三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

ジャパニーズインテリアの凧絵

2007年11月04日 06時33分57秒 | 古民家シリーズ


きのう、紹介した古民家に飾られていた凧です。
こういう凧の絵柄って、どういう作り手、書き手の手になるものなんでしょうか?
いつも興味深く考えさせられています。
棟方志功さんっていう画家は、津軽のねぶた絵師をやっていたそうですが、
こうした凧の絵師というのも、想像すれば同様だったろうと思います。
極彩色で、わかりやすい題材に取材して描き上げるものなのでしょう。
で、買う側の「わかりやすさ」や嗜好が反映されるのだろうと思います。
ただ、そう考えてもやはりわからないところがある。
わたしも好きで、こういうのを1枚家に飾っているのですが、
どこで買ったか、はもう覚えていないのですが、
絵柄が、畠山重忠となんとか、という源平盛衰記に取材したような武者絵なんですよ。
現代でいまなお、こういう時代の絵柄を題材に選ぶという感覚がよくわからない。
いまどき、畠山重忠なんて、99%の人間は知らないと思うのです。
ほとんど、買う側の人間も理解できてはいないだろうと思うのです。
それでも描き手がこういう絵柄を選ぶというのは、
日本人の「勇壮感」とでも呼べる感覚が、武者の筆絵という
定型パターンで、凝り固まっていることを表しているのでしょうか、ね。
それとも、絵師の世界は一子相伝のようになっていて、
絵柄についても、一切進化しないような伝統保守の世界になっているのか。

まぁ、しかし、こういう凧の絵柄に似合うとすれば、
これ以外には、格闘技やスポーツの題材くらいしか思い浮かばない。
それはそれで、知的所有権の問題が出てくるだろうから、
そう、ことは単純ではない。
それ以外の事柄を取り上げようとしても、いろいろ壁は多そうだ。
そんな事情もあって、いわば絵柄の進化のストップがあるのでしょうか?
もっと想像すれば、若い後継者がこの業界に存在しないのかも知れない。
と、考えれば、この先、こういう絵凧は希少価値が出て
高く売買されるかも知れない、なんて想像も浮かぶ(笑)。
日本ブームが空前という海外から、ジャパニーズインテリアとして
こういうものに脚光が浴びるようになるかも知れません。

なんといっても、和室の欄間飾りとして、
このように飾り付けられているインテリアの統一感は得がたい。
わが家では、ブロックの壁面を飾るものとして飾っていますが、
この独特のキッチュさは、やっぱりニンマリとしてくる日本的感覚。
味のある筆書きの力強さ、素朴さ、極彩色の躍動感などなど、
お正月のような賑わいの原風景的なものを感じます。
というような妄想を抱かせられた和のインテリアでした。
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