欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

長い旅路のひとかけらとして

2011-05-31 | prayer


人の良い面と悪い面。
どちらがどうと言えることはできませんが、良い面と付き合おうとすることはできると思います。
悪い面と向かい合うこともあるでしょう。しかし、自分の持ちうるもので良い面と向かい続ける努力はできるはずです。
悲観して毎日を過ごしていくことも、希望に胸をふくらませて生きていくことも、とどのつまりは自分の心持ち次第だと思うのです。
まわりを見ていて、気遣いが根本からできず苦い道を歩き続けている人もいます。
良い助言でなんとかなるのならいいのですが、そんなやさしい対応では根本の解決にはつながらない場合も・・。
よく"星のもと"という表現を使いますが、その人にとってそれを気づく長い旅路であるとはたから見ていて思うのです。
わたしにもその旅の内容がこの心や体に秘められているのでしょう。
そして、なにもできないながらも、その人に恵みが訪れるよう祈ることはできるのです。
なにか気休めのようですが、それが自分にできるベストなことだと今のわたしには思えるのです。そして、まわりを把握しての気遣いももちろん・・。
人と人の中で生きている毎日です。今日という時の中で知りえたこと・・。
また明日にもなにかがわたしの目の前でくり広げられるのでしょう。わたしのもとに訪れるものもあるのです。長い旅路のひとかけらとして・・。

扉に手をかけたあなたは・・

2011-05-30 | poem


扉に手をかけたのに、あなたはその扉をあけようとしなかった。
それは今までの悲しみを流すことができなかったから? それとも・・。
暗いところをもう抜け出せるというのに。これからは空の眺められる場所で生きていけるというのに・・。
あなたは扉に手を置いたまま、じっとなにかを待っている。耳をすましているように。感覚をすまして、なにかを待っているのです。

やがて、扉をたたく音がむこうから・・。
そして、あなたの瞳があいたのです。
はいと力なく。そして、むこうからの言葉を待っていたのです。
さりげなく息をついて、あなたはその扉をひらきました。まるでいままでのとまどいなどなかったかのように・・。
笑みさえ浮かべて、扉のむこうから入ってくるヒカリを受け入れていたのです。

そこに待っている人は、あなたをそっと胸へいざなって。
やさしい抱擁の中で、あなたは空を見上げたのです。
鳩が屋根の上から空へと飛び立っていきました。数多くのバラが庭先で色を輝かせています。
ゆっくりとふたりで歩いていきながら、交わす言葉もなく・・。

雨上がりの道はぬかるみもあり、大きな水たまりが時折ふたりの行方をはばみますが・・。
となりにいる人があなたの手をしっかりと支えてくれ、導いてくれるから。少しずつ先へ進んでいけるのです。
気遣う言葉に笑みを返し、あなたはこうつぶやくのです。
"胸の中に息づくヒカリ。天から愛がこうして今わたしの自由を授けてくれて。ヒカリに向いてこれから。
これからも彼方の愛がいつもわたしたちに降り注いでくださいますように・・。"

わたしという時

2011-05-30 | poem
わたしたちには父と母がいます。このふたりの人間がいて、わたしという生命が生まれてきたのです。
父は厳しくこの世界で生きていく知恵を授けてくれました。
母はこの世界にある愛について身をもって示してくれています。
こうしてわたしはこの世界での生き方を自然に身につけていったのです。

頭を使って何事も割り切っていくのは、ある意味自然の成り行きだと思います。
ですが、叡智は知性では解けない壁をも用意しているものです。
そうなると心が人の生きる道となりうるのでしょう。
たとえ理性で行きゆかないことでも愛が解決できることは実に多いはずですから。
冷たい知性が必要な時もあります。それと同じようにあたたかな愛が必要な時もあるのです。

ここは複雑な世界ですが、ひとつ確かなことが言えるのは、どんなことがあろうと自身のためになるということです。
それが感じられるようになるまでは、もしかするとこの世界に嫌気がさすかもしれません。
ですが、そこで思いとどまることはこの後(のち)賢明な選択になるでしょう。
絶望感にかられた時は純粋なるもの、創造の主に近いものに触れるといいです。
自然の造形物に触れることも・・。
どんなものが希望を発してくれるか、それは人それぞれ、ケースによっても違うでしょう。
ですが、願っていれば必ず明るみは訪れてくるものです。

