写真は最近の「住宅クレーム110番」への投稿リスト。
大体、日に2~5程度の投稿が舞い込むのです。
で、これを読み込んで、その上で、回答アドバイスをボランティアの
建築関係技術者のみなさんにお願いする次第。
場合によっては、NPO住宅110番としての回答アドバイスなどもします。
まぁ、日課にして取り組んでいかないと、溜まると大変になる。
そういうなかでも困ってしまうのが、マンション騒音問題なんですね。
きのうはフジテレビ系列の夕方のニュース番組からインタビューも受けまして、
お答えはしたのですが、たいへん難しい問題。
一応、壁面などの防音対策として、最近アドバイスをいただいたケースでは
以下のような方法がありました。防音対策として
隣室との境界壁に石膏ボードを施工して
さらにGWを充填するという方法を業者さんから提案されたユーザーへの回答です。
アドバイスいたします~(ハウテック)
そもそも、界壁に石膏ボード(GL工法か?)がちょっと不安ですね。ご懸念のとおり、太鼓現象がお隣側にも張ってあるのであれば、発生するでしょう。室内で大きなレベルで音を発生させる場合は、これを吸収すべく設備を施せば、他に伝播するレベルを下げることができます。簡単なのは部屋の容積に比して、表面積を増やすことです。通常のマンションですと、吸音する何ものもなく遮音性ばかり上げているので、室内で手を叩くと日光の鳴き龍みたいな音が聞こえます。ただ、天井に懐があるとか、二重壁にするとかの室内の余裕がないので、十分な吸音処置はなかなか困難です。となると、オーディオ空間としては悪くなりますが、結局はさらに遮音性を高めて隣戸に迷惑を掛けないのが最善の方法になるかと思います。
とりあえずは界壁のプラスターボード張りの部分は、言われる通りグラスウールを充填してください。200k以上の密度の濃いものとします。プラスターボードは2枚張りとして間に遮音シートを挟みこんでください。3ミリ以上のものとしてください。天井は直天であれば、軽量下地で組んでこれにプラスターボード壁と同じように遮音シートを挟みこんで二枚張りとします。軽量下地部にはグラスーウールを充填してください。仕上げはビニールクロスではなく高いですが、布クロスを使用してください。吸音率が高まります。カーテンは布の厚い吸音性の高いものにして、室内の椅子などは木製、皮製を避け、布製のものを使用してください。床はフローリングであれば、置き敷き絨毯をしてください。室内出入り口は防音木建具に変更します。給気口があればこれも防音タイプに変えてください。この処置で30dBぐらいの遮音効果が期待できます。ほぼ、周囲に迷惑を掛けずに音楽を楽しめます。工事費はオプション費用で100万もアップしないでしょう。全く同じ工事で、グランドピアノを置く音大生の部屋を2回、マンションでオプション工事をした経験がありますが、クレームはありません。私はこれで十分かと思います。
通常のケースでは、下の階の音がうるさい、
というケースはまれなので、天井面の防音はあまりケースがないと思いますが、
その場合は壁面と同様な工事を行う方法も考えられるでしょう。
首都圏など密集地でマンションにお住まいのみなさんなどには、
おとといの裁判所の判例は、人ごとではない問題。
で、本当にわたしにも人ごとでない経験があります、それはあしたに。
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