読書感想文。

メインは読んだ本の記録です。

「まず石を投げよ」を読んで。

2009-08-18 12:36:41 | 作家さん/か行
久坂部羊さんの「まず石を投げよ」を読了しました。

非常に暗い作品だろうと思いながら読んだのですが、それほどでもなく満足度は70%です。

『「いいえ。もうけっこうです」好江はきっぱりと言った。「どう説明を聞いたところで、母はもどってこないのですから」
思いがけない拒絶の強さに、綾乃は衝撃を受けた。自分はふつうの人間で、これ以上の重荷には耐えられない。このつらさがわかるなら、そっとしておいてほしい。それが好江の心の叫びのようだった。』

「真実」は大事かもしれませんが、私もひどい真実なら知りたくないと思うかもしれません・・・。

「事実をじっと受け止め、傷が癒えるのをただひたすら待ちたいと思う人もいるだろう。人には真実を知る権利があるのと同じく、真実を知らないでおく権利もあるのだ。」

以前はイエスかノー、白か黒がはっきりさせるのが好きでした。
でも今は間のグレーゾーンを選ぶことが多くなってきたような気がします。

大人になったのか、単に臆病になったのかは分かりません。

それでは、また。