性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

楽しい連休のお仕事(笑)

2009年09月20日 11時59分43秒 | Weblog



更新が遅れました。
本日は、苫小牧まで所用で来ております。
途中、札幌市内から高速に乗って、道央道を南下したのですが、
市内の高速がかなり渋滞しておりまして、
10時に札幌を出発したのですが、
ふだんの倍近く、時間がかかってしまいました。
高速道路の半額日、連休本格化で、途中のパーキングも
これまで見たこともない混雑ぶり。
民主党の政策では、高速道の無料化、北海道と九州から
試行的にスタートと言うことだそうですが、
はじめた当座は、やはり相当に混雑するのかも知れませんね。
しかし、カミさんと一緒に出ていますが、
パーキングでの混雑ぶりなど、
「こういうにぎわっている様子を見るのは、景気が良く感じていいかも」
っていう意見でございました。
わたしは、渋滞とか混雑とか、もう勘弁して欲しい、というところなんですが、
まぁ、景気が上向いていくのは大賛成。
さて、どうなるでありましょうか?

昨日は午後から当社2階のスペースでイベント。
ある会社のリフォームイベントであります。
北海道R住宅でいっしょに活動しているエスパスの宮下さんとの掛け合い。
宮下さんは、ある住宅会社を退職して、
現場で遭遇する住宅の問題点をドクター的に見ていきたいと起業した方。
なので、写真は、ふつうなかなか遭遇しない住宅の被害の実態が
くっきりと明瞭になります。
北海道の住宅では、どうしても居住空間内での水分コントロールが
木材の腐朽ともからみあって、大きな問題。
それがまともに現象として確認できる写真の数々は
大きなインパクトを与えてくれます。
お集まりのみなさんも、しばしば絶句されていて、
なによりも雄弁に、住宅の性能の重要性を認識していただけたことと思います。

本日の所用というのも、まぁ半分以上は仕事。
それでもきのうから今朝に掛けては
家の中の整理整頓作業に一生懸命、取り組んでいまして、
なかなかできない大掃除も仕掛かっております。
楽しい(笑)、休日を過ごしつつあるわが家であります。ではでは。





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日本周辺北方交易の要衝地域

2009年09月19日 08時52分01秒 | Weblog



さて、本日から「シルバーウィーク」という
秋の連休って言うのだそうですね。
まぁ、まったく知らずに過ごしていて、
24日の前に出張に出たいと、23日の航空便を9月初旬になって探したら
どの便も満席という事態に遭遇。
用事は24日に関東・茨城県の常陸太田市での取材。
その後の予定その他もあり、仙台との往復で考えたのですが、
全便満席に近い状態で、不可能。
で、やむなく24日の朝1便でなんとか、仙台から自動車移動で
到着する予定を立てています。
まぁ、この時期に長い連休があるというのは意識していなかったので、
連絡なども、つい遅れ気味だったのはあります。
年末に向けて仕事が大車輪で動き始める時期なので
こういう時期の大型連休、早めに感覚が慣れないとちょっと困難が発生しますね。
出張手配などでも影響はあったわけですが、
そのほかでも、仕事の段取りなどで、
大型連休中、身動きが取れないことを理解していないので、
ちょっととまどう次第であります。
どうなんでしょうね、給料日の直前のこの時期、
長い休みとは言っても、もくろみ通りの結果は得られるのでしょうか?

とはいえ、連休であります。
きょうは頼まれたイベントが開催されるので、
午後からは仕事ですが、
あとは、一応23日までは、手持ちぶさたな日々。
なんの予定も組んでいない(笑)、中年男の休日であります。
まぁ、カミさんと近場でも外出するような日程になるでしょうが。
そんな休日なので、書斎にたまった資料や書籍をひとめくり。
そうなるとやはり、ライフワークテーマの
北方アジアの「生活文化」や「歴史」研究です。
こういうテーマの研究に没頭できるようになりたいというのが
わたしの小さな願いなのですね。
で、前から興味を持っていた「間宮海峡」です。
昨晩から、オホーツク文化人の足跡とか、歴史事実を探っていて、
どうやら、かれらが活躍していた時代、8世紀から10世紀、
もっと具体的には、700年代から900年代に掛けては
気候が大変温暖で、オホーツク海には流氷が接岸しないような
そういう気候だったのだそうです。
このひとたちは、アジアのバイキング、という別称で、
大型海獣狩猟に優れた技術を持った民族だったようです。
かれらが日本のオホーツク海沿岸域に定住したこの期間に
いわゆる「北方交易」というものが盛んになるのですね。
京都の貴族社会で、「鷹の羽根」や「アザラシの毛皮」などが
最高級嗜好品として、貴族のステイタスシンボルになった時期に相当している。
また、この時期に北東北地域での馬産産業の隆盛がある。
なぜ、京都の政権が東北の経営に深い興味を持ち、
侵略戦争を繰り返したのか、という意味もどうもその辺に根源がありそうです。

