読書感想文。

メインは読んだ本の記録です。

「ナラタージュ」を読んで。

2008-12-12 08:14:22 | 作家さん/さ行
島本理生さんの「ナラタージュ」を読了しました。

恋愛モノっぽかったので読めるかどうか不安でしたが、想像していたよりは面白かったです。
ただラストはあまり好みじゃなくて、満足度は70%です。

「君よりも苦労してがんばっている人がいるんだから君もがんばれ、なんて言葉は無意味で、個人の状況を踏まえずに相対化した幸福にはなんの意味もない。」

他人と自分を比較して落ち込みそうになったら、このセリフを思い出したいです。

「生まれたときから一緒だった肉親はとにかく、そこまで赤の他人に寄り添うことができるんでしょうか」

本当に誰かを愛せれば分かると言いますが・・・。

「なんて表現すればいいのか分からない、曖昧なことをびしっと言い当ててくれる本に出会ったときは感激する」

これには非常に同意です。
モヤモヤしたもどかしい気持ちがすかっと晴れる作品に出会える確率は低いですが・・・(汗)

「たとえ誰かのせいで不幸になったとしても、人間は基本的に自由なんだから、その不幸から抜け出す努力をすべきなんだよ。死ぬまで誰かのせいにしていたら、なんのために生きていたんだか本当に分からなくなる」

これも責任転嫁しがちな思考パターンに陥った時には思い出したいセリフです。

それでは、また。