欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

喪失感の先に

2012-01-01 | poem


"みんな心にぽっかりと穴があいてしまったんだよ。
とてもきれいなモノ便利なモノはそろっているのに、いったいなにが足りなくなったんだろう?
からっぽの心に入っていたものがあったんだろ?って、遠くで誰かが言っている。
そんなものがこの街のどこにかくされているのか、今の僕にはわからないまま・・。
どこかで発見されるのを待っているんだよ。探しに出かけなきゃ。
この街は広いし、気持ちはしずんだままだけど・・。
見つかるかもわからないけど、行ってみなくちゃいけないんだ。
どこかにあるんだよ。大きなダイヤモンドのような輝きが・・。
かならずかくれてるはずなんだ。今の僕にはわからないすばらしいなにかが・・。
ぽっかりとあいた穴がこれからの指針。
それを見つけるために、こんな大きな街はあるし、こんな僕の気持ちはあるんだろう。"

白銀の世界のうえで

2011-12-28 | poem
見上げると、そこには小さく輝く星のヒカリ・・。
まるでなにかの言葉を放っているかのように、こちらにほほ笑みかけているのです。
どうしたのだろう? あの星とおなじ輝きを放たなければ・・と、そう感じたのです。
冷たい風の吹く中、白銀の雪にうもれたわが家へ帰る途中のことです。

耳をつくような鋭い響き。
手袋の手をそっと耳に寄せて・・。
すると聞こえてくるのです。あの輝きからの言葉が・・。

"永遠の愛。それを感じられるのは心が澄んだ人の胸にだけ・・。
自らが放つヒカリの純度によって星はあなたに共鳴していくのです。
愛のかけらが、やがて、あなたのもとへと降り注がれていき・・。
さぁ、純粋な思いを放ちましょう。この寒々しい大地にしっかりと立って。
やがて星の輝きは希望の実りとなって、あなたの身体に降り注いでくれるから・・。"

白い息をこぼしながら、わたしは空を見上げてました。
星への思いがすこしの時間を得て、共鳴として、多くの流れ星が空を横切っていったのです。
笑みを浮かべているわたしの頭上を。

輝くヒカリの下で

2011-12-20 | poem


眠りからさめると、そこにはいっぱいの日ざしが降り注いでいて。
"よく眠っていたね"って君のやさしい笑顔がそばに・・。
目をこする僕の髪をなでるように、心地いい風が通っていって、たくさんのひまわりが揺れている。
なにも話さないのに笑みがこぼれてきて。
大きな空はめいっぱい広がりをみせていて、太陽の日ざしは燦々とあたりに息づいてる。
"これからどうしよっか?"って君の声にふりむいて、
"さぁ、日ざしの響きに耳を傾けてみようよ"って僕は高い空を指さしてみるんだ。
冗談も言わないのに笑顔はいつも僕らのそばにあって。
君のまなざしは僕の胸の鐘をやさしく響かせる。
"あの空のむこうまで行ってみよっか"って。
大陸を発見した冒険者のような気持ちでふたりで立ち上がり。追いかけたり逃げ回ったり。
どんなに行っても日ざしやわらかく僕たちについてくる。
歩きながら君は言うんだ。
"ねぇ、この愛は永遠なのよ"って。
"それって本当?"聞き返してみたら君は、
"あのお日さまがわたしたちを見てるのよ、ウソは言えないわ"と笑ったんだよね。明るく澄んだそのまなざしで・・。

