サッカールーの何でもござれ

サッカーとオーストラリアに関するサッカールーのエッセイです

32年ぶりの歓喜 オーストラリアvsウルグアイ

2005-11-17 07:27:25 | Weblog
苦労して苦労してやっと勝ち取ったというかんじの試合だった。選手個々の能力、地力からすればやはりウルグアイのほうが上だと思う。パス回し、パスのスピード、プレッシャーのかけ方、パスの精度などどれをみてもウルグアイのほうがうまい。ただし、いかんせんウルグアイはフィニッシュが悪い。これが南米4位ではなく5位である理由だろう。

夕べの試合は約82000人が入った熱のこもった試合だった。都心でも代表ユニフォームを着た人が目立ったというシドニーにしては珍しい光景。大体オーストラリアでフル代表に関心が集まるなんて4年に1度しかないのだ。今年始まったAリーグを含めたオーストラリアでのサッカーの発展という意味からもこの試合は絶対に勝たなければいけない試合だった。

PKまでもつれたとはいえ、オーストラリアが昨日の試合に勝てた要因は2つある。1つはウルグアイのコンデイションが悪かったこと。モンテビデオからシドニーまでの移動をオーストラリアはカンタス航空のチャーター機でベッドにできるように座席を特別に持ち込み、ゆったりとノンストップで17時間で移動。途中機内でトレーナーのマッサージも受けた。

かたやウルグアイは金がなくてレギュラーフライトに3班に分かれて21時間。途中2ストップ。しかも乗り換えあり。ビジネスクラスが足りなくてエコノミーシートの選手もいる有様。コンデイションの差は一目瞭然。

2つ目は主審の公平なレフリング。ファールもこまかくとっていたし、イエローカードも両方に公平に出していた。スペイン人ということでウルグアイをひいきするのではないかという心配があったが、杞憂であった。

試合は前半の途中以降はオーストラリアがほぼコントロールしていた。90分間で追加点さえ取れていればもっとすんなりと勝てただろうが、PK合戦の醍醐味を堪能させてもらえたのでよしとしよう。

今朝のTVのニュースは普段サッカーのサの字も取り上げない民放の番組さえサッカールーをカバー。コメンテーターが代表のマフラーまでするという誠に今までクリケットとラグビーリーグしか報道しない姿勢からすれば、まさしく手のひらを返したような態度。勝てば官軍である。

SBSはプレーオフを2試合ともライブと録画放送。WCも毎回ほぼライブ中継してくれていたし、その努力がやっと実った。協会よりもSBSTVの貢献のほうが大きい。オーストラリアのサッカーはSBSで成り立っていると言える。えらいぞSBS。2006年は全試合SBSでカバーしてほしい。2002年は3分の1くらい他の民放が放送権も買ったが、解説と分析は圧倒的にSBSのほうが上だった。

1974年の西ドイツ大会にオーストラリアが出場した際のキャプテン、ジョニー・ワレンは今年癌のため亡くなった。SBSの解説者としてその知的で情熱のある解説は、オーストラリアのサッカー・レジェンドとして世界的にも有名人だった。今回のプレーオフで勝てたのはジョニー・ワレンの魂が乗り移ったからだろう。

1998年大会の予選プレーオフでイランに土壇場で追いつかれ、2試合とも引き分けで負けたわけではないのにアウエーゴール規定で敗退が決まった瞬間、ジョニー・ワレンは涙を流した。ライブ中継の解説をしている最中だったが、彼の涙は8年後に無駄にはならなかった。2006年大会出場はジョニー・ワレンにささげるものである。

2 コメント

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Unknown (ぴっかぶー)
2005-11-17 17:32:12
そうですよね。

この勝利はジョニー・ワレンに捧げるべきですよね。

試合前にも彼の映像をたくさん流して、

観客からもたくさんの拍手を貰ってました。

本当にうれしいです。

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Unknown (せる)
2005-11-18 16:31:33
はじめまして。トラックさせて頂きました。後半はかなりウルグアイの選手達の足が止まって、確かにコンディションの差が浮き出る試合になっていましたね。それでいてエースのレコバをベンチに下げてしまったのは、やけに審判につっかかるウルグアイの監督も冷静さを欠いてしまったのかな?と思いました。そうさせてしまうのもアウェイの雰囲気だったのでしょうか。オーストラリアは過去4度のプレーオフの経験もこういった面で生かしていたんでしょう。おめでとうございます。
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