STARLIGHT NIGHTS

信州・塩尻から発信・・・   星空と美しい風景、そして美しい音楽とともに!

戦争レクイエム

2009年06月03日 | 音楽(CD)
久しぶりにCDを買った。
ベンジャミン・ブリテンの戦争レクイエム。
そう、今年のサイトウ・キネン・フェスティバルの演目のひとつ。

買ったのは、作曲者自演のもの。
歌手は、ロストロポーヴィッチ氏の夫人、ヴィシネフスカヤ(ソプラノ)、ピアーズ(テノール)、フィッシャー・ディースカウ(バリトン)。
3団体の合唱団と作曲者自身の指揮によるロンドン交響楽団による演奏。1962年の初演では、ピアーズとディースカウも共演している。この録音は翌1963年のもの。

CDのブックレットと、サイトウ・キネン・フェスティバルのHPから公演プログラムのページから・・・。
レクイエムというラテン語による典礼文と、イギリスの詩人W. オーウェンの反戦詩とを組み合わせた特別な構成の曲。オーケストラと合唱団、ソプラノがレクイエムを、室内楽とテノール、バリトンがオーウェンの詩を歌う。このテノールとバリトンは敵対する2人の兵士で、テノールが米英仏側を代表するイギリスの兵士で、バリトンがドイツの兵士、つまり独伊日側を代表しています。
第2次世界大戦のドイツ空軍による空襲でイギリス、コベントリーの大聖堂も破壊されてしまった。1962年、新しい大聖堂の献堂式で演奏される曲をブリテンに委嘱され作曲された作品。第2次世界大戦の犠牲者への追悼と平和希求を表現した大作。

ここで引用しませんが、フェスティバルのHPには、小沢征爾氏による、戦争レクイエムに関するコメントが書かれています。大変興味深い内容です。

この曲に興味を持ったのは、このコメントを読んでから・・・。
30日発売のフェスティバルのチケットも、戦争レクイエム公演の初日をとることができました。
このCDも聴いて、フェスティバルに備えて、さらなる平和希求も考えたいと思います。

チャイコフスキー、オペラ「スペードの女王」

2007年08月01日 | 音楽(CD)
サイトウ・キネン・フェスティバルも、開催1ヶ月前となり、オペラ「スペードの女王」の予習のため、某外資系CDショップからこのCDを入手した。

小澤征爾指揮、ボストン交響楽団、タングルウッド祝祭合唱団、リーザ役にミレルラ・フレーニ、ガルーシン役にウラディーミル・アトラントフ。
予習にはうってつけか?

チャイコフスキーらしい、流麗で美しいメロディが多く、当日の公演でも楽しめそう。音楽的には第2幕、第3幕が美しい。
第1幕の冒頭しばらく、児童合唱団が入る。ブックレットにもboy choirとあるので間違いない。
しかし、サイトウ・キネン・フェスティバルのリーフレットには、出演者に児童合唱の記載はない。(合唱団は、東京オペラシンガーズのみ)

実演はどうなるのだろうか。
その辺も楽しみにしながら、しばらくこのCDでこのオペラのメロディに馴染んでおこう。

セルのブルックナー 交響曲第3番

2006年10月02日 | 音楽(CD)
ジョージ・セル指揮、シュターツペレ・ドレスデンによる、ブルックナー!
1965年ザルツブルク音楽祭におけるライヴ録音。
買って気がついたモノラル録音。録音状態は多少気になるが、よーく聴くとオーケストラの美しい響きを捉え、ライヴならではの熱い演奏が収録されている。セルは機能性が高いクリーヴランド管弦楽団を率いていたせいか、理知的でアンサンブル重視の演奏を目指すタイプと思っていたが、ドレスデンの長い歴史のあるオーケストラとの共演ということで、豊かな響きの中あつい音楽を聴くこととなった。
全体的には早いテンポで、ブルックナーらしからぬ、アッチェランドをかけたり、フレージングを伸縮させ、音楽に多様な表情をつくっていく。このオーケストラ特有のしなやかな弦楽の音色、コクのある木管の音色、強奏しても決して耳障りにならず、ふくよかで柔らかい金管のひびき・・・、表現上ブルックナーらしからぬ部分もあるが、このオーケストラのひびきは、ブルックナーそのもの。セルの個性とこのオーケストラの魅力が良い相乗効果を生み出した感じがする。
最後のコーダでは、見あげるような大きい聖堂が完成したような錯覚を覚えた。