一番星のささやき

2011-12-18 | poem
ひとり、夜の道をドライブしていた時のことです。
山のむこうに光り輝く一番星が見えたのです。
最初はなにも感じなかったのですが、その星がわたしになにかを語りかけているように思えたのです。
わたしの胸に響いてきたもの。
"彼方からのこの思いを感じて。
あなたの中にはずっと封じ込められている思いがあります。
それは以前からあなたの中にある宝物。
光り輝く星のようなヒカリであるから・・。"
星はさらに言います。
"暗がりがあなたの胸に留まっているかぎり、純粋なヒカリが日の目を見ることはありません。
それを解き放つのは、あなた自身です。あなたの希望であるのです。"
わたしは車を止めて、不思議な響きに耳を傾けていました。
すると、しだいに鼓動が力強く高鳴ってきているのです。
響きはさらにこう伝えてくるのです。
"思い出しましょう。いにしえには携えていたものを・・。
今は無力を感じ暗がりを進むあなたの心。しかし、やがてヒカリが輝きを帯びてしあわせを手にできる・・・。
なによりも笑顔とともに美しさを愛していたあなたですから・・。"
ひときわ輝く一番星からの響きをわたしはただ見上げているばかりでした。
胸に手を当てうなずくと、目の前の大きな空にひときわ強い輝きが横切ったのです。
一番星はさらに、
"空を流れ、進みいくヒカリの者たち・・。
どうか自らのヒカリとともに歩まれることを望みます。
あなたもやがて思い出し、ふたたび手にしていく過程の中で、ヒカリの本質がわかるようになるでしょう。"

これはとても不思議な出来事でした。
それからのわたしの心に確かに一筋のヒカリがさし込んでいるように思えるのです。
そして、どんな日常の中でもそのヒカリの行く方へとわたしは舵を切るようにしている。
そう、不思議に明るく変わる世界をそれからはひしひしと感じている日々なのです。

しあわせへのとり組み

2011-12-18 | poem


たしかに世の中は厳しいことばかり。味気なくて縦割りで、自分にいくつもの試練を課しているようにも見える。
そこで根性だ強さだと主張されても、それが生きる道だとさとされても、なにか納得がいかない。
そんなとき、考え方が大切だとわたしは思うのです。いろんなものを含めてバランスのいい考え方が。
深呼吸をして、心の中にあるトーンを推し量ってみましょう。
生活の中にすこしでも素敵な時間がとり入れていければいいではありませんか。
心の中にしあわせが見えかくれしてない人にこれからの明るみははたして訪れるでしょうか?
素敵な笑顔を身につけていない人に、これからの未来、そのような出来事は訪れるでしょうか?
素敵な未来への演出はすでにあなたの中ではじまろうとしています。
それが証拠に、こうして模索を続けているのですから。
これはただの変化ではありません。その人本来のしあわせへのとり組みだからです。

たしかな絆の詩

2011-12-16 | poem



悲しいとき、淋しいとき、生きる目的を見失いそうになったとき、
わたしは夜空を見上げ手を重ねるのです。
"どうか、このわたしにあなたの愛を降り注いで下さい。"と。
"あなたの愛が訪れるのを待ちわびているのです。
明かりが消えかけているこの胸に、ふたたび灯りを・・"と。
すると、不思議なことに数多くの流れ星がわたしの頭上を通り過ぎ、大きな力がわたしに舞い降りてくるのがわかったのです。
その安らぎに自然と笑みもこぼれてきます。
絆が確かにまだあるのだとわかった瞬間(とき)、わたしの中にある暗がりや迷いがすうっと消えていったのです。
澄んでいく心の中に見えてくる明るみ。
そして、示し合わせていたかのように、わたしのうしろから純粋な鐘の音が鳴りはじめたのです。

メリーゴーランドのある広場

2011-12-11 | poem



メリーゴーランドはまわり続けています。輪舞にのせて。
少女や少年。白髪の大人まで、みんな馬車や白馬にのって笑顔になって。
悲しい気持ちもこの乗り物にのれば楽しくなって、まわり行く先に夢が見えてきますよって。
入口の切符きりの紳士はそう胸を張るのです。

メリーゴーランドはまわりまわって。
乗っている人たちはまわりで見ている人たちに手をふって。
動いていく景色にしあわせを探していくのです。

子供たちは身近な夢の世界を胸いっぱいに感じて。
パパやママとともに楽しい会話、楽しい気持ちのままで。
どんな魔法もこの世界には確かにあるけれど今は隠されていて発見されるのを待っているんだと帽子を小粋にかぶった老人が勇んで声をあげるのです。