そういう活発な日本周辺の北方交易のキーポイントが
大陸とサハリンの間の間宮海峡。
ここを通って、オホーツク文化人も日本に南下しただろうし、
安倍氏・清原氏・藤原氏という東北の王権も
大いに北方交易の実を上げたに違いない。
安倍氏には、ここを通って大陸側である「靺鞨~まっかつ」国まで当主が行ったという
氏族伝説も残っている。
帰ってきてから「あんなとこは人間の住むところじゃない」という
印象を語ったと言うことなのですが(笑)、さて真偽のほどはどうであったか。
また、多賀城碑文には、多賀城から靺鞨国境まで3000里という
地理認識が書かれていて、この間宮海峡を渡れば、
たしかに海の道も足していくと、ほぼ間違いがないと推定される。
アジア北方民族というのは、少数民族がたくさんいて、
狩猟採集型の民族で、活発な交易活動が基本的な属性。
日本の歴史にも、大きな影響を与えたに違いないのですね。
その鍵を握っているのが、最狭部で7kmほどというこの海峡ではないかと
いろいろな想像力が沸き上がってくる地図です。
(地図は、Wikkipediaの使用権許諾のものです)





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和風空間の照明

2009年09月18日 06時53分03秒 | Weblog



写真は十和田市の道の駅隣接の工芸館内部。
まぁ、いつも感じているのですが、
こういう空間が受け入れられるようになってきたのには、
照明装置のイサムノグチさんのデザインの力が大きいと感じます。
はじめてこのデザインに巡りあったとき、
逆にどうして今までこういうモチーフのデザインがなかったのか、
そのことのほうが不思議に感じられたものでした。
父日本人、母米国人という日系アメリカ人芸術家だからこそ、
自分のアイデンティティに根源的な問いかけを発した結果の表現なのでしょう。
やはり天才的な仕事というのはあるのですね。
天才の仕事って、出来上がってみればずっと前から存在し続けてきたような
そういう感覚を呼び覚まさせるものがあります。

この写真で、たとえば、イサムノグチ以外の照明シェードって
考えられるでしょうか。
少ない知識では、なかなかほかの照明デザインを想定することは難しい。
和紙という素材と、竹の造形の繊細さ、
灯りとしての、やわらかい光源感。
そういったものが、柱や梁、白壁、黒っぽい床面など、
日本的な建築装置を引き立てている。
こんな照明が現れたことで、
「そうか、こういうデザイン空間って本当に素晴らしいなぁ」
と、多くの日本人は再確認させられたのではないでしょうか。

なんですが、
わたしの友人のひとりは、「ああいうのだけ、俺ダメなんだよな」
っていうのがいます。
詳しくその感覚を聞いたことはないのですが、
ちょっと理解できない(笑)。
わたしの方が常識的なのか、かれの方が常識的なのか。
どうにも、腑に落ちない意見なので、
いつも気になっております。
が、どうなんでしょうね。案外こういうの嫌いだ、という意見も多いのでしょうか。
一回、アンケートでも見てみたいものだと思います(笑)。






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1952年の北海道の住宅

2009年09月17日 06時53分51秒 | Weblog




ふたたび、北総研の発表会セミナーからの報告。
研究発表に先立って北海道住宅の流れを説明する際に見せられた写真。
昭和27年というのは、わたしの生まれた年であります。
年号って、やっぱり連続性として記憶するときにちょっと記憶しにくい。
平成という新しい年号になって、あれ、何年ころだ
っていうように、周辺的な事実が不鮮明になってしまう。
そこへいくとやはり西暦は、概略の時代背景が即座に見えてきて、
いろいろな情景を思い浮かべるのに便利だと思います。