刹那的な短絡的な考えは早く切り替えるべきだと思います。
奥深い、静かな泉のような想像力がこれからの生きる力を与えてくれます。
落ち着ける場所を探すことです。心を自然体に戻して、これからの希望を探していくのです。
あなたの中に秘められている才能・・。それは今まで使ったことがないかもしれない。
しかし、自分でも驚くような人のなせる力が、あなた自身に感じられる時がもう迫っているのかもしれないのです。

耳を澄ましましょう。心を鎮めることです。静かに静かに、わたしという時がなにかを知らせてくるはずですから。

生きていく希望のヒカリ

2011-05-23 | poem
どうして生きているのか? そんなことすらわからなくなることがあります。
人からそう問われて、わたしはいったい何と答えたらいいのかわかりません。
ただ言葉につまり、相手の気持ちをくんであげようと・・、それくらいのことしかできないのではないのでしょうか。
こうすればしあわせに生きていける。これがヒカリのある道だと誰が諭せるのでしょう?
相手に言われた言葉をもう一度自分に問いかけてみて、そこに答えが出ないことに憤りをおぼえることもあるのです。

確かに漠然とした言葉によってなにかの救いを与えられるほど、この世界は単純なものではないでしょう。
しかし、なにもないという灰色の絶望がこの先に横たわっているわけではないことも事実のような気がします。
なにが待ち受けているのか・・。それは誰もわかるわけではありません。
しかし、真摯な生き方、純粋な希望によってこれからは大きく変わっていくということはあるはずです。
それは気休めの言葉でも、わからない絵空事でもないような気がしています。

こうして今生きている間にもいろいろな流れが巻き起こっています。
誰ともしらない人の今にもいろいろなことが起きているのです。
そこには偶然という必然の機会も用意されているでしょう。
不思議なとり合わせによって、わたしたちの世界は複雑に形成されているはずです。
その根底に流れるものは・・。そこに気を向けてみれば、生きるためのすこしの希望にはなるのではないでしょうか。

わたしたちはいつも見守られていることに気づかなければなりません。
他人の人生を自分に当てはめることは容易なことですが、人それぞれに生まれ持ったものというものがあります。
誰のものが正当で、誰のものが標準で・・。そんなものはあるわけではありません。
あなたがここにいるということはあなた独自の奇跡なのです。それは人の頭では考えられない叡智の結晶でもあるのです。
あなただけではない、この世界のあらゆるものがそうなのです。そして、そこに大きな愛が存在することも・・。

いろいろなものを見たり聞いたりすることはひとつの成長になります。
また、未知なるものに思いをはせることも大切なひとつの勉強なのです。
宇宙のかぎりない大きさをご覧なさい。あらゆるものをひとつのものとして括ることのできないなにかに思いを向けてみましょう。
そして、なにかわからないということに希望を見いだしましょう。それはとても自然なことなのです。
人の小さな頭で割り切った答えは所詮小さな縦割りの意見になりがちです。それを正しく理解しておく必要があります。
そして、こんな小さな存在にできる可能性にも思いを向けてみましょう。そう、そこにこそ人の努力が報われるヒカリがあるのですから。

あなたの希望は夜に空を見上げることですこしは広がっていくのかもしれません。
美しく明るいその空の輝きを、自身の希望として受け入れるのはとても良いことだと思います。
そんな星空に祈りを捧げることも・・。
そう、いずれわたしたちを見守る大きな愛がそのむこうに見え隠れしていることを感じられるようになるでしょう。
それまでは・・。これが希望のヒカリだというのは難しいですが、今のわたしには夜空のむこうにあるものを感じましょうと。それくらいのことしか言えないのです。

人の居場所という響き

2011-05-23 | poem
人には必要ななにかが心の中に大切に秘められているものです。
それを見失いかけた時、いらだちや不安、恐怖を感じ、意思になにかを告げることがあります。
生きるのに必要なものを第一に考えるのは人として当たり前のことです。
しかし、心の糧となるものを時折見失いがちになるのは、流れの速い現代のひとつの弊害とも言えるでしょう。
心が立ち戻る場所があることを、なにかの導きによって知ることになるのです。
用意することもなく、抵抗も感じず、この響きに感覚の中で居心地の良さを感じられるなら・・。
そこはあなたにとって必要な心の居場所ということになるのでしょう。
古い昔から噤(つぐ)まれてきた、人の居場所ということにこの響きはなるのでしょう。