ミラーにうつる自分の笑顔、美しい宮殿のような装飾に自らの夢をかさねて。
ゆっくりと止まるメリーゴーランドに、入口で次を待つ人たちの期待のまなざし。
メリーゴーランドを降りてくる人たちに切符きりの紳士が笑顔でささやくのです。
"ここで見た夢を現実に。これからは幸運が待っていますよ"と。

美しい星のもとでの街にて

2011-12-09 | poem
今夜、眠りにつく前にこの街がどんなに素敵な街か、あなたにお伝えしておきましょう。
普段なに気なく通っている街の片隅にも素敵な物語は生まれているのです。

大通りをすこし脇に入ったあやしげな通り。そこには娼婦やホームレスたちが通りすがりの人になにかを求め声をかけてくる場所があります。うっすらと昼でも暗がりがともなう通り。
今夜もそんな通りに入っていく大人たち。ひそひそと会話が交わされ、近くの建物へ入っていく人たち・・。
夜の零時をまわると、小さい鐘の音がなります。通りのむこうにある教会がならす夜の響きです。
ひとりの娼婦がそばにすわるホームレスの男にこう言うのです。
"わたしはこの鐘の音が好き。なかでも夜中の鐘はなにか不思議な響きが感じられるのよ"
"なにが違うって言うんだい?"
ホームレスは座ってうつむいたままなにかを磨いています。
"なにかってそれはわからないけど、しあわせの匂いがするんだよね"
"それはおめでたいこったな"
"ほんとなんだよ。うまく言えないけど、夜空の奥になにかあったかいものを感じられるんだ"
ホームレスはなにも言いません。
"わたしなんてなにがしあわせなんてわかるわけじゃないけど、この時間は何かしあわせの感じがわかるんだよ"
"いいことじゃないか。もしかすると知らせかもしれないし・・"
"ちゃかさないでおくれよ。でも、ほんとなんだから。
しあわせはこうすればとか、なにかがあるわけじゃなくさ。う~ん、なにか空気のようにやってくる時にはやってくるような・・。
甘くたって悪くたって、そんなの関係ないような、そんな気がするんだよ。ただ、それは感じだけなのはわかるけど、それを感じる時だけはいろいろなしあわせを頭に思い浮かべることができるのさ。"
"どんなしあわせだい?"
"わたしの場合はやはり男。素敵な男とあたたかな家庭をもつことさ。
ふだんはそんなこと考えないけどさ、この時間には不思議とそんな甘い思いに期待がもてたりするんだよ。"
"神様になにも不可能なことはないからね。"
"そう、ただなんというか、そんなことじゃなくて、とても単純に夢はむこうからやってくるって。まるでクリスマスのプレゼントのように、朝なったらそこにあるみたいな不思議に現実味がたっぷりの夢を描けるわけさ。"
"毎日夢を描けてしあわせなもんだ"
"やっぱりちゃかしてる"
女は軽い声で笑って、
"でも、その時間はたしかにしあわせ。一日平凡に過ぎていく人もいるだろうけど、わたしはそんなしあわせの音を毎日聞いていられる。そう思うと、今のわたしもまんざらじゃないって思えるから・・・"
"俺もそんな夢を描きたいものだね"
"やっぱりわたしの夢はなにかとつながってる。そう思えるから、今はしあわせ。そう思えるから、明日また生きていける。"
"小娘がたいしたものだ"
"あ、ばかにしてるね。でも、いいわよ。わたしのしあわせは分けてやんないから。
また、明日鐘が鳴ったら、しあわせは夜空の奥からやってくる。ね、ロマンチックな女でしょ?"
"そうだね、まぶしいくらいに・・"

人々が眠りについた夜中にささやかれる会話。
多くの星が美しく輝くその下で、この通り以外にも美しい物語がたくさん生まれているのです。
そう、ここに書ききれないくらいに・・。