っていう次第ではありますが、
これが、いまから57年前の北海道の一般的な住宅です。
戦争が終結して、大量の復員者が北海道各地に開拓者として入植した
その直後に建てられた住宅なんですね。
住宅というか、まぁ、小屋がけと言った方がふさわしいのかも知れません。
壁にはかろうじて木材の板が張られていますが、
屋根はどうも茅葺き。
柱もたぶん、掘っ立てで立てられていて、
垂直が確保されているようではない。
もちろん、本職の大工に頼めるようなゆとりがあるわけもなく、
開拓者が自分で建築したことが偲ばれる。
戦争という社会の崩壊のような状況から、まさに命を繋ぐ最低限のスタートライン。
そんな状況がひしひしと伝わってくるような写真です。
こういう現実から、戦後の北海道の住宅ははじまったのですね。
全国の地方政府・自治体で、住宅建築についての専門研究機関を持ったりしているのは
特異的に北海道だけなのですが、
その使命感の源泉に、こういう建物で、厳しい自然条件を克服していかなければならないという
いわば、切羽詰まった状況があったのです。
悲惨ではあるけれど、とにかく何とかしなくてはならない、
っていう使命感のようなものは、多くの道民共通の課題だった。
今日でも、建て主と、技術者・研究者など多くの人間が
共通の課題として認識できている部分があるワケなのです。
本州地域で、建築技術知識がいわばノウハウとして、
知識財として、それが取引材料になる部分を感じるのに対して、
北海道では、いつもフランクにそれが語られあっているのには
根源的なこういう共通項が存在しています。

まぁ、しかし、考えてみればほんの少し前まで
現実の姿はこんなものだったのだなぁと、改めて思い知らされます。
古民家、いあや、復元された古代の遺跡住居とも
そう大きくは違っていない。
こういう建物に、わたしの世代やわたしの父母たちは
いのちを育まれてきたのですね。





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寒地住宅の研究歴史

2009年09月16日 07時00分18秒 | Weblog



きのうのブログのこと、ある読者の方から、
「難しくてわからなかった」と言われました。
やはりブログのような形式では
内容を明確に伝えることは難しいですね。
ブログっていう表現形式は、若い年代のひとのを見ると、
絵文字や文字の大きさに変化を付けたりするとか、
そういう表現手段を使って、何かこれまでは表現しきれなかった
「日常生活的な発見」ということへの期待値が大きいのかも知れません。
それに対して、わたしのような年齢の人間の認識にとっては
ブログって、書き文字表現の、日記とエッセイの中間的な形態であって、
そうだとすると、明確な概念規定への厳密な態度までは維持しにくい。
概念をかなり限定して、明確な問題点整理、論理展開、
っていうようなことがらにはやはり、やや適さない感じがします。
そうなんですね、推敲もきちんとはやらないケースだって多いんです(笑)。
あ、申しわけありません。が、やっぱりそれが事実。

まぁ、一般のみなさんにとっては、
何を書いているのか不明だ(笑)、となりやすいですね。
これは簡潔に「申しわけありません」という次第です。
書きたかったのは、
北海道の人間環境創造という行為に関して、
ひたすら建物内部に限定して論じるのか、
もう少し大きい空間性について論じていくのか、の違いと言うことだと思います。
これはそれぞれのひとのスタンスの違いが大きいので、
場合によっては「かみ合わない」ことも多いのですね。
今後、いろいろな場でわたし自身も考え続けていきたいと思っています。

で、きょうは写真の建物であります。
説明も付いているので、そのまんまであります。
北総研の資料に中にあった「寒冷地住宅への研究の歴史」のひとコマ。
いまから90年前に、こういう住宅について北海道はコンペを行ったと言うこと。
これがそのコンペの結果の住宅なのだそうです。
こういうテーマでのコンペに必然性があり、
公共が先導していかなければ、
北海道にふさわしい住宅というのは、
なかなか自発的には生まれなかった歴史があるわけです。
屋根の形状と、風除室の概念、暖房設備、窓の開け方など、
いろいろ示唆的な形状がすでに考えられています。
窓はガラスを採用していますが、引き違いではなく、
上下窓が採用され、また窓面積も一般的日本建築とはまったく違います。
雪への配慮が屋根の作り方にいろいろ考えられています。
全体として、いわゆる「洋風」を踏まえたスタイルを感じますね。
いろいろなことが想像されて、まことにしげしげと見入らされた写真でした。




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北海道の住宅の未来を考える・・・

2009年09月15日 07時00分18秒 | Weblog


っていう、すごいネーミングの集会が札幌で開催。
大丈夫なんだろうかと、ちょっと不安に駆られましたが、
ここでもけっこう紹介している北総研の研究発表なのです。
年に2回、旭川と札幌で開催されているものですが、
ことしは、ちょっと趣向を凝らして、上記のようなタイトルのセミナーとなった次第。

