欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

永遠なる愛

2010-07-28 | poem
目をあけると、とても身体が楽なのです。
暗闇の中にいるのに、とても気分が明るいのです。
目が慣れてくると、微細な青白いヒカリが地面に一面広がっています。
それはまるで夜空に広がる天の川のようなもの。その上にわたしは立っているのです。

わたしが歩きはじめると、足下の青白いヒカリが天にむかって舞い上がっていきます。
一歩また一歩。歩いていくわたしの足下からヒカリが飛び立っていきます。
こんな暗闇にいるのですが、とても幻想的で神秘的。この世界はわたしを満足させてくれます。
はるか上を見あげると、おびただしい数の星々が。そして、足下から舞い上がっていくヒカリ。
青白いヒカリたちが夜空へ吸い込まれていきます。

どれだけ歩こうと疲れることなく、気分は満たされているのです。
どこからともなく聞こえてくる唄。わたしはずっと聞いています。
歩きながら、その音色を口ずさみ。また、聞く。
目をつぶって胸の愛を確かめたくなるのです。
そして、こういうつぶやきがわたしの心の中に響きます。

"永遠なる愛がいつもわたしとともあります。
愛とともに生きていけること。
それはかけがえのないわたしに対する天からのすばらしい贈り物であるのです。
ともに祈りましょう。今ここに歩んでいられることを。
そして、愛とともに歩んでいける、その先の明るんだ希望の世界が待ちうけていることを。"

胸にさした赤い花

2010-07-22 | poem
雨が降り続き、市場の活気も失せかけていた。
ひとつまたひとつと店を閉め、そこを後にする人たち。
女がひとり布の屋根から落ちてくる雫を見つめながらなにかを口づさんでいる。
それは彼方にいる家族への祈り。
遠い町から送られてきた訃報を受けた、直後のことである。
雨は町をうらぶれさせている。故郷へ戻るお金もない。そんな時にふらふらと訪れた市場はとても寂しい場所と化していた。
女はつぶやく。家族への思い。胸の中の悲しみ。
すると、女の足もとに流れてきた、1本の小さな赤い花。
雨はもう水たまりを越えて、溝からあふれ流れてきているのだ。
女はその赤い花を胸にさし、市場から雨の降る通りへと歩きはじめた。
色の深い服が雨に濡れて黒っぽく変わり、胸にさした赤い花だけが女の秘めた愛のように輝き目立っていた。
雨は激しくなる一方。
人の失せた町並みの中を、愛に根ざした女の意思が歩いていく。
それを見ている者はだれもいなかったが、天からの使者だけが女の行く末をしっかりと見守っていた。

心の因果からくる出来事

2010-07-22 | poem


「これをひろって下さいな」
通りがかった娘が笑って言うのを、乞食の男は真剣なまなざしで見上げた。
乞食の男は娘がなにか食べ物でもくれるのではないかと期待していたのである。
男が地面を見ると、一オンス銅貨が落ちていた。
男が身をのりだして、銅貨を取ろうとすると、娘が銅貨の上に靴をのせた。
男が見上げると、娘は笑みを浮かべている。
男は娘の意図をさっし、手をさげ首をふった。
娘は笑いながらその場を立ち去った。
残った銅貨を拾えない男の前を、すばやく走ってきた子供のひとりが銅貨を拾って、走りさっていった。
強い日ざしの中でのことである。
男はこうつぶやいた。
「神よ、こんなわたしをどうかあわれみ下さい。」

願いの詩

2010-07-18 | poem


このままでいよう。
波が静まっているから。
喧噪や悲しみの波紋はいまだ立たず。
不安や危惧のかすむ間もない。
だから、このままでいよう。
静かな心にヒカリが降りてくるように。
"わたしの心にもヒカリが見えますように"と。

魂の輝き

2010-07-17 | poem
砂埃の舞う街の片隅を、乾いたくちびるをかみしめて見つめていました。
そこには廃墟同然の建物と壊れた自動車。そして、うねるような雲の青い空があるだけでした。
時折目に入る砂塵によって、わたしの視界は幾度となくはばまれます。
それでも見つめていたもの・・。
そこにあったのは長く慣れ親しんだ家族との思い出の家でした。
破壊がやってきたのはこれが最初ではない。
しかし、建物や車、そのほかのあらゆるものよりもわたしの心を砕いたのは、家族との離別でした。
そこにあるのは永遠のむなしさと心に残るわずかな思い出だけ。
風の強い昼下がり。建物の影にうずくまって見つめているのはこれまでの楽しい日々でした。
この大地は時に残酷な様相をわたしたちにつきつけます。
そして、そこに居座る心の中にある種の変化が起きるまで、わたしたちはなにものにも代え難い地獄を体験することとなるのです。
本当の愛を知る瞬間がこの次に起こるまで、わたしの中にあったのは、ただの虚しさと色あせた希望だけでした。