濃い唇がささやく言葉

2011-12-07 | poem
"あなたがわたしから目を離したら・・・、殺してあげるわ。
だから覚悟しておいてね。これがわたしの愛の誓い。"
鏡台にむかい、ネイルの艶を出しながら、女はそうほほ笑みます。
男はベッドに横たわったまま、目を細めて。
"ねぇ? そんな悲しい人生はイヤでしょう?
愛を口移しで教えてあげたのよ。これからはあなたが愛をお返しする番。"
ネイルを丁寧に塗り終わると、女はゆっくりベッドの中へ。
"この赤い爪はどうかしら? あなたをやさしくはっていくのよ。
ふふ、愛のあるうちは安心ね。
でも、あなたがほかの女にそのまなざしをむけるなら、この爪はあなたの血をほしがるかも・・。
なによりも濃いあなたの血をね"
女は爪を男の背中にはわせながら、
"こっちをむいて。わたしにそのまなざしをむけて。"
ふたりは口づけてして、
"もっと愛を口ずさんでほしいのよ。
うっとりするような愛の言葉を。
ねぇ、身体をほてらせて。あなたの献身的な愛で・・"
太い腕がゆっくりと女を包んでいき、
"永遠にあなたはわたしのものね。そのまなざしも、低い声も・・。
わたしはあなたなしでは生きれない・・。
愛を感じて。
わたしにイヤな血を流させないでね。
あなたの愛はいつもこの胸に居場所を求めていくの。そう、いつもこの中にね・・。"

美しい人魚の歌声

2011-12-06 | poem
静かな夜の海。ですが、水面はとても明るいのです。
月がとても近づいているかのように強いヒカリを海へと落としているから。
小さな岩場に人魚が腰かけ、ひとり悲しい唄を口ずさんでいます。
そして、時折涙を流しているのです。
すると、大きな野太い声が聞こえてきました。
"なにがそんなに悲しいんだい?"
人魚ははっとしてあたりを見回しました。しかし、なんの動きもない静かな海なのです。
また、唄を歌おうとすると、
"悲しい唄はやめて、楽しい心が躍る唄に変えてみてはどうかね"
人魚はまさかと上を見上げてみました。
すると、夜空の三日月が笑顔でこちらを見ているではありませんか。
"わたしは悲しい唄をうたいたいわけではありません。
でも、こんな唄を歌っていると、心が落ち着くのです。
楽しい唄や喜びの唄はわたしに落ち着きを与えてはくれないのでしょう。
たぶんわたしは悲しい生き方をしているから・・"
光り輝く月はさらに明かるさを増して、
"悲しいものというより、純粋な中になにかの癒しを得ているのだよ。
純粋なものは心に明るみを与えてくれる。
悲しみは心を澄ましてくれる。そんな純粋さにあなたは癒されたいと思っているのだよ"
人魚はさらに見上げて、
"だったら、純粋な楽しい唄をうたっていけるのかしら・・"
"そうだよ。なにも悲しい唄ばかりが純粋なものなのではないから。
心を澄まして、やがてほほ笑みに似た思いが浮かんできたら、それを唄にしてみればいいのだよ"
しばらく、人魚はなにかを口ずさんでいましたが、
"やはりわたしには無理かもしれない・・"
"夜は心を澄ませてくれる絶好の時間。静かな心に響くものを気長に探ってみることだよ。
慣れるまでは時間がかかるかもしれない。だけどきっと良い唄が君の中にできるはずだから"
"ありがとう、お月様。今夜はどうしてわたしなんかに話しかけてくれたの?"
"人魚の唄はとても美しいからさ。その中でも君の唄はとてもいい。
だから、悲しい唄ばかりじゃ、こちらまで身につまされてしまう。
聞いていて居心地が良くなる声だ。明るみをしっかり見つけて、いつもすばらしい唄をこの世界に響かせておくれ"
強い輝きの月にほほ笑みを返す人魚。
やがて、静かな海に響く人魚の歌声。それに導かれるように魚たちの群れが岩場をとりかこむ。
おだやかな美しい歌声に月の明かりもさらに純粋に明るみを増していくのです。