STARLIGHT NIGHTS

信州・塩尻から発信・・・   星空と美しい風景、そして美しい音楽とともに!

T Pyxの増光

2011年04月16日 | 変光星
らしんばん座T(T Pyx)が45年ぶりに増光というニュースが入った。
星図を用意して夜を待っていたところ、薄明終了時から曇ってきてしまった。
前回の増光は1966年。この時の光度曲線を見ると、新星とらしくない、ゆっくりと増光し最大光度に達し、ゆっくり減光していくタイプらしい。しばらくは見えているのだろうか。

変光星ミラが極大光度

2008年12月15日 | 変光星
長周期変光星、くじら座のミラ(οCet)が極大光度です。
ミラ型変光星とも言われ、ミラがこの種の変光星の代表格となっています。

ミラは1596年、オランダのファブリキウスにより発見されました。
当時は望遠鏡はなく、肉眼によるものです。
ファブリキウスは、普段なかった星を見つけ、しばらくすると見えなくなりました。さらに13年後、再び同じ場所になかった星を見つけました。
同じところに、再び星が出てくるのはなぜ?と、ミラ(不思議という意味)と名づけました。

ミラは恒星の晩年で、不安定な星なので、約330日の周期で膨張収縮を繰り返しています。この膨張収縮は、星の脈動によるもので、それに伴って星自身の明るさを周期的に変えて(変光して)います。
ミラは、暗くなった時は10等星、明るくなった時は2等星までの幅で変光しています。明るい時(極大時)の明るさは、時によって違い、4等星くらいだったり、3等星くらいだったります。過去最も明るくなった時は2等星でした。2等にまで明るくなる極大はめったにありません。

今回のミラは3.5等の明るさに達しました。
肉眼でも見えています。

いこいの森で・・・はくちょう座カイ星

2008年10月19日 | 変光星
いこいの森公園天体観測ドームへ行ってきた。
よく晴れた日だったがこの季節としては空の透明度はいまひとつ。
それでも、ドームで眺める夜空は、低空はもやが多かったけれど、天頂付近はなかなか良い透明度で、はくちょう座付近の天の川がよく見えていた。

はくちょう座には、現在明るくなってきている長周期変光星がある。はくちょうの首元にあるカイ星。
407日の周期で、3等級から14等級まで、とてもダイナミックな幅で変光する星。極大期は、時によって3等台だったり5等台どまりだったりするが・・・。
このカイ星、現在4等半ばまで明るくなってきている。極大予報は10月下旬。もう少し明るくなるのだろうか。
天体観測ドームの31センチ直焦点で撮影。
晩期型の赤色巨星と言われており、写真でも赤みを帯びた星であることがわかる。

ミラ

2007年02月16日 | 変光星
ミラ型変光星の代表格、くじら座のミラが明るい。
4日ほど前の観測(写真)では光度2.3等。くじらの頭にあたるα星と並ぶ明るさに達している。予報でもちょうど極大頃。
さてミラについて・・・。ミラ型変光星は晩年の恒星で、数百日周期で膨張収縮を繰り返し、それに伴って周期的に光度が変わる恒星のこと。こうした恒星は、赤い色が特徴で、実際は分からないが、その直径は太陽の数着倍にも及ぶという大きな星だ。その中でもミラは最も明るいミラ型変光星。光度は2等台から10等台の間で変わり、周期は約330日。極大光度は周期のたびに変わり、4等台という暗い極大に終わることもよくある。2等台の極大はかなり明るい方。写真では、9等台の隣接した恒星も見えている。

先日発見された、さそり座新星(発見者は日本人、その後V1280 Scoと命名)。発見当時は8等ほどだったが、その後、さらに明るさが増し、昨夜海外の観測では3等台(!)に達しているという。ちょっと見てみたい気がする。
ちょうど来週20日には、自然と歴史講座で「星の話」をする予定。資料づくりも兼ねて、新しい星の写真を撮ってくるつもり(ついでに新星観望も)だったが、昼間好天だったものの夜は雲に阻まれてしまった。




はくちょう座カイ星

2006年07月28日 | 変光星
長周期変光星のひとつ、はくちょう座カイ星(χ Cyg)が明るい!
ふだんは5等台の極大光度が多いのだが、今回の極大はかなり明るさ。
写真中央の赤い星がカイ星。左端の青い星がエータ(η)星。明らかに4.0等のエータ星よりも明るくなっている。当夜、肉眼でもはっきりと見えていた。
20世紀からの明るい極大は次のとおり。
1907年1月....4.0等
1909年5月....4.4等
1969年9月....4.4等
1975年5月....4.4等
1980年12月..4.3等
1986年8月....4.3等
2002年2月....4.0等
(出展:VSOLJデータベース)
今回はそのいずれをも上回るものだ。実際の極大はまだ先で、さらに明るくなるのかもしれない。