午前中は北総研の研究発表が行われまして、
午後からは、写真のメンバーをパネラーにしたディスカッション。
建築家の五十嵐淳さん、
施工者として、武部建設・武部社長。
さらに研究者として、北総研・鈴木大隆さん。
進行役に北大工学部の瀬戸口先生。
コメンテーターとして、京都大学名誉教授の巽和夫先生です。
建築家の五十嵐さんと、研究者のみなさんって、
まぁ、異種格闘技戦に近い取り合わせ。
さて、どういう展開になるものやら、ハラハラしながら取材見学しておりました。

なかなか、論点整理も難しいテーマ。
瀬戸口先生は大変な役回りだろうなぁと。
時間も1時間程度しかないわけで、まぁ、まとめまでは無理がありましたね。
でも、積極的に五十嵐さんが問題提起して、
かなりいろいろなテーマも浮かび上がってきたと思います。
五十嵐さんは、その発表の中で、
内モンゴルでのコンペと、先般の美幌町の環境省エコ住宅コンペの
両方を題材に、2重入れ子状の建築を提案していました。
かれが制作テーマとしている「バッファーゾーン」
まぁ、内でも外でもないような中間領域、極言すれば縁側的空間のことですが、
そういう緩衝地帯的な領域を積極的に現代建築に導く方向を目指しています。
発表でも、そういう志向性が明確だったと思います。
そういう意味で、建物内部だけの環境コントロールではない、
あらたな北海道的な建築的問題意識を提起している。
北総研や北海道が目指してきた室内環境の性能的向上努力の
さらにその次の方向性を考えているということは出来る。
そういう志向性と、武部さんが取り組んできた日本的伝統の
木造工法の存続可能性の追求というものが、
さて、どのようにからんでいくのか、いかないのか、
比較的、問題点や論点の整理がかいま見えたあたりで時間切れになったのは
大変残念至極という感じがいたしました。
まぁ、でもそういう問題点というか、テーマの絞り込みができたと言うだけでも
大いに意義があったと思います。

建築の可能性という意味では、
五十嵐さんの提案にはいろいろな側面があります。
そのひとつは、2重入れ子状の建築外皮の作り方の問題。
マイナス30度くらいまで外気温が下がる美幌で
冬期間、おおらかな気温調節装置として機能するわけですが、
そういう内部ではたぶん、ほどほどの気温空間が実現する。
そしてその装置的なものはほぼ自然エネルギーで実現させる、という考え。
そうして作られる空間は、たぶん、零下にはならない。
一方で2重の内部では、より保温性を高めた建物を造ればいい。
そういうことで、農家住宅という特殊性はあるけれど、
面白い北海道的な建築の可能性を見せている。
まぁ、言ってみれば北総研に対して、
というか、多くの住宅関係者に対して、北海道の住宅が今後とも、
環境に対して、閉じ続けて行く方向で行くのか、
それとも開放させていく方向性で行くのか、
その中間的なものを目指すのか、
論点はどうもそのあたりのような気がしました。

そのときに、建築の基本としてあり続けるだろう
木造という生産形態が、どのように伝統を紡いでいくのかどうか、
まぁ、大変面白い展開でしたので、
今後、わたし自身も考え続けていきたいなぁと思った次第です。
パネラーのみなさん、大変お疲れさまでした(笑)。





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しがみつく御神木

2009年09月14日 06時03分01秒 | Weblog



きのう、おとといと
建築家セミナー相談会を開催しておりました。
すっかり恒例化していまして、
まぁ、少数の参加ですが、逆に充分、建て主さんの状居を把握して
相談にたっぷり時間を割くことができるので
なかなか有意義というか、実質的な進行ができるようになってきています。
しかし、さすがに休みなしで新しい週に突入で、
句読点の打ち方が難しい。
まぁ、日帰り温泉に仕事のあと浸かってきまして
本日は爽快な目覚めではありまして、なんとか頑張ろうかなと(笑)。

