図は、65歳以上人口の「健康度」を表したデータ。
統計がまとまっている2008年段階で、
全くの健常状態の人口がおおむね2000万人。
入院している人はごく少なく百万人以下のようです。
外来や「要介護・要支援」を合わせて、7~800万人という状況。
ざっと見て、七割以上は健康状態を維持している。
要介護・要支援よりも「外来総数」の方が
より「入院総数」に近い、というように読み取れるのですが、
厚労省的には、どういった認識であるのか、
ちょっと不明ですね。
この数字を見て、どう考えるかは見方によるでしょうが、
案外、健康な人の割合が高いという印象。
昨年、還暦を迎えた高校同期の仲間たちを見ていても、
ポツリポツリと病気のことを聞くけれど、
おおむねは元気いっぱいという人が多い。
少なくとも人生の「上がり」というような実感には乏しく
なんと同期同士で再婚したというカップルまでいて、ほほえましい。
総じて人生の半ばでやや小休止が来た、くらいの感覚。
ただ、仕事についてはリタイヤする人が徐々には増えてきた。
しかし、やはり社会への参加感覚は持っていたいようで、
継続的に働き続けている人が多い。
たぶん、仕事を継続していた方が
精神的にも健康を維持できるのではないか、という気がします。
社会的には、こういった健康な高齢者をどのように活用するか、
社会活性化に活かせるかどうかが、
国レベルでは重要な指標になるのではないかと思います。
社会保障という概念が導入された頃には、
60歳以上人口というのは、ごく少なかった。
だからそのごく少ない高齢者に対して、社会全体で支えようという
そういった哲学に基づいて制度が作られていった。
そういう意味では前提条件は大きく変わってきている。
住宅についても、これまでは高齢化対策というと
バリアフリーというような概念が中心だったけれど、
より能動的な
「ユニバーサルデザイン」という潮流が大きくなって来ている。
どんな世代にも使いやすい、当然高齢者にも使いやすい。
という「デザイン」の問題としてクローズアップされてきている。
先日、石器時代から縄文時代への変化の過程で
社会的に食料調達方法がより簡易というか、容易になったことで
コロニーの中で高齢者が生存可能になった。
そしてその結果、「生きてきたことで身についた知恵」が
世代を超えて共有されるようになって、「文化」の多様性が生まれた、
というような知見を得ました。
そういうことが、住宅においても世界の先頭を切って
日本で始まる、というような見方も持っていくべきなのだと思われます。
注意深く、変化を見ていきたいと思う次第。
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