オセンタルカの太陽帝国

私的設定では遠州地方はだらハッパ文化圏
信州がドラゴンパスで
柏崎辺りが聖ファラオの国と思ってます

『風雲児たち6』。

2007年04月21日 04時02分50秒 |   風雲児たちindex.

 

風雲児たち6 【蘭学黎明編2】☆ (1984年4月2日刊)

   ~海から来た男

表紙絵;大活劇のベニョヴスキー男爵
裏表紙絵;ジャパンのショーグン瓜守と面会するベニョヴスキー

第一章 放浪の異国人  (24ページ)
トビラ;長ノ名
ハロンモリツアラアゾルハンベンゴロウ 一名ヲウス
時期;明和8年(1771)7月
登場人物;モーリッツ・アラダール・フォン・
ベニョヴスキー男爵、船員たち、阿波の奉行、蜂須賀藩主、蜂須賀藩家老
エピソード◎世界航海史上もっともわけのわからん人物/◎男爵と船員たちのかけあい/◎ベニョヴスキーの波乱の半生(流刑、カムチャツカで反乱、反乱の大義はエカチェリーナ2世の征討、ジパングを目指す)/◎ベニョヴスキーの聖ピョートル号、阿波に出現/◎阿波の奉行とベニョヴスキーの珍妙な問答(ローマ帝国の海軍司令官を名乗る)/◎船乗り同士は心が通じ合う/◎阿波蜂須賀藩の事情(蜂須賀騒動、幕府による異国船の対処方法の指示)/◎水食糧だけ与えて即刻立ち去らせるべし、蛮人が蜂須賀藩の対面を汚すようなことをするするようなら一人残らず打ち殺すべし

第二章 土用丑の日 (26ページ)
トビラ;鳴門の渦潮
時期;
明和8年(1771)
登場人物;
阿波の奉行、ベニョヴスキー、船員たち、阿波の船乗りたち、杉田玄白、前野良沢、平賀源内、うなぎ屋さん
エピソード◎聖ピョートル号に乗りこむ阿波の役人/◎交渉/◎断固とした態度を示す阿波の奉行/◎ベニョヴスキー、王様宛ての書状を渡す/◎「異人にはかかとが無い」の俗説について/◎ベニョヴスキー、土佐へ/◎ベニョヴスキー長崎を目指す→奄美大島に流れ着く/◎奄美大島で「世紀の大問題のお手紙」を投函、長崎のオランダ商館宛て/◎あさって土用の丑の日/◎江戸城にベニョヴスキーの手紙(阿波藩と土佐藩に宛てられたもの)が届く

第三章 ベニョヴスキーお手紙事件 (24ページ)
トビラ;
江戸の町を闊歩する風雲児たち(前野良沢、杉田玄白、中川淳庵、司馬江漢、ベニョヴスキー、船乗り)
時期;
明和8年(1771)3月4日
登場人物;
前野良沢、杉田玄白、中川淳庵、峰子ちゃん、前野良沢の家族たち、長崎通詞たち、幕府の役人、カピタン、オランダ商館員
エピソード;
◎もはやなにがわからないのかもわからない状態で錯乱する前野良沢/◎分からない箇所には【○に十】(←轡十文字;島津家の家紋)を書き入れていくことにする/◎分からない箇所ばかりで轡十文字だらけ/◎けなげなしい峰子ちゃん/◎スポンギウス(黄色くて穴が空いたもの)とポルダァ(オランダ人は海と戦ってポルダァとした)とゼィー(ラントではないもの)とラント(ゼィーではないもの)/◎中川淳庵、初めて役に立つ事を言う/◎普段家族をないがしろにしていた前野良沢/◎ベニョヴスキーの手紙を長崎通詞に読ませようとする(長崎通詞はつい最近まで外国文書の読み書きを禁じられていた為解読出来ない)/◎政道に怒る通詞たち/◎大通詞西善三郎の思い出/◎長崎出島の様子/◎オランダ商館に解読を頼みに行く通詞たち/◎退屈で死にそうな長崎商館員たち/◎ベニョヴスキーの手紙の内容の全貌

