三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

現代世界での家・子育て

2014年07月29日 05時14分46秒 | Weblog


歴史を学ぶということは、深まってくると
今、現在の問題に突き当たってくる。
現生人類という種族のおおまかな歴史すら知見が及ぶようになって来て
そして人口爆発が、実はごく最近になって起こっている、
さらに過去に人類が経験してきた大きな変化の発生する波動が
ごく最近、数十年の間に加速度的に切迫してきている。
というような知見が、次々に明らかになってきているのが現代だと思う。
そういうなかで、加速度的に経済規模が拡大してきて
その維持発展のためには、労働力人口の確保が緊喫の課題になって来た。
解決策としての女性の社会進出、仕事を持つ女性の数が
飛躍的に増えていく中で
一方で、「核家族化」も同時に進んでしまっている。
人口減少と核家族化との間にはたぶん、大きな因果関係がある。

わたしの経験してきた「家」を考えてみると
祖母はわたしが生まれてすぐに亡くなり、夫婦と子ども6人の8人家族になった。
戦前までの「小作」から解放されて、小規模ながら地主としての
農家経営に必死に取り組み、周辺の農業生産物も買い入れて
それを産直商品として、大阪や東京の「市場」に送るという
農業と商業の両方を行っていた。
やがて、そういったスタイルの限界を悟って、
都市での食品製造業への転換を志して、札幌に移転した。
そこから家族一体となって食品製造業に邁進してきた。
その間家族8人、夫婦と子どもたちが力を合わせて戦ってきた。
札幌の人口急成長と、戦後の経済成長という幸福な時代だったといえる。
よく母親はがんばってきたのだと思う。
彼女は、農家労働の中核的な担い手であり、
同時に6人の子の母親として、子どもたちを父とともに育て上げた。
その間、大きな意味では父方、母方の「大家族」に支えられてもいたと思う。
そしてわたしは、ふたりの子どもを同じように夫婦共働きで育てた。
子育てでお世話になったのは、保育園や学童保育という
社会的な子育て支援システムだった。

女性労働力の活用が
いま、先進国では不可欠な成長維持要素と考えられている。
しかし、現代の核家族システムの中では
やはり子育てシステムの工夫改善が欠かせなくなってくる。
ただ、加速度的な人類社会進化速度に、
類的な子育てシステムは、ほんとうに追いついていけるのか
というような疑問は感じざるを得ない。
しかし、人口の都市集中が強固な固定化を見せる中で
江戸や戦前までの地方大家族システムのような段階に
いまさら戻るわけにはいかないだろうし、
この核家族社会のなかで対応策を考えていかなければならない。
次の世代、そしてそのまた次の世代へ、
わたしたちは、どんな社会システムを構築していけるのか、
どんな知恵を出していけるのか、
突きつけられている課題は、根源的だと思う次第です。

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