飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

本好きの子どもを育てる

2023年02月12日 08時52分02秒 | 国語科
読書好きの子どもを育てたい。
教師ならみんなそう考える。
しかし、、現実は好きな子とそうでない子と両極端になる。
あまり読書好きでなくてもある時期、あることをきっかけに好きになることもある。
自分自身もそうだ。
高校まではまったく読まなかった訳ではないが、決して本好きとは言いがたかった。
しかし、あるとき「竜馬がゆく」という歴史小説に出会ってからは、収入のほとんどを本につぎ込むほどに没頭して本を読んだ。
だから、無理しなくても自分から興味わいて、読書好きになるということも多々ある。

小学校は、読書の時間が多く設定されている。
その時間になると図書室に連れて行って読書をさせる。
これでも十分かと思うが、こんな方法で読書好きになるきっかけをつくることもいいだろう。

まず、伏線をはる必要がある。
①教師による5分間程度の本の読み聞かせ
②可能な限り図書室に連れて行くこと
③教師によるおすすめ本の紹介
④教師がおりにふれ、読書の効用を説くこと
⑤教師自身が読んでいる本の紹介

時には紹介カードを書かせる。
紹介カードに書かせる内容は次の通り。
①本の題名
②本の著者
③心に残った場面の絵(本の表紙画像を印刷して貼り付けてもよい)
④紹介者の名前
⑤私が考えたキャッチコピー
⑥紹介文

⑤のキャッチコピーの指導は次のようにする。
・キャッチコピーは短い言葉のなかにおすすめ本の魅力や情報をぎゅっと集めた、読み手の心をつかむための文章
・カードを読んだ人が本を読んでみたくなるような魅力的なキャッチコピーを考える
・例をいくつかあげる

⑥の紹介文は、次のような指導を行う。
・200字程度で書く
・あらすじだけを書くよりも、盛り上がる部分の紹介や感想を中心に書く。
・結末(話しのオチ)は直接書かず、読み手に期待させる文章を書く。
・4段落を目安に書く。
第1段落 どんな内容なのかを大まかに書く。(あらすじ)2~3文
第2段落 特に面白かった場面や心の残った場面を書く。3~5文
第3段落 読んだ自分がどんな気持ちになったか(感想)を書く。2~3文
第4段落 紹介カードを読んでいる人に向けて、絶対この本を読んだ方がよいとすすめる。2~3文

このような活動のあとにビブリオバトルという本の紹介ゲームを行う。
手順は次のようになっている。
①発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
②順番に一人5分間で本を紹介する。
③それぞれの発表のあとに参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行う。
④全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか」を基準とした投票を参加者全員1票で行い、最多票を集めたものを
「チャンプ本」とする。

学級によってルールの微調整はひつだと考えるが概ね1時間を使って行う。

学級での具体的な手順は次のようになる。
①5名程度で班を作らせる
②班内で、紹介カードを使い、本の紹介をさせる。1人90秒以内とする。
③1人が紹介した後、本に関する質問タイムを1分程度設ける。
④②③を繰り返す
⑤全員の紹介と質問が終わったら、自分が一番読んでみたいと思った(自分の本以外の)本を「せーの」で指さし、各班のチャンプ本を決める

⑥班のチャンプ本に選ばれた6名程度が学級全体の前で1人ずつ紹介し合う(1人90秒以内で紹介。質問タイムを1分程度入れる)
⑦全員が紹介後、学級全体で1冊チャンプ本を決める。(全員が1人3ポイントをもっていて、読んでみたい本に3回手をあげることができうようにする。その際、代表になった6名は、自分の本に1票は入れてもよいこととする。)

⑧ビブリオバトル後、全員分の紹介カードを教室に掲示する
 作成した紹介カードを教室に掲示し、情報交換させる。
 ※第2回ビブリオバトルを実施する旨を子どもたちに知らせておくと次のモチベーションにつながる。

副次的効果として次のようなことも期待できる。
①プレゼンテーション能力の向上
②子どもたち同士の共感的な人間関係の醸成
③楽しく知的な学習風土の形成

saitani
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