飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

教生七則

2006年03月12日 22時03分47秒 | 授業論
芦田恵之助には三人の子どもがいたが、三人とも教師とは異なる道を選んだ。
芦田自身は、三人のうち一人は自分と同じ教育の道に進んでほしいと考えていたようだが。
芦田には孫娘がいた。
名前を倉員登美子といった。
彼女は小さいころ、芦田の家によく遊びに行き、そこでその家を訪れる多くの教師の話をきいた。
その話の数々に心を強く動かされ、やがて教員への道を歩むこととなった。

いよいよ、教育実習が始まろうという日の朝、芦田は一枚の和紙を孫娘に見せた。
そして、こういった。
「わしが、教生諸君に話してきたものがこれじゃ。」
その和紙に書かれていたこととは次のような内容だった。

教生七則

1 再び合い難き期間と心得べきこと
2 常に寛容の徳を思うこと
3 志を高く持つこと
4 児童の求むる心を養うこと
5 劣等児に着眼すること
6 教育はどこまでも育てる仕事であること
7 指導を受ける時素直な心であるべきこと

そして、こう付け加えたという。
「生まれながらの劣等児は、おらんのじゃ。
 教師がつくる劣等児がおる、心せなならんことじゃ。」
教育には、こうした厳粛さが必要だと思う。
志をたかくもっている教師はどれほどいるのだろうか。
子どもたちに要求していることの半分も自ら努力しているだろうか。
この初心をいつまでも忘れてはならない。

SCENE160(saitani)
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