フランスは負けた気がしないのではないだろうか。日本のチャンスはゴールしたFK2回と後半終了間際にカウンターからポストをたたいた大儀見のシュートのみ。それ以外はほとんどフランスにとってあぶない場面はなかった。
GKの差が出た。最初のFKからのゴールはフランスのGKがハンブルしたところを押し込まれた。2回目はDFのマークがずれていたし、GKのポジションも悪かった。攻撃中心のチームはえてしてこういう失点をするものだ。
とはいえ、フランスには運がなかった。あのPKさえ決めていれば確実に延長に突入。あるいは90分以内に逆転できていたかも知れない。フランスからみれば前半に慎重すぎてチャンスを作れなかったことか。そのうちにFKからパパンと2点取られたので死に物狂いになってカウンター食らうのを覚悟で猛攻を続けたわけだ。
昨年のWCの頃と比べてなでしこのサッカーは随分と変わったように見える。もっとパスを回してフィニッシュまでいけていたと記憶しているが、ブラジル戦でもフランス戦でも攻撃が単調で相手のサイドの裏を取ろうとロングフィードを入れるが、それがほとんど長すぎる。川澄にボールが収まらない。川澄は初戦以外はあまり機能していない。
なぜこうなるかといえば、これまでは大儀見の1トップ、2列目に宮間、大野、川澄と並んでいたが、今は大野がもっと前めで2トップになっている。宮間がかなり右に張り出してボールを引き出していたが、川澄が左に張り出すために宮間が真ん中に偏り、右からの攻撃が少なくなっている。また宮間がかなり守備に翻弄されて下がることが多く、当然のごとく2トップが孤立してしまう。
FWにボールが収まらないとその下の2列目が薄くなっているので、すぐに相手の猛攻をくらうというパターンの連続になってしまった。いくら猛攻をかわしていてもクリアしたボールをことごとく拾われていてはそのうちに失点してしまう。クリアボールをボランチから2列目に出し、2列目とFWでボールを回してラインを上げる時間を稼がなければいけない。
決勝はアメリカ相手にそうそう得点できないだろうから、1トップにして2列目をしっかりと形成して、セットプレーとカウンターに特化するくらいでないとだめでしょう。とはいえ、アメリカもカナダに3失点もして延長戦をぎりぎりに勝ち抜いたから、なでしこも堅守で1失点で抑えられれば十分に勝機があるとみた。
ボールが回せないから阪口のところが狙われてピンチに陥ったというのもあるんでしょうね。
アメリカはフランスよりもさらに厳しく攻めてくるでしょうから改善してほしいですね。