いつのまにかわたしの視野はぼんやりと白くかすんでいき、なにも聞こえなくなり、ただ感じるのはやわらかなあたたかさだけでした。
わたしはたしかに彼方のヒカリをふれることができたのです。
世界の中で説明のつかない次元のふれあい。
喜びと希望の極地にわたしは置かれていたのです。
なにかがわたしのなかに入ってきて、そして、内からこう響いてきたのです。
"祈り、得られるものがなになのか、人は知らない。
遠く彼方からの恩恵はいつも魂が感じられている。
知識や視界にはばまれて、魂で感じることのなくなった人間たちの行く末は暗闇。
ヒカリに向くこと。ただ子供のように素直にヒカリへとむけること。
祈りの先にあるものは、たしかに鼓動と同じ愛の証。魂の輝き。"

ぼんやりとベッドで目がさめたのはそれからどれくらいがたってのことでしょう。
やわらかな談笑が耳に聞こえてきたのです。
そして、目をさますと、廃墟となった家にいた家族が楽しそうに笑い合っているのではありませんか。
そして、わたしに気づき、手を合わせている子供たち。
そのまなざしに愛が輝いているのを見て取ったのです。
どうした経緯かはまだわかりませんでしたが、ひとつ確かなことが言えるのは、あのヒカリが恩恵として関わっていることでした。
なぜなら心の中に絶対の安心感が留まっていたから。今までにこんな感情を保ったことはなかったような気がするから。
わたしは家族の前で笑みを浮かべ、そして、うれしい涙を流したのです。

階段の意味

2010-07-17 | prayer


ひとつひとつ上っていくその階段には確かな意味があります。
日常の中で感じること、思うこと。心の変化。それらすべてがあなたの中に刻まれ、なにかを生み出そうとしています。
その過程を充実ととらえ歩んでいける人は幸いです。そこから多くの恩恵がもたらされるのですから。
しかし、その過程をただの日々ととらえ、怠惰や不均衡な感情のままで過ごしていくのは悲しいことです。
それは多くの恩恵を前に、うつむいてヒカリに気づけない哀れな迷い人のようなもの。
どこまでいっても迷いは消えず、手ごたえもなく、行く道の果てしなさばかりを嘆いている異邦人。
そんな人になりたいわけではないでしょう?
祈りましょう。そして、ヒカリに向ける感情、心を受け継ぎ、今ある階段の意味をひとつひとつ理解していくのです。

挫折感

2010-07-02 | prayer


苦しみを越えたところにあなたの求めているものはあります。
頭の中の理屈や常識が遠く及ばないところ。そこにこそ本当のものがあるのです。
悲しみや絶望はその領域に入ることはできません。言ってみれば至福の状態。
しあわせに満たされて、人は本当の意味を知るのです。
そして、その体験が希望となって、その人のこれからは始まっていくのです。
影に頭が支配されている人は、実は危険を冒そうとしないまやかしの旅人。
真実を知れないままにさまよい続ける悲しい旅人なのかもしれません。
生きるとは本当に意味深いことです。それを身をもって体感するには己の信じる道を偽りなく歩いていくこと。
その道のりにこそ、本当の祝福が待っているのですから。
意味深い人生の彩りがあなたのこの先にはかならず隠されているのです。

湖を横切る白い鳥

2010-07-02 | poem
湖を横切っていく白い鳥をわたしは見つめていました。
鳥は透き通るように純粋なものを帯びていて、まわりの静寂すら忘れるような、心の衝撃を与えられたのです。
力なく、このまま朽ちていきそうなわたしの心に、新鮮なヒカリのようなものをもたらしてくれたのです。
鳥は風も吹かない静かな湖を横切り、湖畔の森へと姿を消しました。
わたしは鳥を見る以前のわたしとはあきらかに違っていました。
それはわたしの心にヒカリがさしこんだから。それほどこの状況は大切な出来事だったのです。
途方にくれ、ようやくこの湖までたどり着いたひとりの旅人の心に、この自然の魂がなにかを諭してくれたのでしょうか。
悲しみも越えたむなしい時をむかえて。
わたしの心に白い鳥は澄んだ潤いをもたらしてくれたのでした。
目には輝きが。思考には明るさが。そして、体全体に新たな活力が生まれた瞬間。
わたしは湖の彼方にむかい手を重ね、祈りを捧げていたのです。