
妹もそんなお姉ちゃんの顔をみて、メソメソ泣きはじめます。
ふたりで下をむいて涙を流していた時のことです。
♪ふたりの流した涙の分だけ、あとで笑えるような出来事がやってくるから。
さぁ、涙をふいて立ち上がりましょう。橋の上に立って、空を仰いてみなさい。♪
とてもあたたかな歌声がふたりの耳に聞こえてきたのです。
お姉ちゃんは橋の上にきっと歌っている人がいるのだろうと、妹を連れて橋の上へあがってみました。
しかし、そこに人気はなく・・。
♪空を見上げて。美しいヒカリが筋を示すから。その方へと歩いていったらいいよ。
筋はいつまでも放ち続けてくれる。あなたたちがあたたかな場所へとたどりつけるまで♪
"ねぇ、お姉ちゃん見てみて。とてもきれいなお星様。"
何度もあらわれる流れ星に妹は感激しています。
お姉ちゃんはその筋の方へ妹の手をとり歩いていきます。
手をひかれる妹は、
"ママにも見せてあげたいね"
"あの星の向かうところにママはいるから。きっと見ているはずよ"
ふたりが空を見ながら歩いていくと、やがて、見慣れた風景が・・。
道を曲がると、心配そうな顔でふたりを探す母親の姿が・・。
ふたりとも走っていって、ママの胸に。
"もう心配したのよ。ママが遅くなったのは悪いけど、ちゃんと帰ってくるんだから・・。"
"ママをむかえにいったんだよ。そしたらね、お星様がママにところにつれていってくれた"
妹は無邪気にそう言うのです。
お姉ちゃんは、
"ごめんね、ママ。でも、本当のことなの。迷って橋の下にいたわたしたちをあの星がここまで連れてきてくれたのよ。"
"そう"
母親はにっこりと笑顔をみせて、
"あとでゆっくりお星様にお礼を言わないとね"
こうして三人は家の中へ。
あたたかな食べ物。そして、厚いパジャマを来て眠りにつこうとした時、お姉ちゃんは星の歌声を思い出したのです。
あのあたたかな不思議な唄を・・。ひときわ輝いていた星のヒカリを。
そして、窓に近づきカーテンをあけて、夜空に輝く星たちに目をつぶり感謝の言葉をつぶやきました。
"ありがとう、お星様。美しい流れ星によってママに会うことができました。
ありがとう、お星様。あなたの歌声、今思い出してもとってもきれいな歌声でした"