三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

防蟻の基礎断熱

2007年11月23日 06時59分21秒 | 住宅性能・設備

関東以南地域では、シロアリの問題が大きな課題。
わが社に寒冷地住宅の研修に来られた鹿児島の方から、
北海道ではシロアリ、どうしていますか?
との質問を受けて、お答えに窮したことがあります。
まぁ、あんまりいないんですよね。
そういう切迫感は薄い。

これまで基礎を断熱する場合、プラスチック系の発泡断熱材を使用することが
多いのですが、それだと、シロアリの食害が見られる。
って、すごいですよね、あんな工業製品を「食べる」んですからね。
まぁ、正確には食べて消化するのではなく、
その先にあるおいしい木材を食べるために、
このプラスチックの防御壁を「突破」するということなのでしょうね。
グラスウールだとシロアリは食害を及ぼさないようなのですが、
基礎にグラスウールを使うのはこれまで保持が大変だったし、
また、吸水性の問題もあったりした。
最近ではその両方を解決するような、撥水性を高めて、ボード状にした
グラスウールボードも出てきています。
一方で、発泡プラスチック系断熱材でも、問題を解決するモノが出てきた。
このあたり、北海道では取材であまり目にしないので、
たまたま、現場で見ることができて、新鮮に感じました。
今のところ、高価なのでこの現場では、土に接する基礎下側半分に
この「防蟻の基礎断熱」を施工していました。
上半分は通常の発泡プラスチック系断熱材。違いが色でも明確。
以下はメーカーのHPより転載。

防蟻性断熱材は、発泡が困難とされていたエンジニアリング樹脂のポリカーボネートを高倍率に発泡させた商品です。優れた防蟻性や施工性はもちろんのこと、安全性や耐熱性、耐衝撃性にも優れた基礎外張りに最適な断熱材です。

ということなのだそうです。
断熱での考え方は、基礎断熱するか、それとも床下断熱するか、
ということになり、高性能住宅ではほとんどが基礎断熱が採用されます。
こうして基礎断熱が普及していくと、
温暖地でのこのような断熱材の需要が増えていくのでしょうか?
というより、メーカーが数社、こういうタイプの商品を
出荷していると言うことですから、
徐々に、高性能住宅というものが温暖地でも普及しつつある
ということを表しているのかも知れませんね。
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