STARLIGHT NIGHTS

信州・塩尻から発信・・・   星空と美しい風景、そして美しい音楽とともに!

♪ サイトウ・キネン・フェスティバル 武満徹メモリアル展

2006年08月31日 | 絵画・芸術
武満徹の写真展。
昨夜のコンサート会場に展示されていた。
小沢征爾とも交友があり、フェスティバル初期の頃は、松本にも訪れていた。私も会場でお目にかかったことがある。小柄でちょっととっつきにくい風貌であったが、このメモリアル展の写真を見ると、そんな思いは払拭され、昨夜のコンサートのように暖かい人柄も偲ばせた。
写真は、木之下晃氏。常に良い表情、心の動きを察した瞬間を捉えている。

♪ サイトウ・キネン・フェスティバル 武満徹メモリアルコンサート

2006年08月31日 | 音楽(コンサート)
サイトウ・キネン、恒例のプログラム。今年は、武満徹没後10周年。

○日時 2006年8月30日(水) 19時05分~21時20分
○会場 松本市音楽文化ホール
○演奏 荘村清志、鈴木大介(ギター)
    上村昇(チェロ)
    岩佐和弘(フルート)
    竹島悟史(ビブラフォン)
    ブランドン・ロス(ギター・ボーカル)
    ツトム・タケイシ(ベース)
○プログラム
    フォリオス
    映画「化石」
    映画「燃える秋」
    森のなかで
    映画「伊豆の踊り子」
    映画「太平洋ひとりぼっち」
    あこがれ
    映画「不良少年」より「○と△のうた」
    映画「狂った果実」
    映画「日本の青春」
 アンコール
    映画「ヒロシマという名の少年」

前半、荘村清志さんのために作られたギター独奏曲をはさんで、ギター、フルート、チェロ、ビブラフォンという変わった編成による映画挿入曲を。後半、ジャズとして即興的にアレンジした映画挿入曲を演奏された。
ちょっと変わった不思議な気分にされたコンサート。
武満のギター曲は、CDでも聴いていたが、この実演では、ギターという実に繊細なデリケートな響きを醸し出す楽器をもとに、武満の知らなかった一面を垣間見ることができた。
特に後半は、即興的な演奏だったので、これが武満??と思ってしまった。しかし不満があるどころか、ちょっと違う世界にトリップしたような錯覚を味わった。

ちょっと、プログラムの記述から引用・・・
 今日ここで行われる試みは、あるいは武満さんが意図していなかったかもしれません。しかし、彼の遺した映画音楽たちは、私たちに様々な再解釈の可能性を残しています。ちょうど、ジャズのスタンダードが、ミュージカルから生まれたように、武満さんの映画音楽のスコアには、映画音楽という、演奏会を目的としていない自由な断片だからこそ可能であった、音楽への触れ方、良い音楽の趣味、音楽での遊びと、粋な音楽への節度、といったものが表されているようです。

・・・まさに!

終演後、会場外でプログラム後半の演目となったCDが販売され、サイン会も行われた。
サイトウキネン初(!?)のサイン会。

秋風が

2006年08月29日 | 星空
長かった梅雨が過ぎ、暑い夏も終盤となった。しかし、いまだ残暑厳しいこの頃。
昨夜は観察会だったが、冒頭の曇り空はなんのその、次第に晴れわたり快晴となった。夏空のどんよりさはなく、ほんのり秋風が・・・。
今夜も、雲が多いものの、夕方の月を望むことができた。すでに月齢5のはずだが、低空に見えるせいかもっと若い月にも見える。