The Tallis Scholars  ~requiemより~


愛が降り注がれる時

2011-05-16 | poem
雨が降り続き、彼女はやがて教会の前までやってきました。
足を止めたはいいけれど、そのドアを開けようとはしませんでした。
なぜならこんな人の顔すらろくに見れない自分になんて、だれもかまってはくれないだろう・・と。
肩にしずくを垂らしながら、彼女はそのまま歩きはじめたのです。
その時です。少年が彼女のコートをにぎり教会の方へと連れて行こうとしたのです。
彼女は小さな抵抗をしました。しかし、次の言葉で不意に心が軽くなったのです。
"お姉さん、頼むから一緒に行ってよ。僕、お母さんの約束を破ってしまったんだ。"
彼女はなすがままに少年と教会の中へ。
そこには年老いた神父が何本かのロウソクを灯し、祈りを捧げていました。少年のことは知っているようで、少年といろいろ話をしていました。
そして、彼女のことに気づいて、
"この人はどうしていらしたね?"
少年に問うてみても彼女の顔を見上げるばかりです。
"わたしは・・。いいえ、失礼します・・"
そう言って後ろを向きかけた時のこと。
"コートを脱いでしずくを払いなさい。ここで静かに祈れるように。あなたは導かれてやってきたのでしょう。"
彼女は神父の言葉がわかりませんでした。悲しげな自分の姿が哀れみを誘ったのだろうと・・。
しかし、神父にはなにかのささやきが聞こえていたのです。
彼女のことを見守る愛がここに導いてきたことを・・。
これは彼女にとって新たなはじまりでした。彼女の意思とは違う、大きな愛が頭から降り注がれていた、まさにその時であったのです。
まだ祈ることもしたことがない、そんな彼女の祝福のはじまりだったのです。

真夜中に空を横切っていく物影

2011-05-15 | poem




ベッドに寄り添い、切れ長の目でやさしい言葉をつぶやいている。
胸に黒いヒカリを宿して、純真な輝きを得ようとする者のささやき・・。
窓からの月明かりがいっそう女を魅惑へと引きつけ、口元に浮かぶ冷たい笑みにも気づかず。
しなやかな腕に身をゆだねている。求めるものが同じではないことをまだわからずに。
壁によりかかり、力なく虚空にむかい詩を謳う男。
彫りの深いその奥のまなざしには堅い意思がうかかえる。その日暮らしの男に与えられた恩恵。
天から声が聞こえるというのに、湿っぽい裏路地を行く者にピュアな響きが伝わるはずもなく。
たとえ話しかける者がいたとしても、曲がりくねった意思の羅列が邪魔をして正気さえうかがえるものではなく・・。
それでも天からの響きはそのまま口にして、言葉のわからぬ鳥や猫がその響きに潤いに感じている。
ひとりでたたずむ男のまわりに、月明かりがどこよりも強く降り注がれていることは男自身すら気づいていない。
母親のそばから起きだし女の子はなにかを感じて、窓のそばへ。
ぶ厚いカーテンを開けると、まぶしいばかりの月あかりが・・。そして、空に横切っていく者の姿を・・。
まだ眠い目をこすりながら、その者の姿を追いかける。
すると、羽をはやしたその男が、すうっと女の子のそばまで近づいてきた。
緊張と気後れ。しかし、不思議と怖さを感じず女の子は手をふってみた。
窓のむこうで浮遊している男は月を指さし、ウインクして、また飛び立っていく。
山と山の合間へ。姿が消えたあとに残ったは深い夜の闇と静けさだけ。
朝になり、女の子は昨夜の出来事をみんなに話して聞かせた。
しかし、男の姿を見てない人々はかわいいまやかしと笑うだけ。
女の子の胸に刻まれた示しと恩恵を信じることもなく・・。

星からの愛を喜びにして

2011-05-14 | poem



親のいない子が小さなぬいぐるみを抱え街をさまよい歩いています。
外灯の下であやしげな会話を続ける恋人たち。ショーウインドに輝くのは切れ長の目をした女の涙のような宝石。
硬い石畳を歩いていくと、店じまいをはじめた花屋が・・。
じっと立って見つめる少女の姿をやさしいまなざしでむかえる若い女。
"ほら、きれいでしょ? これを持っていきなさい。あのお星さまからのプレゼントよ"
そう言って小さなバラをぬいぐるみとともに持たせて。
笑いもしない少女の頭をなでながら。
"そんな顔をしていちゃいけない。ヒカリがあなたの明日をつくってくれるから。
かわいいあなたの顔にもほほ笑みのこぼれる日が・・。
早くお家に帰りなさい。愛を分けてくれたお星さまが上から見守っている。"
夜を迎える街角。
いろんな暗い思惑があらわれては消える街の中を、少女はすりぬけて家へと帰っていきます。
胸に抱いたぬいぐるみと小さなバラがお守り。星からの愛を本当の喜びにしていける明日を待ちわびて・・。

