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自民党、公明党、日本維新の会が衆院で賛成した政治資金規正法改定案は、政治資金パーティーについて購入者名の公開基準を20万円超から5万円超と引き下げただけです。パーティーを複数回開催すれば、事実上青天井でパーティー券を購入することもできます。実際に岸田文雄首相ら自民党幹部は複数回開催することで、政治資金規正法が定める上限額(1回150万円)を大幅に超える購入をある大企業から受けています。(三浦誠)
総務省が公開した2022年分の政治資金収支報告書によると、家具大手「ニトリホールディングス」(札幌市)は、計27政治団体のパーティー券を合計3620万円購入していました。同社はグループで国内店舗数が700を超える最大手。自民、公明など多くの政治家に多額の献金をしていることでも有名な企業です。
パーティー券の1回あたりの購入額は、50万~150万円とばらつきがあります。その中で岸田首相、自民党の茂木敏充幹事長、麻生太郎副総裁は、別格の扱いです。
岸田首相は資金管理団体「新政治経済研究会」が開いた3回のパーティーで各150万円、合計450万円の購入をニトリから受けています。茂木幹事長も資金管理団体「茂木敏充政策研究会」のパーティー3回で計400万円を受け取っていました。
麻生副総裁の場合は資金管理団体「素淮会(そわいかい)」で150万円。さらに福岡県選管に届け出がある関連政治団体「九州素淮会」で150万円と計300万円の購入を受けています。
規正法はパーティー券購入の上限額を1回あたり150万円としています。違反した場合は、50万円以下の罰則が科されます。
自民の規正法改定案は、上限額が1回150万円のままです。政治資金オンブズマン代表の上脇博之神戸学院大学教授は「1回150万円というのは、どう考えても実質的に寄付です。複数回のパーティーに分けて購入することで上限の制限も意味がなくなる。総量規制がなく事実上野放しであるパーティーは禁止すべきです」と指摘します。
本紙の取材にニトリは「法令に従い適切に行っている」としています。麻生氏も規正法にのっとり「適切に開催し、報告している」と回答。岸田氏、茂木氏は回答しませんでした。
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