飛耳長目 「一灯照隅」「行雲流水」「万里一空」「雲外蒼天」

「一隅を照らすもので 私はありたい」
「雲が行くが如く、水が流れる如く」

教師の閃き

2023年02月22日 00時00分00秒 | 教師論
授業をしていたり、教材研究をしていると、この発問がいいのではと閃く瞬間がある。
道徳の説話を考えているとあのエピーソードが効果的だ。
算数の教え方の手順を考えているときにこの順序にしたほうがわかりやすい。
こんな閃きをするときがある。
その要因はなんだろう。
ただ単に引き出しの数が多いからだろうか。
多くの情報をもっているからだろうか。
それもあるだろう。

こんなエピソードがある。
元国際線機長 横田友宏氏の言葉。

窮地を脱した経験を話す中の一つ。
真冬のフライトで、空港につく直前にコックピットの窓ガラスの内側一面に霜がはって、全く外が見えない状態になった。
原因は窓ガラスのヒーターすべてが故障していたのだ。
緊急時のマニュアルはあるので、それをすべて試してみたが、全く回復しない。
お湯でガラスをふくが、外は零下50度、お湯も瞬時に凍りつく。

そこで横田氏はある言葉を思い出す。
若い頃、緊急脱出訓練の際に耳にした教官の一言だった。
「水消火器の中の水は、不凍液だから飲めませんよ」
そこでピンとくるのである。
これなら氷がとけのではないかと。
CAの指示してもってこさせる余裕はない。
自らコックピットを飛び出し、おしぼりに消化液を出して窓ガラスをふいた。
幸い、氷はすべて溶けた。

でな、なぜ閃いたのか。
横田氏は言う。

振り返ると、常日頃「どうしたら安全に飛べるだろう、自己を起こさず済むだろう」と必死で考え続けていました。
だから何気なく聞いていたことが個々の片隅に引っかかっていたんでしょう。
私は、パイロットに一番大事な資質は、「努力をし続ける脂質」だと言っています。
常日頃から努力を積み重ねていると、想定外の事態にあった時にすっと助け舟が入るという実感があります。

常日頃から、どうしたら良い授業ができるだろう。
どうやったら、子どもたちが成長できるだろう。
いつも考えている。
そうすることにより、何かが閃く。
学校を離れたら授業のことは考えない。
気分転換するときには敎育から離れる。
このことは間違ってはいない。
しかし、このような状態ではおそらく、輝く閃きは絶対に降りてはこない。

saitani
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