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STARLIGHT NIGHTS

信州・塩尻から発信・・・   星空と美しい風景、そして美しい音楽とともに!

3・11のマーラー

2012年03月11日 | 音楽(コンサート)
NHKで「3・11のマーラー」を見た。
震災による混乱の中、NJPのツィッターで、この日の公演を決行することを見て、その時かなり驚いた覚えがあります。なぜ公演を決行した(できた)のか?
帰宅難民が出た東京。チケットが完売されていても来場できたのは105人だったそうです。
番組では、演奏者(東北出身者もいました)、指揮者ハーディング、裏方、それに当日来場したお客からのインタビューをもとに構成されていました。ハーディングにとって、生まれて初めての地震体験。会場に向かって歩いている時だっだそうです。そのハーディング。公演決定後、遅れて始まったゲネプロでは、地震による動揺もなくオケを掌握されていたとのこと。特殊な環境のもと、素晴らしい名演だったことが伝えられています。
番組を通して、この日の演奏がそれぞれの立場(演奏者・指揮者・来場者…)にとって、本当に希有な体験だったこと・・・いろいろと考えさせられました。

ハーディングは、この経験を踏まえて、今年のサイトウ・キネンに来ます!

♪ 松本バッハ祝祭アンサンブルⅢ

2012年02月12日 | 音楽(コンサート)

○日時 2012年2月11日(日)12時30分~13時30分(講演)
               14時~15時45分(演奏)
○会場 松本市音楽文化ホール小ホール
○演奏 松本バッハ祝祭アンサンブル
    指揮・チェンバロ 小林道夫
    講演 磯山雅
○講演 わかれば楽しいフーガの技法
○曲目 J.S.バッハ フーガの技法BWV1080
    自筆譜にもとづく松本バッハ祝祭アンサンブル版
○編成 ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オーボエ、オーボエ・ダモーレ、オーボエ・ダカッチャ、ファゴット、チェンバロ

 ここ音文で行われたブランデンブルク協奏曲、管弦楽組曲に続き、今回は第3弾としてフーガの技法が取り上げられた。フーガの技法・・・ちょっと難解な曲です。
 冒頭行われた、磯山先生によるレクチャーから・・・
 バッハ晩年の曲。作曲にフーガを多用したバッハの曲の集大成で、これを出版し、次代に伝えようという曲として作曲された。楽器の指定はない。コンサート用に書かれた曲ではない。最後の三重フーガは未完成に終わった。この最後の曲は、フーガの技法の主題を使っていない。3つ目のフーガは“b-a-c-h”。未完の部分のあとに、さらに元のフーガを重ねて四重フーガに発展させ曲を終結させることを見込んでいたのでは?という推測がある。(バッハすべての曲にあてはなるが)人間の耳を超えたところに照準を合わせているようだ。声楽曲の集大成は、ロ短調ミサ曲で、フーガの技法は器楽曲の集大成といえよう・・・
(講演のメモより)

 曲ごと編成が変わり、変化があって面白かったです。オーボエ・ダカッチャは、楽器が湾曲した形で初めて間近でみました。オーボエとの音色の違いもハッキリ!
 小ホールのデッドな響きが残念でしたが、講演を聴いて、演奏を聴いて、バッハの偉大さを改めて感じました。
やはり最後、3つ目のフーガが重なったあと曲が途切れ、バッハ晩年に口述で付け加えられたというコラール曲で感動的な場面となりました。


最後に、磯山先生、小林先生、コンサートマスターの桐山さんからサインをいただきました。(CDは、小林先生のチェンバロですが)







♪ サロンコンサート 67th

2012年01月29日 | 音楽(コンサート)
市民タイムス塩尻ホールで行われているサロンコンサート。今回で67回目という。
久しぶりに聴きに行ってきました。

ヴィヴァルディの「四季」全曲をヴァイオリン2本とピアノで演奏するというプログラム。
曲の構造がよく分かり楽しめました。
ヴァイオリンの平波姉妹。以前に増して大きな演奏を奏でていたようです。

休憩時間の、豆工房のコーヒーとケーキ工房「リュミエール」のおいしいケーキも堪能しました。

次回はヴィオラによるフランクのソナタ。これも楽しみ。


○日時 2012年1月29日(日)14時00分~16時10分

○会場 市民タイムス塩尻ホール

○演奏 ヴァイオリン:平波華映、平波智映、ピアノ:木内栄

○プログラム
    スカルラッティ作曲 ピアノソナタト長調 Kk.146
ヴィヴァルディ作曲 2本のヴァイオリンとピアノのためのコンチェルト作品3‐5 RV.519
    ヴィヴァルディ作曲 協奏曲「四季」(春、夏、秋、冬)
    モーツァルト作曲 ピアノのためのロンドKV.485
    J.S.バッハ作曲 2本のヴァイオリンのためのコンチェルトニ短調 BWV.1060
 アンコール:J.S.バッハ「主よ人の望みの喜びよ」