さて、写真は以前取材に行った上ノ国でのもの。
北海道の中世期、戦国のころの遺跡があります。
甲州武田氏の末裔を名乗る、松前藩の始祖・蠣崎氏が
この上ノ国の台地上に構えた城郭が遺跡として残っているのです。
で、この樹木は、武田氏は源氏ということで、
ふもとに「八幡神社」が造営されていまして、
まことに古式なたたずまいの神社。
その鳥居横に立っているのであります。
一見して、異様な風体であります。
根の部分がまるで、韋駄天の足のような動きを見せていて
とても植物とは見えない、むしろ動物か、いや、生物というに近い、
っていうようなまことに面白いポージングを見せてくれています(笑)。
地元の方に樹種も聞いたのですが、
たしか、広葉樹であまり北海道には生息しない木だったような記憶があります。
きっと、武田にゆかりのある樹種なのか、
神木として植栽されたものと思います。
しかし、この地はまともに北西側に海が広がっていて、
冬には強烈な季節風が吹き付けます。
それにやられて、土壌が吹き飛んだり、
あるいは必死に地面にしがみつこうと根の部分が異様な成長を遂げたのか、
その両方でしょうが、こんなようなかたちになっていったのでしょう。
神木というより、まことに人格を感じさせるような樹木ですね。
この木の下で酒でも酌み交わしたいような思いに駆られます(笑)。
結局、北海道の開発にさしたる動きを見せず、
既得権益にしがみつき続けた松前藩そのもののようでもあり、
なんとも威厳のない表情が、ユーモアを感じさせてくれていました。




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企業再生~2

2009年09月13日 07時03分55秒 | Weblog




きのうの続きです。
写真は再稼働を開始したラインの様子。

大阪が基盤の会社、創建さんという会社は、
「外断熱」(正しくは外張り)がウリで
本州地域で戸建て住宅を年間500~600棟程度販売しているそうです。
木の城というイメージ通り、ふんだんに地元産材を構造として使い、
断熱手法としては外側断熱を採用するのは、
確かに、相性がいいかも知れない取り合わせ。
北海道の標準的な高断熱手法には背を向けてきたのが
かつての「たいせつ」さんであり、
その意味では、デザイン云々よりもそういう断熱手法の変更の方が、
大きい部分になるかも知れないと考えます。

セレモニーでは、
かつて訪問したという北海道知事さんから
「斬新なデザインに変更してください」と言われたことを
新しいデザインパネルを寄贈して、お返ししておりました(笑)。
高橋知事さん、本音で言ってしまったのかどうか、
あんまりストレートな意見の見えにくい知事さんにしては、似合わない発言があったと
変に感心させられた次第(笑)。
いろいろな意見はあると思いますが、
あのスタイルで、しかし19000棟もの実績が上がっていたのですから、
簡単に、そう決めつけられないのではないかとも思います。
デザインだけ、中身の作り方と関係なく変更することが
それほどいいことか、どうか、
好みの問題は別にして、やや疑問とも思っています。
ユーザーは案外、総体としてのイメージで企業姿勢をとらえるものであり、
単純に外観デザインを、その中身と切り離して考えるのは、
企業イメージを希薄化させることになるのではないかと
ちょっと、疑問を感じた次第です。
まぁ、そうはいってもこれまでのデザインからチェンジしたいというのは
ごく自然な方向ではあると思います。

いずれにせよ、そうことは簡単にはいかないだろうと思います。
新築マーケットも「回復」というような状況になるかどうか、
むしろ現状程度で固定化して、
まったく別のマーケットに住宅建築自体が向かうような予感もあります。
一方で、地域の願いというのも痛いほどに感じることができました。





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企業再生~1

2009年09月12日 07時20分28秒 | Weblog


なぜかこういうのにめったに呼ばれることはないのですが、
きのうは、北海道地元の大手住宅企業だった、
「木の城たいせつ」の破綻から、その企業再生をめざす、
「きのしろ」「たいせつ」両社の再稼働式典に呼ばれて行って参りました。

「木の城たいせつ」は、北海道の住宅の歴史の中で、
きわめて大きな存在であったことは事実だろうと思います。
残された住宅の数でも、なんと19000棟に上るという。
いわゆる「無落雪屋根」の登場時期に「耐雪~たいせつ~ハウス」という
企業名そのものがキャッチフレーズであるというわかりやすさで
北海道の住宅と雪の問題に明確な解決法をアピールしていった存在です。
まぁ、無落雪屋根のひとつの工法、M形屋根について「特許」云々ということもありました。
その後、M形屋根から、フラットルーフに無落雪屋根の主流は移っていくわけですが
それでも、大きな足跡であったことは間違いがないと思います。
このふたつの違いは屋根に乗せた雪を
建物内部に「樋」を設けて水にして落とすというM形に対して、
小屋裏の断熱を強化して、屋根の上に雪を載せたままにするフラットルーフ
というような違いなわけです。
M形が屋根面からの熱漏れを半ば前提にした工法であるのに対して
フラットルーフの方が、合理的な解決法であるとは言えるでしょう。

