三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

美しい京都町家

2007年08月13日 09時49分28秒 | 古民家シリーズ


京都の街の散策で一番楽しいのはやはり、町家の風情。
今回の旅行でも、いろいろな建物を見学できました。
実際に使いながら、持続可能になるように考えて使い続けています。
地球温暖化防止のための象徴的な取り決めの場所が京都であった、
というのは、この運動を主導するヨーロッパ人たちの知恵を感じます。
かれらは、サスティナブルな建築文化として
日本の古建築、大寺社建築をインスピレーションにしている、
ということを語ることが多いのですが、
その延命の仕方のひとつのモデルとして、京都の文化を想定していることを感じさせます。
長く存続させていく工夫と知恵が、京都の文化のなかには
沈殿して、しかも生き生きと元気を持っているとも思われるのです。
写真はメインストリートの烏丸通りからほんの少し、30mほどに建っていたもの。
美しい瓦屋根、正面の木格子のデザイン、
アースカラーがそのまま、美しく古びているさまが、洗練を感じさせる。
さりげなく置かれた大壺などがぴったりとマッチし、
様式のなかに生き続ける凛とした美の感覚がここちよい。
「奈良漬け」と書かれた専門店のようでしたが、
買い物をするというよりも、その内部の空気感を味わってみたくなって、
思わず土産品として購入してしまった次第。
内部は、太い構造材の柱・梁がダイナミックに縦横し、
2層分の吹き抜け空間になっていました。
表側から見る繊細なデザイン感覚とは違って、力強い建物です。

何回も権力争奪の戦争によって灰燼に帰した京都ですが、
そのたびに不死鳥のように甦り続けてきた街なのですね。
日本建築の象徴といわれる伊勢神宮が20年ごとに式年遷宮されて
新たな命を、次の世代に活かし続けていくように
木造の建築文化のある部分を表現している気がします。
戦後、木造が焼ける、ということで建築文化の少なくともデザインの部分を
結果として否定し続けてきたのが、日本の建築法規だと思いますが、
さて、未来に向かって、残るのは法規なのか、
それとも、先人たちが培ってきた木造建築文化なのか、
問題意識を持って、考えていかなければならないテーマだと思っています。




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