♪ サイトウ・キネン・フェスティバル オラトリオ「エリア」

2006年08月27日 | 音楽(コンサート)
オラトリオ「エリア」
○日時 2006年8月27日(日)15時05分~17時50分
○会場 まつもと市民芸術館
○演奏 サイトウ・キネン・オーケストラ
    指揮:小沢征爾
○キャスト
    〈エリア〉バス・バリトン:ジョセ・ヴァン・ダム
    ソプラノ:サリー・マシューズ
    アルト:ナタリー・シュトゥッツマン
    テノール:アンソニー・ディーン・グリフィー
    バス・バリトン:マーク・シュネイブル
    ほか
    合唱:東京オペラシンガーズ
    少年:SKF松本児童合唱団
○演出・デザイン:ジャン・カールマン
 
メンデルスゾーンのオラトリオ「エリア」。普段、メンデルスゾーンは聴かないし、またメンデルスゾーンの音楽から宗教的な印象は乏しいのだが、ロマン派宗教音楽の傑作とされているそうだ。そういえば、J.S.バッハのマタイ受難曲は、バッハ没後行方不明だったのが、このメンデルスゾーンによって蘇演されたことを思い出した。

もともとオラトリオなので、ステージ上で演奏するのだが、今回はフィレンツェ歌劇場との共同制作による舞台演出付。オーケストラはステージ上ではなく、オペラと同じくピットに入っている。舞台は、黒色を基調とした簡素なもの。演出も白黒以外を排除するような照明。しかし、時折電球色の照明が入って、はっと思わせる部分がある。最後の部分、音楽はフーガとなり、背景には太陽が昇る。これも電球色。しかもまばゆいほどまぶしい!オーケストラ、合唱、独唱、そして舞台演出が一体となって、力強く壮麗なフィナーレを迎える。
演奏者では、エリア役のジョセ・ヴァン・ダムが歌手陣の中でも際立った存在感を示していた。合唱もすごい。特に男声。澄んだハーモニーの中、ホールいっぱいに広がる声量で迫ってくる。
子役がひとり。プログラムではSKF松本児童合唱団とあるが、出演はひとり。4公演で団員が交代するのでこのような表記にしたのだろうか?うまさを求めては酷になるが、きれいな歌声で好感を持った。
オーケストラもなかなか好演。
小沢さん復帰の仕事始め。まずは成功といったところか。

惑星

2006年08月26日 | 音楽(CD)
サー・サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

グスタフ・ホルスト組曲「惑星」作品32
火星、戦争をもたらす者
金星、平和をもたらす者
水星、翼のある使者
木星、快楽をもたらす者
天王星、魔術師
海王星、神秘主義者
コリン・マシューズ「冥王星」再生する者
カリヤ・サーリアホ「小惑星4179、トゥータティス」
マティアス・ピンチャー「オシリスに向かって」
マーク=アントニー・ターネイジ「セレス」
ブレット・ディーン「コマロフの墜落」


惑星論議が深まる中、ホルストの惑星の新譜が出た。
しかも「冥王星」付!
ホルストが惑星を作曲した当時は、まだ冥王星は発見されていなかった。
地球は別として、唯一冥王星抜けていたのだが、2000年にコリン・マシューズが
海王星に引き続いて演奏するよう、この冥王星を作曲した。
いわゆるメジャーなレコード会社、アーティストによる初めての冥王星録音となる。合わせて、小惑星トータチス(トゥータティス)、ケレス(セレス)、太陽系外の惑星とされるオシリス、SFの世界の星とされるコマロフ・・・。4つのほかの惑星たちもこのディスクに録音されている。
まさに、今国際天文学連合に提案された、惑星を12個にする内容を彷彿していたかのようだ。
奇しくも、発売日(8月23日)の翌日、惑星の新たな定義が議決され、その結果冥王星は惑星の座から降ろされることとなった。何か皮肉な話・・・。

演奏だが、わりとオーソドックスなスタイルで、ある意味ラトルらしくない。
しかし、ベルリン・フィルの力量は申し分なく、火星の迫力あるリズム、金星の美しい叙情性、木星のスケール感(分厚い弦楽パートが、活躍する管楽パートを支える)、ラトルらしいと言えば、土星と天王星か。結構新鮮に聴けた。
冥王星は、海王星のフェイドダウンする終わり方から踏襲して、フェイドインして楽曲が始まる構成はナルホドと思うが、途中のフォルテッシモによる喧騒は、最果ての惑星(今は、矮小惑星)のイメージを消してしまう感じ。エンディングも中途半端に終わってしまう・・・。
4つの小惑星の曲は、どれもSFチックな曲。良し悪しの判断は難しい。