第四章 ベニョヴスキーほら話 (24ページ)
トビラ;エレキテル
時期;
明和8年(1771)
登場人物;ベニョヴスキー、船乗りたち、幕府の役人、通詞たち、カピタン、オランダ商館員、波瀾の英雄イェルマーク、ピョートル大帝、架空の美少女アファナシア・ニーロワ
エピソード;◎ベニョヴスキーの手紙の内容=ロシア海軍の日本征服の警告/◎口の堅い(笑)オランダ商館員/◎ベニョヴスキーの手紙の胡散臭さを早くも見破るオランダ人たち/◎敢えてこの手紙の幕府への刺激を期待する/◎イェルマーク物語/◎ピョートル大帝のシベリア遠征/◎マカオのベニョヴスキー/◎フランスへ戻ったベニョヴスキー一行/◎裏技を用いてベニョヴスキー、マダガスカル総督に就任/◎ベニョヴスキー、自伝を執筆/◎破天荒なベニョヴスキー自伝の内容

第五章 不動如莫迦 (27ページ)
トビラ;
特別附録ニーロワちゃんうっふんピンナップ
時期;明和8年(1771)~明和9年(1772)2月
登場人物;
ベニョヴスキー、ニーロワちゃん、ジャパンの領主瓜守、老中たち、田沼意次、杉田玄白、中川淳庵、前野良沢、平賀源内
エピソード;◎ベニョヴスキーの日本での冒険/◎じつにきさくで明晰な頭脳の瓜守将軍と義兄弟の契りを結ぶ/◎「白鯨」の情景描写/◎ベニョヴスキー自伝大ベストセラー/◎架空の美少女ニーロワちゃんマカオで死亡の場面は演劇化/◎1789年、ベニョヴスキーの不慮の死(部下の反乱)/◎その記述がでたらめなことが暴かれ、日本以外では忘れ去られる/◎江戸城秘密老中会議/◎何もしないという事で決まり/◎江戸幕府の蝦夷地の大原野の防御的役割の過大評価/◎幕末まで変わらなかった幕府の諸外国接近に対する基本姿勢/◎明和9年=「め~わく」な年/◎田沼意次老中に昇進、実権を握る/◎前野良沢の娘の葬儀、娘への供養に医学の発展を誓う/◎休み無く続けられる翻訳事業/◎田沼が老中になったから各地を飛び回る平賀源内/◎明和2年、幕府『紅毛談(おらんだばなし)』を弾圧=理由;おらんだいろは(アルファベット)26文字が解説してあったから/◎たあへるあなとみあは出版できるのか?

第六章 目黒行人坂大火 (25ページ)
トビラ;
目黒行人坂火災絵巻(部分)
時期;明和9年(1772)2月29日~宝暦5年(1755)
登場人物;
前野良沢、杉田玄白、中川淳庵、平賀源内、長崎に留学したときにお世話になった通詞さん、田沼意次、御典医千賀道有
エピソード;◎目黒行人坂の大火(原因は僧のつけ火)、江戸の1/3を火の海に(死者1万数千←振り袖火事に比べると少ない)/◎カピタン江戸入り。長崎通詞に会いに長崎屋に行く/◎分からない箇所を通詞に聞く/◎通詞にもわからない/◎愕然とする前野良沢「もう誰にも教えを請う事ができないのです…」/◎田沼意次と平賀源内の関係/◎平賀源内、田沼意次に大坂よりも江戸が優位に立つ方法を進言する

第七章 江戸城と田沼意次 (24ページ)
トビラ;
田沼意次の顔のアップ
時期;明和9年(1772)
登場人物;
田沼意次、平賀源内、徳川歴代将軍、堀田正俊、徳川吉宗、徳川家重、徳川家治、司馬江漢(鈴木春重)、峰子ちゃん
エピソード;
◎田沼意次の本音と建て前/◎「士農」を捨て「工商」に掛ける田沼の意気込み/◎江戸幕府8代目までの後継者問題/◎ただの小姓のこせがれだった田沼意次が異例の大出世ができたわけ=吉宗が将軍になったから/◎田沼意次、享保の改革を振り返る;今は同じやり方ではムリ/◎「御三卿」の誕生;遠い親戚(御三家)より近くの親戚(御三卿)/◎田沼、白痴の将軍家重の右腕となる/◎権力は握ったが、幕政のひずみが大噴出/◎翻訳事業の参加希望者増える/◎杉田玄白、平賀源内にたあへるあなとみあの出版について相談する