♪ 立川叔男&筒井一貴 ニューイヤー・バロックコンサート

2012年01月04日 | 音楽(コンサート)



○ 日時 2012年1月3日(火)14時~16時15分
○ 会場 あづみ野コンサートホール
○ 演奏 立川叔男(バロックギター、18世紀ギター、中世フィデル、ハンディングフェレ、ハーディーガーディー、バロックリュート)
筒井一貴(クラヴィコード)
○ プログラム
サンス作曲「ハカラス」
チマローザ作曲「ソナタ」
スペイン王アルフォンソ10世作曲「聖母マリア頌歌」
ルロワ作曲「ブランル」
オットテール作曲「行進曲」
ヴァイス作曲「チャコーナ」

ハイドン作曲「皇帝賛歌の主題による変奏曲」
モーツアルト作曲「グラーフのオランダか歌曲による8つの変奏曲」K24
J.S.バッハ作曲「コラール集」より
モーツアルト作曲「ウィーンソナチネ」第6番

  筒井さんのクラヴィコードは昨年に引き続き聴く機会となりました。立川さんは初めて。6種類の弦楽器(發弦楽器)を使い分け、中世からルネサンス期の音楽を当時の楽器で聴くことができました。実に珍しい貴重な機会でした。
 おふたりとも、演奏された楽器のこと、冬至の演奏方法のこと、作曲者や曲のことなど、トークを織り交ぜて分かりやすいお話しを交えて、演奏時間だけを考えれば結構長いコンサートになりました。そうした時間もあっという間。ホールの空調も止め、40人ほどのお客さんもとても静かに聴き入っていました。素晴らしい音楽空間を教諭できました…。


♪ ウィーン室内合奏団

2011年11月23日 | 音楽(コンサート)

○ 日時 2011年11月23日(祝)14時分~16時
○ 会場 松本市音楽文化ホール小ホール
○ 演奏 ウィーン室内合奏団
○ プログラム
     ドヴィエンヌ ファゴット四重奏曲第3番ト短調作品73-3
     モーツアルト ディヴェルティメント第7番ニ長調K205
     シューベルト 八重奏曲ヘ長調D803
  アンコール
     J・シュトラウス ポルカ・シュネル「大急ぎで」作品230
     J・シュトラウス ポルカ・シュネル「スポーツ・ポルカ」

ここ音楽文化ホールが去る6月30日の地震により被害があったため、主ホールが当分の間使えません。当初主ホールでの開催だったのですが、被害のなかった小ホールに会場を変更しての開催となりました。席数190席に限られるため、昼夜の2回公演でそれぞれ違うプログラムというちょっと贅沢な企画となっていました。
 自身も久しぶりの生演奏。都合により昼の部しか聴きに行けませんでしたが、心身ともリフレッシュできました。
 小ホールということで、音響面が心配でしたが、主ホールのような透明感のある残響はないですが、容積が小さいためか、音が大きくはっきりと聴こえます。残響より直接音が主だと思いますが、思っていたより良い音で聴けました。ステージも近く、臨場感もあります。安曇野のホールで聴くような感じか?
 演奏もすばらしくウィーンの音楽を堪能できました。モーツアルトの第2楽章、シューベルトの第3楽章のアダージョは実に味わい深い演奏でした。またシューベルトの両端(第1、第6)楽章は、起伏に富んだ表現で曲の全体像にメリハリをつけていました。
 本日日本公演の初日だったようです。


♪ サイトウ・キネン・フェスティバル2011(Ⅱ)

2011年08月27日 | 音楽(コンサート)
♪ 武満徹メモリアルコンサートXVI

○日時 2011年8月24日(水)17時15分~21時20分
○会場 長野県松本文化会館
○演奏 ピーター・ゼルキン(ピアノ)
○プログラム
    武満徹 遮られない休息
        フォー・アウェイ
        閉じた眼 ~瀧口修造の追憶に~
        雨の樹素描
        閉じた眼Ⅱ
    ベートーヴェン ディアベリのワルツによる33の変奏曲ハ長調 作品120