しかし、こういう提案が敷地サイズを大きく取らねばならなかった北海道の住宅から
都市圏の狭小敷地利用を可能にしたという意味では、
経済的な側面で、大きなメリットがあったと考えられるでしょう。
いろいろに論議はあったとしても、なにより、
19000棟の建築実績を残したという意味では
多くの北海道民に支持されたことは間違いがない。
もうひとつ、この企業が大きなインパクトを持っていたのは、
北海道の木を大量に原木から仕入れて、
乾燥工程から、集成技術まで行う大きな「工場」を、いわば
「地産地消」の先駆けのような存在として取り組んできたことがある。
最盛期には、雇用者数が1300人を超えていたというように、
この工場生産を地元経済振興として取り組んできた側面は大きい。
きのう、わたしも初めてこの工場を見たのですが、
まぁ大変な広大さで、ちょっとびっくりしてしまいました。
企業経営で考えると、
こういう基本的生産コストが大きい、という形態は
なかなか変化の大きい時代には対応が難しいと思います。
そういうことから、建築基準法の運用厳格化による
「混構造建築」の建築確認ベタ遅れに直撃を受け、
高コスト生産システムが、資金ショートを招いた側面が大きい。
まぁ、そのほかにもいろいろな経営的硬直化はあったものと思います。

後継企業は、大阪を地盤とする「創建」という会社がバックアップします。
写真真ん中は、新会社の社長、吉村氏です。
左右には、地元栗山の町長さんや、北海道の空知支庁さんなど、
地元経済の大きな担い手としての期待が掛けられています。
~長くなりそうなので、続きは明日以降に。





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気晴らし靴磨き

2009年09月11日 06時45分50秒 | Weblog



先日、そこそこ気に入っていた靴にガタが来まして
それを機会に靴箱を整理したら、
同じように「これはちょっとなぁ・・・」という状態のがもう一足。
でも、なんとなくゴミに出すのが忍びなくて・・・、
というヤツを再発見。
まぁ、しょがない、とゴミに両方出す決心をつけました(大袈裟)。
でも、気に入っていたヤツは途中で一回修理したりもしていたので、
やはり愛着はあったのです。
ちょっと堅めの履き心地で、それはそれで好きだったのですね。
でも、2回目の破綻と言うことで、しょうがない。

っていう次第なので、整理して夏冬とも
履ける現役の靴は3足。
長く使っていくためには、ということで、
「きちんと手入れをしなければ」と思い至りました。
どうしても手抜き靴磨きで、簡単にすませていた。
ちゃんとクリームを付けて手入れってしていなかったのですね、しばらく。
仕事の途中で靴屋さんに寄って、靴クリームを購入して
帰ってみてみたら、案の定、靴クリームはちゃんとありまして、
使っていなかっただけ。
日頃のずぼらさを再確認させられますね(笑)。
何となく似ているので、見てみたらeccoというヤツなんですね。
気に入っていた記憶はあるけれど、
こればっかり残ったというのにはちょっと驚き。
まぁ、履きやすいので、いいのかなぁ。
面倒くさがりなので、手抜き一気磨きということですが、
とりあえず、クリームを付けて磨いてみた次第です。
やってみると、そこそこ作業は楽しい。
これは嵌りそうかなぁ、と日課にしたらそこそこ楽しいかも。
そういえば、靴磨き屋さんって、最近あんまり見かけません。
そういうビジネス街に足を運ばないということが大きいけれど、
どうなんでしょうか、
東京のビジネス街でも、靴磨き屋さんあんまりいない。
知っているのは羽田空港のコーナーくらい。
やはり、景気後退とか、影響しているのでしょうか。

自分で靴磨き、当たり前ですが、
久しぶりにきちんとした手入れをしたら、
気持ちの方もスッキリしてきます。
ストレス発散には悪くないかも知れません。
なにより、無心に作業できるのがいい。
先日の長期優良住宅先導的モデル事業の審査委員長、巽和夫京大名誉教授のお話を
聞いたときの「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使っていく」
という精神、思い起こされました。
ずぼらな性格ながら、小さなことからはじめていかなければなりませんね。




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