第八章 ここ掘れワンワン平賀源内 (28ページ)
トビラ;
どこかの風景の浮世絵
時期;明和9年(1772)
8月
登場人物;
御典医千賀道有、杉田玄白、平賀源内、前野良沢、良沢の家族、峰子ちゃん、中川淳庵、司馬江漢
エピソード;◎意外にも翻訳事業に好意的な千賀医師/◎田沼意次にも翻訳書を一部贈呈/◎平賀源内が嫌いな前野良沢/◎翻訳書の出版のメドがついた事を喜び合う/◎前野良沢と杉田玄白の性格の違い/◎大火のあとの連続超大型台風/◎田沼意次の人気急落/◎司馬江漢の人体図、没になる(ヘタクソ)/◎図版絵師の選定に悩む/◎秩父鉱山の採掘を主張する平賀源内/◎誰も源内の眼力を信じない/◎秩父鉱山の潜在力が確認され、源内の眼の確かさが認められたのは昭和12年

……ベニョヴスキー!
こういう、「おもしろ半分で国をゆるがす大事件」をしでかす「知られざる歴史人物」を描いて、このマンガの右に出られるものはありません。ベニョヴスキー、愉快すぎ。
「ウソをつくことだけが生き甲斐」というこの人物には、とても憧れます(私も常日頃ウソばかりついていますからね)。しかしそのためにわざわざ鎖国の日本まで来てしまったというのがすごいです。
不勉強にして、わたしはこの“ほら吹き男爵”ベニョヴスキーという人物についてまったく知らなかったのですが、彼について読める本は、東洋文庫の『ベニョフスキー航海記』と、マンガの中でも紹介されているドナルド・キーンの『日本人の西洋発見』とかないのでしょうか?(どっちも未入手)

まだ中間点ですが、この巻の冒頭でまだまだほとんど翻訳作業が進まぬことに苦しんでいるのですが、終わりの方ではその作業が順調になり、スイスイ進んでいく事に隔世の感。このマンガでは前野良沢と杉田玄白と中川淳庵がドタバタ悩んでいる場面ばかりが印象的なのですが、ほんとは翻訳に掛かった時間は1年半(とちょっと)なんだそうです。これがどれだけすごいことか。
それから平賀源内!
江川太郎左衛門もそうですが、このマンガは「結構名前は有名だけと何をやったから偉いのかいまいち良く分からないスゴイ人間」を描く事についても、おもしろさにかけて右に出る物は無いですね。平賀源内の偉業についてはすでに前巻で紹介されていますが、今巻の方がすごさがじわじわと感じられる。とりわけ浜松に隣接する遠州地方の出身者としては、「土用の丑の日」を発明してくれた源内大先生を、神の如くあがめたてまつりたいぐらいです。次巻以降の源内を思うと、泣けてきます。

また、このマンガでは源内の顔の作りがとてもいいですね。
アゴが大きいのが特徴ですが、口元だけでいろいろな表情が出来る、まさしく天才です。この表情は「若い頃」の源内らしいのですが、次巻に源内はグッと老け込みます。しくしく。

あとは、ヒマでヒマでしかたのない長崎出島のオランダ人たちの様子がおもしろかったです。

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2 コメント

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Unknown (さがみ)
2007-04-26 05:41:23
あの、外国人!
漂流者が来狼狽する某藩の様子から始まって
ギャグの嵐でした。
あのウソの満ち溢れたストーリーが見事に美化されてしまう過程も見事にあのマンガの中で書かれていましたよね。

それから、玄白シリーズ
このあとながーく出てくるのですが
どこか「おそ松くんのチビ太風」の玄白が
いい味を出していました。
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チビ太(^^) (麁鹿火)
2007-04-29 13:56:05
さがみさん、コメントありがとうございます。
さがみさんはチビ太さん(杉田玄白)の方が気になったんですね。
私が気になったのはやっぱり前野良沢の方でした。

このマンガでは、読者に好みを前野良沢か杉田玄白(&平賀源内)かの選択を強いる要素があって、とても心迫りました。わたしは前野良沢のように生きたかったです。
続刊の『強情解体新書』と『さらば源内』は、私は読むたびにひどく号泣しますので、どう感想を書こうかと悩んでおりました(^0^;)
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