惑星

2006年08月26日 | 音楽(CD)
サー・サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

グスタフ・ホルスト組曲「惑星」作品32
火星、戦争をもたらす者
金星、平和をもたらす者
水星、翼のある使者
木星、快楽をもたらす者
天王星、魔術師
海王星、神秘主義者
コリン・マシューズ「冥王星」再生する者
カリヤ・サーリアホ「小惑星4179、トゥータティス」
マティアス・ピンチャー「オシリスに向かって」
マーク=アントニー・ターネイジ「セレス」
ブレット・ディーン「コマロフの墜落」


惑星論議が深まる中、ホルストの惑星の新譜が出た。
しかも「冥王星」付!
ホルストが惑星を作曲した当時は、まだ冥王星は発見されていなかった。
地球は別として、唯一冥王星抜けていたのだが、2000年にコリン・マシューズが
海王星に引き続いて演奏するよう、この冥王星を作曲した。
いわゆるメジャーなレコード会社、アーティストによる初めての冥王星録音となる。合わせて、小惑星トータチス(トゥータティス)、ケレス(セレス)、太陽系外の惑星とされるオシリス、SFの世界の星とされるコマロフ・・・。4つのほかの惑星たちもこのディスクに録音されている。
まさに、今国際天文学連合に提案された、惑星を12個にする内容を彷彿していたかのようだ。
奇しくも、発売日(8月23日)の翌日、惑星の新たな定義が議決され、その結果冥王星は惑星の座から降ろされることとなった。何か皮肉な話・・・。

演奏だが、わりとオーソドックスなスタイルで、ある意味ラトルらしくない。
しかし、ベルリン・フィルの力量は申し分なく、火星の迫力あるリズム、金星の美しい叙情性、木星のスケール感(分厚い弦楽パートが、活躍する管楽パートを支える)、ラトルらしいと言えば、土星と天王星か。結構新鮮に聴けた。
冥王星は、海王星のフェイドダウンする終わり方から踏襲して、フェイドインして楽曲が始まる構成はナルホドと思うが、途中のフォルテッシモによる喧騒は、最果ての惑星(今は、矮小惑星)のイメージを消してしまう感じ。エンディングも中途半端に終わってしまう・・・。
4つの小惑星の曲は、どれもSFチックな曲。良し悪しの判断は難しい。




モーツァルト 「ジュピター」

2006年07月17日 | 音楽(CD)
マルク・ミンコフスキ指揮
ルーヴル宮音楽隊

モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550
      イドメネオK.367よりバレエ音楽
      交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」


ミンコフスキ・・・。バロック音楽の演奏では、最近とみに話題となっているそうだ。そしてモーツァルト最後の交響曲2曲を録音した。古楽器による演奏…オーケストラ名はいかにも古楽風な名称。
いきいきとした音運びの音楽。第40番では第1楽章の主題をゆれるようなフレージングで音楽をつくってゆく。まさに疾走感。これはあとの楽章にも引き継がれ、見事な統一感を感じさせる。
ジュピターはさらに素晴らしい。第1楽章…重厚な弦楽とパンチの効いたティンパニがスケールのおおきい音楽をつくる。実際モーツアルトの生きていた時代には考えられない演奏なのでは?と思った。重厚さなら、同じ古楽器演奏ではブリュッヘンの録音も見事だったが、あの演奏であったもったりとしたことろがなく、遅めのテンポながら、音楽はしっかりと前へ進んでいく。さらに素晴らしいのは第4楽章。速めのテンポで、見事な高揚感あるフーガを構築する。爽快感が満載。まさにジュピターという神の領域に到達したような感じ。もしカルロス・クライバーがこの曲を演奏していたらならば、こんな演奏になったかもしれない。

ブルックナー「交響曲第5番」

2006年07月15日 | 音楽(CD)
久々のブルックナーのCD新譜。
ブルックナー 交響曲第5番変ロ長調
マルコス・ボッシュ指揮
アーヘン交響楽団
(2005年5月16日、聖ニコラウス大聖堂におけるライヴ録音)


HMVのレビューで評判だったボッシュ&アーヘン響によるブルックナー。これまで第8番、第7番が出ており、この第5番は新録音なのだそうだ。
オーケストラも指揮者も全く知らなかったが、なかなか良い演奏だ。ちょっとクールな切れ味を加味しているがブルックナーの本質がある演奏。しかし第5の代表盤と言い切るまでにはもう少し…。
残響の多い教会でのライヴ。ふくよかな響きが心地よい。演奏時間は全部で71分ほどで、第5番としては早い方。残響に任せてゆったりと演奏するのではなく、きびきびと音楽を進めていく。
最も良かったのは第4楽章。フーガによる音の大伽藍を残響豊かな中で、気持ち良い音楽を作り上げる。
一度実際のライヴで聴いてみたい。