星のもと、ふたたびめぐり逢う奇跡

2011-05-14 | prayer



ひとときの別れを悲しみとともにむかえるのは自然なことです。
ですが、悲しみの中にいつまでもひたっているのは自身のためでも世界ためでもありません。
人もこの大きな天空に流れるひとつのヒカリです。
星々の出会い別れ、それを繰り返しながら自身の定めを負う旅です。
ひとときの別れがきても、再び逢う機会は用意されています。星と星との流れの中で自身の必要な時に・・。
天空を動かす大きな意思がわたしたちを常に見守っています。時に悲しみや受難を用意し、そこをのり越えることでなにかをささやきます。
今は意味がわからなくても、やがてすうっと理解できる時がやってくるでしょう。
どんな時にも"そうです、そうです"と言いましょう。大きな天空の動きによってわたしたちはひとつひとつの定めを負い生きていく旅・・。
ヒカリがあるかぎり、それは親の愛のような明るさでわたしたちを育み生きていくことを可能にしてくれるでしょう。
ヒカリと闇、そこに広がる世界の中でわたしたちが体験していくこと・・。
大きな流転する世界、その中で自身はひとつのヒカリとして輝いていかなければならないのです。

別れもまた必然の出来事、ですが、そこにあざむきや仕打ちのような力が働いているわけではないことを心に刻んでおく必要があります。
大きな世界を動かす、その力は父や母のような愛でこの世界を形作っているのですから。
輝きが深みを増すため闇の力も借りつつも・・。
大きな信頼とともに、何事にも"そうです、そうです"と、ひたむきに自身の旅を続けていきましょう。
あらゆる惑わしや疑念の届かぬ力がいつも自身のそばには働いているのですから。
自分の頭ではまだ理解できなくても、この世界の啓示がやがてすこしずつ見えてくるはず。
その時まで、喜びすらともなう旅路を・・。
暗闇におびえることなく、ひとときの別れや悲しみにふさぎ込むことなく・・。
自身の星のもとを、ふたたびめぐり逢う奇跡を信じて旅を続けましょう。
今日もその足で。"そうです、そうです"と素直な祈りを口づさみながら・・。

胸に宿るペンダントと同じ形のヒカリ

2011-05-12 | poem
"悲しみをどう乗り越えていくか?"
ロウソクの明かりで手紙を書いている時です。
わたしのとなりに誰かがいるのを感じたのです。
声の方向を見てみても、誰もいません。そこには夜の暗がりがあるだけです。
わたしは手紙を書き進めていました。
すると、また声が聞こえてきたのです。
"悲しみをどうして拭っていくのか?"
わたしは暗闇を凝視しました。
"君にはなにも見えやしない。しかし、この声は届いているはず・・"
声の正体を聞いても、それに対する返答はありません。
わたしは緊張したまなざしをまた手紙へと向けました。
"愛やつながりがどこまで続くか・・"
"なにが言いたいのです?"
"君の目はまだ覚めてはいない・・"
わたしは首をふり、そこを離れようとしました。
"愛のことをもうすこし知りたいとは思っている・・"
"あなたは誰です?"
それには答えず、
"やがて、愛のことを考えさせられる出来事がやってくる・・"
"では、その時でけっこうだ"
"これだけは言っておく。冷めた目を持っていることだ。
現実が幻想かなにかだと思えるだけの冷たさと余裕を持っていることだ。
その無垢な心が破壊されないように・・"
わたしは部屋を後にしようとしました。後ろの方で遠くなる声。
最後に聞こえたのは・・、
"時が近づいている。人の生命が軽んじられる夜が続いていく。
そこでもヒカリはめまぐるしく放たれるが、無垢な心が五感によって麻痺させられていく。
素直すぎる心があだになる時代。寒さをしのぐ服も身につけぬまま雪の季節をむかえようとする人々・・。
身を守る術をまだおぼえていないというのに・・。ましてこの時期に真冬はやってくる。空気がきらびやかに舞い散る寒く冷たい冬の季節が・・"
廊下を歩いて行きながらわたしは胸に手を当てていました。
ほのかなあたたかさを感じながら、廊下の窓から果てしない夜空を見上げたのです。
鋭く尖った月が異様に輝いていました。
空を身近に感じられる時。部屋で聞いた冷たい言葉が頭をよぎりましたが、それ以上に身につけているペンダントの形に勇気と明るみを感じていたのです。