性能とデザイン いい家大研究

こちら 住まいの雑誌・Replan編集長三木奎吾です 
いい家ってなんだろう、を考え続けます

無落雪屋根住宅の外観デザイン

2009年09月02日 06時19分45秒 | Weblog



写真は十和田市周辺の新興住宅地に建つ住宅。
Jホームさんのモデル住宅の外観です。
この会社では注文住宅を2パターンに考えていて
こだわりに応える本格注文のタイプと、
価格を抑えたプランの2パターンを用意しています。
で、こちらは価格を抑えたタイプのほうです。
建て方はツーバイフォーなのですが、断熱は構造の外側で
外張り断熱を採用しています。
そのうえ窓は木製3重ガラス入りサッシを採用しています。
スペックで見ると、この価格帯でよく木製窓にしているとびっくり。
で、断熱が外側に出ているので、
窓辺の表情には深みがあります。
無落雪屋根で、かたちもシンプルなボックス、ということで、
どうしても平板な印象になってしまうのですが、
屋根の高さを変えたL字平面の飛び出し部分や窓の雰囲気で
なんとか、イメージを出したいと考えている様が伝わってきます。
こういうなかでデザインを考えるとしたら、
あとは、玄関前の小屋根を付けた部分でしょうね。

こうなってくると、表情は窓の位置と色合いバランスなどが
勝負になってくる。
価格を抑えて、イメージを表現するというのはまことに大変難しい。
窓も、1階の窓の開け方、2階の窓の開け方で
それぞれ、周辺の壁との面積比率などが決定的とも言える。
壁と窓との配置計画、バランスというものがキーポイントになってくる。
あと、考えられるのは屋根の板金と壁上部の取り合い部分や水平ラインなど。
なかなか、価格の制約の中で個性を表現していくのは至難。
最近、いろいろなローコストメーカーのデザインを見ているのですが、
それぞれにどうやったらいいか、と試行錯誤している様子がよくわかりますね。
最近は、建物の形態で若干の変化を付けるとか、
変化を付けた部分の壁材料仕上げに工夫を凝らす、という傾向。
いずれにせよ、数少ない勝負ポイントの中で、
各社とも、ギリギリの作戦を展開していますね。
小泉改革以降、中間層が減少して、ほんの一部の高級層需要と
大きい部分のローコスト志向、という2極分化が
住宅分野でも、このようなデザイン傾向として現れています。

こういうのも、歴史的な社会構造を表現していたものとして、
後世、この時代を表す一例として語られるようになるのでしょうか。






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