音楽文化ホールが地震の被害があったため、文化会館大ホールに変更して開催。開演時間も15分繰り下げた。チケットもぎりの際、会場変更のおわびとして、オリジナルのストラップをいただいた。金属製で裏面には”Takemitsu toru Memorial Concert”と刻印されているもの。主催者の心意気に感謝します。記念になりますね。
サイトウキネンで恒例となった武満メモリアル、できるだけ外したくないプログラムなのですが、ここ数年聴くことができませんでした。今年は久しぶりとなりましたが、ゼルキンのピアノリサイタルということで期待していました。武満とベートーヴェンの組み合わせは、何とも言えないのですが、後半の超大作ディアベリ変奏曲(実演では初)、実に多彩な返送が続く長い曲。ゼルキンのピアニズムもベートーヴェンらしくなく、音楽構造がよくわかる(?)演奏でした。前半の武満。ピアノソロの曲を5曲でしたが、途中拍手を入れず一挙に聴かせました。曲間の間合いも十分とり、余韻たっぷりで武満の世界を堪能しました。そういえば、私の席の5列ほど前には、武満夫人(未亡人)がいらっしゃいました。
ゼルキンは生前の武満と交流があり、直接演奏法など聞いていたようです。作曲者本人から直伝されていたのですね。休憩中ロビーの売り場で、RCAから出されているゼルキンの武満ピアノ曲集を購入しました。ライナーノートによると、  は武満がゼルキンに献呈した曲だったのですね。小澤さんも、このフェスティバルの招聘するため10年ほど前から声をかけていたそうです。ようやく実現し、すばらしいコンサートになりました。




♪ バルトーク/バレエ「中国の不思議な役人」・オペラ「青ひげ公の城」

○日時 2011年8月25日(木)19時~21時25分
○会場 まつもと市民芸術館
○演奏
  出演:青ひげ公:マティアス・ゲルネ(青ひげ公の城)
     ユディット:エレーナ・ツィトーコワ(青ひげ公の城)
     Noism1:井関佐和子、宮河愛一郎、藤井泉、櫛田祥光、中川賢、
青木枝美、真下恵、藤澤拓也、計見葵、宮原由紀夫、亀井彩加、
角田レオナルド仁
     Noism2
合唱:SKF松本合唱団(中国の不思議な役人)
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:沼尻竜典(中国の不思議な役人)、ピエール・ヴァレー(青ひげ公の城)
演出/振付:金森穣
空間:田根剛、 リナ・ゴットメ、ダン・ドレル(DGT)
衣裳:中嶋佑一(artburt)
照明:伊藤雅一(株式会社 流)/ 金森穣

○プログラム
  バレエ「中国の不思議な役人」 〔全1幕〕
  オペラ「青ひげ公の城」 〔全1幕 原語(ハンガリー語)上演 〕

電車で松本駅下車、芸術館へは18時45分頃到着。入るとすぐに人だかり。小澤征爾降板のお知らせ。医者の診断ではOKが出たものの、18時10分(開演50分前!)、ベッドから起きられず、本日の指揮を断念されたとのことでした。急遽のことだったせいか、お知らせ文も手書きでした。


肝心の演奏(舞台)の方…。
中国の不思議な役人:予習のために何も聴く機会がなかったぶっつけ本番で臨みました。荒々しいリズムのバルトークらしい音楽。冒頭くもの巣のようなバレエ団の人たち。赤い卓袱台のような台がステージのポイント。黒子のダンサーが舞台を引きしめる。こんなステージが見られたら、今度はストラヴィンスキーの春の祭典のバレエステージを見たいと思った。
青ひげ公の城:一応CD(インバル盤)で予習をしておいた。城の7つの扉を次々に開けて、最後に悲劇が・・・という筋立て。ふたりの歌手は文句なしの歌唱。代役の指揮者ヴァレーも引き締まった音楽を奏でる。バレエもそうだが、演出は音楽と舞台がうまくかみ合っていたと思う。出来はバレエの方が良かったかな。オペラの方はふたりの歌手と背景の鏡(?)の裏に影の出演者がいるというような演出であったが、もう少し何かがほしかった。3階席からだったが、背景が動くとき、その構造物の様子が見えてしまって少し興ざめ。その辺で少しマイナス点を入れてみた。
小澤征爾が出演しなかったことから、カーテンコールの盛り上がりはいまひとつであったが、良いステージを見せていただきました。でも練習・仕込みと小澤征爾が全て関わってきたことですし、一部なりとも、小澤さんの青ひげ公を観ることができたと言っても言いのではないでしょうか。


8月26日のオーケストラ・コンサート。家人が手術することになり、その経過のため病院へ。半券もぎられず手元に残っています。これもいた仕方ありません。
若手マテウスの手腕はいかがだったのでしょうか。