惑星再編

2006年08月24日 | 星空
惑星という定義をはっきり決めておこう、という提案だったはず・・・。
プラハでのIAU総会。9→12→8という、冥王星の惑星から降格論議になってしまった。別に、この案でも構わなかった。
惑星であろうとなかろうと、同じ太陽系の仲間じゃないか!

♪ サイトウ・キネン・フェスティバル ふれあいコンサート2

2006年08月20日 | 音楽(コンサート)
ふれあいコンサート2
○日時    2006年8月20日(日) 15時05分~16時50分
○会場    松本市音楽文化ホール
○演奏    サイトウ・キネン・オーケストラ
       指揮・オーボエ、宮本文昭
○プログラム モーツァルト:オーボエ協奏曲ハ長調K.314
       ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調作品92
     
当初、モーツァルトのハフナー交響曲を入れて3曲。モーツァルトを宮本文昭が、ベートーヴェンをロバート・マンが指揮する予定だったが、マン氏が来日不可能になったため、宮本氏がすべて指揮するように変更された。その後、ハフナー交響曲を割愛し、2曲だけのプログラムとなった。
一言・・・宮本文昭の独演会。
オーボエ協奏曲では、コンサート・マスターが豊島泰嗣。見事な演奏。絶妙なアンサンブルのオーケストラのもと、艶やかで甘い音色のオーボエがホールいっぱいに広がる。多彩な表情のカデンツァ。思わず、うとうととしてしまうほど、美しい音楽に身をゆだねた。
ベートーヴェンの方。コンサート・マスターは安芸晶子。ここでは宮本氏の指揮のキャリア不足があるかな?と感じたが、この曲への意気込みを感じた。音楽的な出来は、第2、第3楽章が良かったかと思う。オーボエ奏者らしく、歌うようなフレーズを強調し、第2楽章や第3楽章のトリオには、そうした主張が感じられた。第4楽章、最初の方はこの曲のリズミックな曲想に乗り切れない感じだったが、次第にギヤが入り、白熱したコーダを迎えてエンディング!
熱烈な拍手のもと、スタンディング・オーベーション。お客さんのうち半分の方が立ち上がったのでは?と思うほどの熱狂状態。小沢さん指揮の時でも、これほどではないのでは?
まさに、宮本文昭独演会だった。
写真は、一旦袖に退いたメンバーが再びステージに現れてカーテン・コールを受けているところ。
奏者の中では、ベルリン・フィルのティンパニ奏者、ライナー・ゼーガスによるティンパニが、音楽の要所要所を引き締めていて好印象・・・。

8月19日四季の星空観察会

2006年08月19日 | 星仲間
天体観測ドームがオープンして1週間。
今夜が本当の使い初めか。昨日信濃毎日新聞に紹介され、案の定、大勢の参加者があった。予定では、一連の四季の星空観察会の中、今回はスターウォッチングネットワークも実施する計画だったが、ドーム目当ての参加者にはどうするか、ちょっと悩んだ。結局、観察会始まってから雲が多くなり、スターウォッチングネットワークはできず、ドームの31センチ鏡で、木星観察のみとなった。
木星は、好シーイングでよく見えた。当夜はガリレオ衛星が面白かった。木星面のすぐ近くに、東側にイオ、西側にエウロパとガニメデ・・・。ずっと離れて、カリストが見えた。3つの衛星が木星面のすぐ近くにまとまっているのは珍しい。さらに観察中、エウロパが木星面背後通過で見えなくなった。
親子連れの参加者が多く、木星面や衛星の移動を楽しんでもらった。