♪ サイトウ・キネン・フェスティバル2011

2011年08月24日 | 音楽(コンサート)
武満メモリアル(ピーター・ゼルキン)に行ってきました。
明後日まで3日連続になりますが、退院後の通院もあり、また入れ替わって家族に入院者も出ていて、時間の工面がてんやわんやしています。武満も長いディアベリ変奏曲が終わり、カーテンコールままならぬ時間に退席し帰ってきました。
硬質に輝くピアノでした。
これを含め、感想はまとめて週末にアップしたいと思います。


♪ 4人のソリストによるEarly Musicソロの世界Ⅱ 品川聖 旅

2011年07月02日 | 音楽(コンサート)
○日時 2011年7月2日(土)15時~16時45分
○会場 安曇野コンサートホール
○演奏 品川聖(ヴィオラ・ダ・ガンバ) 
○プログラム
  ヒューム エア第1巻(1605)より、パヴァーヌ/グッド・アゲイン
  テレマン 忠実な音楽の師より、ソナタニ長調
  アーベル 27の小品より5曲
マレ   ヴィオル曲集第4巻(1717)より、ヴィオル曲集第2巻(1701)より
サント=コロンブの息子 父サント=コロンブを偲んで
イギリス民謡「クリーンスリーヴズ」、カタロニア民謡「鳥の歌」、中田章「早春賦」
 アンコール      
  マレ ヴィオル曲集第2巻より
  J・S・バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番より

品川さんのガンバを聴くのは、なんとこれで4回目です。今年がデビュー10周年になるとのこと。今年は最前列で聴きました。いつも身をゆだねて、安心して聴けます。今回はマレのヴィオレ曲集や古楽以外の曲も聴けました。プログラムの最後の3曲は連作的に続けて演奏。ピッチカートや弓を使ってガンバ風に弾いて…。とても新鮮でした。新鮮といえば、アンコールで弾かれたバッハの無伴奏。チェロの奏法ではなくガンバ風に弾かれました。これがとても面白かったです。


サイトウキネン発売

2011年07月02日 | 音楽(コンサート)
今年のサイトウ・キネン・フェスティバルのチケット発売。
松本文化会館の販売会場へ…。
所要のため、出かけるのが遅れ、会場に到着したのが販売開始後の10時半頃。

向かう途中、田川の堤防道路沿いから見える家屋の屋根にはブルーシートがかけられていた。
先日震度5強の地震のため、屋根瓦が破損した住宅らしい。少し古めで瓦葺きの木造家屋のうち10軒のうち1軒程度がブルーシートがかけられていた。
結構な被害だったようだ。



さて販売会場では、既に購入済で帰る人もみかけた。
完売の公演はいくつか出ていたが、何とか3公演のチケットをゲットできました!
平日の3連荘になります。

完売した公演は、こんな感じに文化会館入ったところに掲示されていました。
私が購入後帰る時点の様子。


♪ タリス・スコラーズ

2011年06月14日 | 音楽(コンサート)

○日時 2011年6月14日(火)19時05分~20時55分
○会場 松本市音楽文化ホール
○演奏 ピーター・フィリップス指揮 タリス・スコラーズ
○プログラム
    バード:聖所にて至高なる主を賛美もて祝え
    バード:アヴェ・ヴェルム・コルプス
    シェッバード:この聖なる儀式にあたり
    タリス:エレミアの哀歌 第1部
    シェッパード:み言葉は肉となりたまい
    ビクトリア:レクイエム
 アンコール
    アロンソ=ロボ わがハープは悲しみの音に変わり

早めに会場に着きましたが、既に駐車場は埋まっており、ホール前には人だかり。もう入場を待っています。今回は自由席だったせいでしょうか。




演奏は…。
音文が教会になったよう…。
アカペラなんて呼びたくない。チラシやビクトリアのレクイエムのCDジャケットのように、エル・グレコの宗教画を鑑賞しているような天に昇っていく感じ。
男声5人。女声5人ずつのアンサンブル。ソプラノが4人だが、そのうち2人、プログラムにあるシェッパードの曲聴かれたように、ソプラノパートのさらに高い音域を歌っているよう。低音のバスの音域からなんと幅広いハーモニーだろう。ソプラノの突出は、ちょっとやりすぎの印象を持ったが、後半のメインプログラム、ビクトリアのレクイエムでは、そんなところは見せずに、節度を持ったとても美しいハーモニーを聴かせた。この曲、タリススコラーズの演奏でCDを持っているが、事前予習でしっかり聴いておいたにも関わらず、なんと新鮮な印象に聴こえるのでしょう。
身も心も清められました。

本日日本公演の最終日だったようです。
震災や原発事故の影響で、来日する演奏家が来られないケースが多くあるようですが、タリス・スコラーズの皆さん、予定どおり来日され、素晴らしい演奏を残されたことに感謝します。